Chapter8:ちよこれいと
■Chapter8:ちよこれいと
[バレンタインの夕方、自宅で]
ねえ、あなたv
今日が何の日か、知ってるかしら?
……なぁに、そんなにニヤニヤして……
え?私も?
うふふ……別に隠すつもりも必要もないのだけれど。
はい、どうぞ。
ハッピーバレンタインっv
朱音の手作りチョコレート、召し上がれv
(妙な顔でチョコを眺める主人公)
ふぇ?どうしたの、あなた。そんな怪しい物を見るような顔をして……
(主「いやぁ、血とか入ってるのかなぁって思って」)
え?血?
そんなもの入れてないわよ。
あなた……それ、冗談で言ってるのよね……?
わかってると思うけれど、私はあなたの血を飲むのは好きだけれど、人に自分の血を飲ませる趣味はないわよ?
確かにチョコレートの歴史を遡れば、「牛の血で出来ている」なんて噂があったり、チョコレイトの『チ』の文字に血の漢字が当てられていたこともあったみたいだけれど、
それと私とは全く微塵もこれっぽっちも関係ない話だわ。
それともあなた、もしかして……
私の血が飲んでみたいとか……そんなことを考えていたりするのかしら?
(図星みたいな顔)
うわぁ、「図星です」みたいな顔してる……あなたってば…………もう…………
知的好奇心が旺盛なのはいいことだと思うけれど、それはあまりにも怖いもの知らずだと思うわよ……?
(主「無理ならいいよ」)
いや、別に無理ってことではないけれど……
吸血鬼の血を引いてない人間が血液を口にしても、気持ち悪くなるだけだと思うし……
それに、あまりそういう趣味は公言しないほうがいいと思うわ。
「私が美味しそうに飲んでるところを見てたら興味が湧いてきた」?
もう……すぐそういうことを……
……いい……わよ?
あなたがどうしてもっていうのなら……その……少しくらいだったら……うん……
あなた……どこから欲しい?指?唇?それとも……
(主「別に今じゃなくても」)
うふふ、心配してくれてありがと。
でも、前にも言ったとおり私は傷の治りが早いから、少しくらい出血させるくらい大したことないのよ?
それに、私はもうあなたのものなのだから、1つや2つ傷を付けられた所で、それこそ「絆の証」だわ。
あ、そうね。だったら、左手の薬指なんてどうかしら?
こっちに来る前、あなたがくれたこの婚約指輪のお返し……って言うわけでもなかったのだけれど……
(主「心臓につながった血管があるっていう話?」)
そうよ。特別な血管があるっていう、あの。
だから、私にも……刻んで欲しい。
あなたと私との絆を……私がした方法で、あなたからも。
(朱音、主人公の口元に自分の指を)
うん、いいわよ。
(主人公、朱音の薬指に歯を立てる)
やぁ……んふぅ……くすぐったいわ…………
そんな風に焦らさないで……するなら早くして欲しい……
……「やっぱり私を傷つけるのに抵抗がある」?
あははは……あなたのことだからそう言うと思った。
そうよね、あまりこういうことに慣れていないと、どうやって出血させればいいかわからないわよね……
ちょっと失礼……ぁくっ(自分で噛んで出血させる朱音)
……はい、どうぞ、あなた。
早く舐めてしまわないと、私、すぐ血が止まっちゃうわよ?
(主人公、朱音の舐め方を参考に舐めてみる)
ふぁ……ん……あまり音を立てて……舐めないで……
やぁ……恥ずかしい…………ん……
(主「君の舐め方を参考にしてるんだけど」)
え?私っていつもそんな舐め方をしてるの……?
むむ……客観的に見る機会って今までなかったから、なんだか不思議な気持ち……
ん……まだ舐めるの……?美味しい?
「血の味がする」って……まあそりゃそうよね。
普通の人に血の味の違いなんてわかるわけ……
「でも好きな味」って……もう、そんな取ってつけたみたいな感想…………
いいえ、嘘でもそう言ってもらえるのは嬉しいわ。
(指を口から出す主人公)
もういいの?
