Track 5

Chapter5:明日へ向かって

■Chapter5:明日へ向かって [7月ごろの19時くらい。家に帰ってきた主人公とそれを迎える朱音] あ、あなた!おかえりなさい! 「今日は遅くなるかも」って聞いてたけど、意外と早かったわね。 えへへ、あまり寂しい思いをしなくてよかったわ。 【正面近距離】 それで、今日はどこへ行っていたの? (主「言わなきゃダメかな」) え~?言いたくないの? 私に内緒にしなきゃいけないようなところに行ってたの? まさか……浮気……?(わざとらしく) (主「そういうわけじゃないんだけど」) うふふ、そんな顔しないで。冗談よ。 わかってる、あなたが私を悲しませたりできない人なのは、私が一番理解してるわ。 ただ、あなたがどんな反応するのかなぁって思っただけ。 試したわけじゃないのよ?単なる知的好奇心。 あなたの色んな顔を見てみたいって、そう思っただけ。(ここまで明るく) ……だから、そんな顔しないで?(辛そうに) (主人公、バイトの面接に行っていたと教える) え?バイトの面接に行っていたの? なんでそんな…… だって実家からの仕送りで私達の生活は何の不自由もない……というにはもうちょっと余裕がほしいなって思う時もあることはあるけど…… でも、そこまでお金に困ってるわけでもないし、 それに、ただでさえ学校で忙しいのに、バイトなんて始めたらもっと忙しくなるわ。 あなたと一緒に居られる時間が更に短くなっちゃう。そんなの……嫌だわ…… (主「それが本音なんだね」) うう…… そ、そうよ?これが本音。 せっかく二人暮らしを初めて、一緒にいる時間が増えて、 いつでもあなたを抱きしめて、キスして、愛してるって言えるようになったのに…… それなのにまた離れ離れなんて…… 人って言うのは一度手に入れた幸せが減ったり、なくなってしまったりすると、 たとえそれが元からあったものではないと解っていても、とてつもない喪失感を覚えてしまうものなのよ? こんなに幸せな毎日からあなたが減ってしまうの……私には辛い。 ねぇ、理由を聞かせて? あなたがそこまでしてお金がほしい理由、教えて欲しいわ。 「もう少しいい生活をするため」? それだったら必要ないと思う。 私はあなたが居るだけで、あなたとくっついて生活出来るだけで十分幸せよ。 この生活にどうしても必要な物はあなただけ。あなたがいるなら他の全ては必要ないって思ってるくらいなの。 あなたは、違うの? 「そんな目で見るな」って言われても…… だって、寂しい……寂しいわ…… (主「実は……」) ふぇ?実は……なに? 「結婚式を挙げるための資金集め」……? あ…… そっか……あなた、そんなことまで考えていてくれていたのね。 結婚式…… 言われてみれば私、あまり深く考えてなかった…… だってあの日、卒業式の後にプロポーズしてもらってから殆ど間を開けずにこんな生活が始まったんだもの。 心の何処かで、既に私達は新婚さんみたいな、そんな気分になっていたのかも。 ごめんなさい、私…… (主「黙ってた僕が悪いんだから気にしないで」) 「気にするな」っていわれても、だって、さっきのは完全に私の早とちりだもの…… (主人公、朱音を抱きしめる) あぅ……そうやって抱きしめられたら……私、もうなにも言えないわ…… ……ありがとう。あなただって辛いのよね。 わかってる、私と同じ気持ちだって……もうわかったから…… ……ねぇ、あなたはどんな結婚式にしたいって思っているのかしら? (主「キミは?」) 私?私は……そうね…… あんまり明確なヴィジョンとして想像したことはなかったわ…… 何度か、あなたと結婚式を挙げる夢は見たことあるのだけれど、ね…… (主「なんだか嬉しいなぁ」) あ……また余計なことを言ってしまったわね…… そうよ、私達がまだ付き合い始める前から、私はそんな夢を見てたの。 最初はぼんやりとした、「結婚」っていう言葉のイメージでしかなかったのだけれど、 見るたびにそれは少しずつ現実味を帯びたものになっていって…… 最近では「本当にこうなるんだろうな」って、未来の自分を見るような気持ちになってた。 「そこでの私」……? そうね……緑と青の風景と、そんなに大きくない教会で、私は純白のウェディングドレスを着ていて…… (主「じゃあそれで行こう」) 「じゃあそれで」って…… あなたは……それでいいの? 私が望むなら……それもあなたの望みって言うわけね。 うふふ、あなたらしいわね。 それじゃあ、私も。 私も、あなたが望む形の結婚式、したい。 本格的に計画をたてる時までに、もっともっと素敵な結婚式を夢見ておくわ。 だからきっと、素晴らしい物にしましょう? 一生心に残る、あなたと私の、最高の思い出の1つとして。 えへ……、また楽しみなことが増えたわね。 ……「ずっとそばに居てくれれば、それでいい」「好きだ、結婚しよう」(主人公が朱音に告白した時の台詞をわざとらしく) ……覚えてる?