Chapter6_あなたの手を握ってる
■チャプター6:あなたの手を握ってる
[チャプター5の次の日・風邪を引いて学校を休んでいた主人公の部屋@夕方]
お邪魔しまーす……(小声で)【※左側中距離】
具合、どう?
風邪で寝込んでるって言うから、学校が終わって、急いで来ちゃった。【※徐々に近づいて左側近距離まで】
ごめんね、きっと昨日の校舎裏でのことが原因、だよね。
もう随分と冷え込んできているのに長居させちゃって……
「自己管理がなってなかっただけ」?
ふふ、あなたならそう言うと思った。
そんな優しさは、時に不要だったりするのよ?
昨日のことは私のせい……
え?私?
私は……ね。こんな体だからか、病気には結構強かったりするんだ。
あと、怪我の治りも早いのよ。
そこは、こんな体の、ちょっとだけよかったなって思うところ。
心配してくれてありがと。
でも今日は、私があなたの心配をする番なんだから。
今日はあなたが学校にいなくて、私、とっても寂しかった……
せっかく恋人同士になれて最初の登校が一人でなんて、ちょっと悲しかったわ……
だから!早く良くなって、一緒に手を繋いで登校しましょ?
「それは恥ずかしい」?
そっか……でも私は、あなたと一分一秒でも長くくっついていたいって思うな。
これからずっと、ずーっと一緒に生きていくんだとしても、時間いっぱい密着してたいって思うくらい。
それくらい大好きなのよ?
ちょっとおでこ失礼するわね……(おでこで検温する)【※顔接近】
ふゎ……熱い……
確かに私は体温が低いほうだけど、それでもあなたのおでこ、とっても熱い……
ごめんね?辛いでしょ?
それなのに私ばかりペラペラお喋りしちゃって……
「一人じゃ辛かったから嬉しい」……?
えへへ……そう言ってもらえると、来てよかったなって思う……(顔をもとの位置へ)
大丈夫よ……今日はずっとここにいてあげる……
家にはちゃんと言ってあるわ。
それに、あなたのお母様にもちゃんと許可は取ったから。
優しい方ね。
あなたが一人で寂しいだろうからって、喜んで迎え入れてくれたわ。
その期待にもお答えしたいし、私があなたのお世話、してあげる。
どうして欲しい?何か私にできるかしら。
何を気にしてるのよ。
いいのよ?かっこ悪いところも、弱ってるところも、私は見たい。
どんなあなたも、私は愛したいから。
ふふ、手を握ってて欲しいのね。
いいわよ。ほら、ぎゅぅって……
ふぁ……手も熱いね……
私の手、冷たくて気持ちいい?
なんだか今のあなた、子供みたいよ。
悪い意味じゃないわ。
とっても可愛い。守ってあげたいなって思うの。
【※左耳に接近】
(/囁き声で)
大丈夫。私が守ってあげるから。
ゆっくり休んで、また元気に学校に行きましょうね……
ほら、目を瞑って……
息が苦しいの?
じゃあ、深呼吸しよっか……
はい、吸って~(以下各4秒前後、等間隔)
吐いて~
吸って~
吐いて~
吸って~
吐いて~
ふふ、落ち着いた?
それじゃ電気は消しておいたほうがいい、かな?
つけてたほうがいい?
「目が覚めてしまった時に、私の顔が見えてたほうがいい」?
ふふ、甘えんぼさん……
そんなに辛そうなのに、素敵なことを言ってくれるのね。
じゃ、電気はつけたまま、あなたの手をぎゅってしたまま、私はここにいる。
あなたが落ち着くまで、かわいい寝顔を見ていてあげるわ。
もし私が眠っていたら、起こしてくれていいからね?
はーい、それじゃあ目を閉じて……
おやすみなさい……幸せな夢を見てね……
(以下の「…」は自然な呼吸音。黙って見守ってる感じで)
………………
………………
……かわいい……
…………大好きよ……
………………
好き……好き…………
………………
(囁き声で/)