Chapter11_扉越しのバスタイム
■チャプター11:扉越しのバスタイム
[チャプター10の続き・お風呂場・扉越しに主人公と会話]
ふわ……シャンプーがいっぱい……【※正面中距離(とくに指定なし)】
そういえばご家族は何人いるのかしら……
5人家族なの?両親と、兄と妹と、それからあなた……
いいな……賑やかそう……
私の家は両親と私だけの3人家族だから、兄弟がいるのって羨ましいの。
これも、これもシャンプー……
こっちはコンディショナーね。
この育毛なんとかって書いてあるのはお父様の?
こっちのピンク色のはお母様か、妹さんのかしら。
あ……この匂い……
さっきの匂いと一緒だ……
ということは、これがあなたのシャンプー……
うふふ……せっかくだし、これを借りちゃおうっと。
私のお気に入りのはここには置いてないみたいだし……いいよね?
(恥ずかしがりながらも許諾する主人公)
ん、ありがと。
(髪の毛を洗う朱音)
よく考えたら、もう丸一日近くこの家にいるのよね、私。
しかも今は私たちしかいない……
まるで同棲生活を送ってるみたい……
うふ、うふふ……
でも、いつかこれが普通になるのよね。
同棲生活が新婚生活になって、私たちは家族という単位になる……
全然先の見えないはずの未来なのに、随分と明確に見えるような気がするわ……
きっと素敵な夫婦に……家族になれる。
そんな予感……いいえ、確信が持てるの。
あなたは?あなたの見える未来は私と一緒?
※えへへ……それなら嬉しい。
(湯船に浸かる)
ふぅ~、気持ちいい……
やっぱり広々とした湯船にのんびりと浸かるのは落ち着くわ。
それにしてもこの家のお風呂って随分と広いのね。
これならあなたと一緒に入っても問題ないかな……
ねぇ、あなた……よかったら一緒に……どうかしら?(小声で恥ずかしそうに)
「よく聞こえなかったからもう一度」?
う、ううん、なんでもないの!きっと空耳よ、空耳!
ぶくぶくぶく……(水面に顔を半分沈め、口から息を出す)
そういえば、さっきは随分早く上がってたみたいだけど、あなたは湯船に入ったの?
「カラスの行水くらい」?
それは入ったってこと、でいいのかしら?
……ふふ、そう思うとなんだか……ドキドキする……
だってそうでしょう?
※あなたが入った沸かしたてのお風呂に、今度は私が入ってる……
今この湯船に張られてるお湯は、私たちの味がするはずよ……
れる……ちゅ……
うーん、さすがによくわからないや。
(「今、お湯を飲んだの?」と驚く主人公)
ん?あなた、なに動揺してるの?
冗談よ、冗談。
今のはただ手の甲に唇を這わせただけ……
「ちょっと変態っぽかった」?
そうかしら?
※私は、あなたが入った湯船のお湯なら、なんのためらいもなく飲めるわよ。
もちろん、あなただけしか入ってないっていうのが条件だけれど。
ふふ……なんだか今のあなた、とっても可愛い……
れりゅ、ちゅ、んぷ、ちゅるる……
(再び動揺を隠せない主人公)
んふふ~、今のも、ただ指をなめただけよ。
動揺しすぎだって……ふふ、面白い人。
んー……ねぇ、そろそろ私、上がろうと思ってるんだけど……
ごめんね、別に邪魔だって言ってるわけじゃないの。
うん、お気遣いありがとう。
洗面所の外で待っててくれると嬉しいわ。
(主人公、洗面所より退室)
………………(呼吸音)
ふふ、本当に可愛い……
もう、そこにはいないわよね……?
えへへ……ちょっとだけ……
ちゅるる……んく、んく……(湯船のお湯を少し飲む)
……うふふ、飲んじゃった。
味は……ほとんどわからないけど、あなたが入ったって言う証言だけで、十分美味しい……
ちゅる……ちゅ……ごくん……(嚥下音)
ん……そろそろ出なきゃ、あんまり待たせるとばれちゃう……かな?
んふふ……ごちそうさまでした。