去年……そっか、まだ去年の話なのよね…… うん、あなたからもらった言葉。あなたの気持ちがいっぱい詰まった、素敵な素敵な愛の言葉。 結婚だなんて、あの時は半ば冗談みたいなものだって思ってたけれど、もう手の届くところにあるお話なのよねって思ったら、なんだか思い出しちゃって。 もうずっとあなたって呼んでるけれど、本当の旦那様になるってなるとちょっと身構えてしまうかも…… 「そんな必要はない」?えへ、それもそうね。 あの日永遠を誓ったのだし、もう私達は、ずっと前に結婚してるようなものだもの。 あなた……あなたぁ……v (主人公、甘えてくる朱音の口に、後ろから自分の中指を含ませる) (指を咥えたまま) ぁぷ……んぅ、りゅぷ……あ、あなた?急になぁに? 「懐かしくなって」って……もう、あなたったら…… そうね、最初に貰ったのは指から……だったわね。 (主「最初は僕の膝からじゃなかったっけ」) うぅ……確かに本当の最初はあなたの膝からだったけれど……今その話するのは卑怯だわ…… れりゅ、んる、ぷぁ、ぁふ……もう、あんまり舌を弄らないで……v うん、じゃあ……いただきます…………ぁくっ(指に歯を立てる) ん、んちゅる、じゅる……れる、れりゅ、る…… ちゅぷ、んりゅ……やっぱり、美味しい……じゅる、ちゅるる…… あなたの血は……こうやって味わうのが…… こんな風に、愛に満ちた雰囲気の中で、あなたの腕に抱かれながら味わうのが…… ……一番美味しい。 ちゅる、んぷ、くぷ……れりゅ、ん……ぷはぁ…… (/指を咥えたまま) ……本当に、あなたってなにからなにまで私にぴったりね。 こんなんじゃ、逆に私があなたに相応しくないんじゃないかって気持ちになってしまうわ…… 「そんなことはない」?……うん、あなたはそう言うわよね。 わかってる、こんなに愛してくれてるんだもの。 だからこそ、私ももっと頑張らなくちゃって思うの。 ね、今は家事をあなたと私で分担してるけれど、明日からは私がやろうって思う。 バイトで忙しくしてるあなたに、少しでもゆっくりしてもらいたいから。 (主「さすがにそれは悪いよ」) 「さすがに悪い」?もう、あなたったら…… そう、別にそんなに毎日バイトがあるってわけじゃないのね。 それだったら、あなたのお仕事がある日だけ。 あなたが私達のために頑張ってくれてる日は、私も、あなたの為に尽くさせて欲しいわ。 それでいい、かしら? (頷く主人公) うふふ、よかった。 あなたってちょっとそういう所、強情よね。 古風っていうか、意地っ張りっていうか…… ううん、そんなあなたも、愛おしいわよ。 でも、あんまり私のことを大切にしすぎてあなたが壊れちゃったら元も子もないわ。 あなたの元気な声が私の一番の活力だから、ね! 「僕の血はどうなの?」って……まぁ、それもそうなんだけど…… でも!もう私にとってはあなたの血よりもずっとずっと、あなた自身のほうが大事なの! まったく、そのくらいわかってるでしょう? もぅ~ ……それに、元気な時のほうが血だって美味しいのよ? 受験勉強で忙しかった時期、疲れてた私のためにあなたが血をくれたこと、あったじゃない? あの時は私もあなたも疲れてて、血をくれたことは本当に嬉しかったんだけど、 でも、いつもより幾分か味に深みが無いって言うか……ちょっと苦かったっていうか…… たぶん体調の問題よね。血だって体の一部なんだし、やっぱり疲れの影響が出るのかしら? 最初は気のせいかなって思っていたのだけれど、血の味が貰うたびに微妙に違うことに気がついて、 それで明らかに体調が悪かったり気分が落ち込んでいる時は、味が格段に違うなぁって。 あ、血の味といえば…… 私達が出会ったばかりの、単純に血だけをもらっていた頃よりも、 あなたが好きって言ってくれた、私を受け入れてくれた後の方がずっと美味しく感じたって話、したかしら? 「初耳」?えへへ、じゃあちょうど良かった。 きっと私の、あなたへ対する気持ちの持ち方が違うっていうのもあるにはあると思うのだけれど、 それ以上に、あなたが私のことを好きって言ってくれたことが、恋人同士になったことがあなたにとっても良かったって、いうこと……よね? (恥ずかしがる主人公) んふふ……ありがと。 (主「だったら、さっきの血の味はどうだった」) ふぇ?さっきの血の味? もちろん、とっても美味しかったわよ。 いつものあなたの……あ、でも、ちょっとだけ鉄分が少なめな味だったかしら。 大丈夫、あなた。疲れてない? (主「慣れないことをしたからね」) そっか、面接に行ったって言ってたし、疲れてるのも当然よね。 じゃあ今日は私が、疲れを吹き飛ばす晩御飯を作ってあげるわ。 ちょうど冷蔵庫にほうれん草があったはずだし、鉄分補給もそれでバッチリ。 (主「じゃあお願いしようかな」) 【右側後方中距離】 うん、了解。じゃあ、ちょっと待っててね。 あ、でも今眠っちゃだめよ? 夜、一緒に眠れないのは……寂しいから、ね?