うん、血ももう止まってるわね……あ~んむ(主人公が舐めていた指を自分で咥える)
ちゅる、れる……ぷぇ……
えへへ、あなたの味に加えて自分の血の味がするの、結構違和感……
でも、なんだかいいわね。素敵。
えっと……じゃあお口直しに……っていうのはなんだかおかしい気もするけれど……
改めて、バレンタインデーのチョコをどうぞ!
(チョコを食べる主人公)
美味しい?えへへ……嬉しいわ。
本当はね?唇にリップ型のチョコレートを塗ってキスしてみたり~とかも考えてみたのだけれど……
でも、今年は普通なのでいいかなぁって思って。
ほら、去年あげた財布はひねりすぎて、改めて考えてみるとあんまりバレンタインって感じでもなぁったと思うし……
だったら変わったことをする前に、一度王道にチャレンジしてみようって思ったのよ。
手作り……って言っても、クーベルチュールを溶かして、見よう見まねでテンパリングして、型に入れて固めただけなのだけれどね。
(主「結構本格的なんだね」)
「本格的」?そうかしら?
私は少し本を読んで、その通りに作っただけだからあまりそうは思わなかったけれど……
ともかく、あなたが喜んでくれて、本当に良かったわ。
え?私にもくれるの……?
私はいいわ、あなたのために作ったチョコなんだもの。あなたが全部食べていいのよ?
(主「いや、チョコじゃなくって……」)
え?……「血のこと」?
えへ、えへへ……
えーっと……ん……
じゃあ、お言葉に甘えて、貰っちゃおう……かしら。
えっと……どこからくれる?
「どこでも」って……んもぅ……
じゃあいいわ。私が一番好きな所からにしようっと……
大丈夫、首筋から貰ったりしないわ。
それは、来月。そういう約束でしょ?うふふ……
私達が恋人同士になった最初の日……
あの時あなたが自分の舌を噛んでくれた、あなたの味でいっぱいのキス。
……もう一度……味わいたい……
それにこの前の、私をなだめてくれた時のは良くないキスだったから、それのリベンジも兼ねて。
(主「……わかった」)
あ、でも今日は私にさせて?
私の歯の方が尖ってるから、きっと簡単に出ると思うから……
んっと……じゃあ、いい?
じゃあ……んむ(唇を重ね、主人公の舌を探す)
(主人公の舌を口に含んだ状態/)
れぅ、えぷ……れりゅ……んぷゅ……
えっと……じゃあ、いくね…………ぁくっ(歯を立てる)
れりゅ、んちゅ、りゅぷ……んふふ……出てる……熱い……ぁぷ、りゅ……
ぇぷ、れりゅ……んぢゅ……ふぁ……ぁぷ……ドキドキ……んちゅ、ぷ……してきちゃった……
はむ、んりゅ、れぷ、ちゅ……んくぷ……んぷ……しゅごぃ……はぷ、んりゅ……
んちゅる、れりゅ……え?私、身体震えてる?
はぷ、んりゅ……だって……ん……やっぱりこんなのずるいわよ……
ぁぷ、ぷゅ……んちゅ、ちゅる、れりゅ……
それに……んちゅ、ぷぁ……あの時よりもずっとずっと……れりゅ、くぷ……強く抱きしめられてる……んぁ……ぁぷ……
気持ちいい……んりゅ、ちゅ……きもちいいよぉ……れりゅ、ちぷ、んぷ……
れりゅ、れりゅ……んぷ、ちゅる、ん……ぁぷ……
あなたと溶け合ってるみたいで……んりゅ、ちゅ……涙が出そうなくらい……いい……
んちゅ、りゅ……美味しい……ちゅぷ……好き……れりゅ……気持ちいい……!
ちゅぷ、れりゅ、んぷ……ぢゅるる……ん…………
ちゅぷ……好き……んちゅ、ちゅぷ、くぷ……好きぃ……
(「好き」と言いながら、心ここにあらずな感じのキスを10秒程度)
(/主人公の舌を口に含んだ状態)
ぷは……っ……は……はぁ…………はぁ…………
ぁ……あなた、ごめんなさい……私、少し興奮しすぎて気が遠くなってたかも……
(主「口のとこ、吸血鬼みたいになってるよ」)
ふぇ?「吸血鬼みたい」って……垂れてる?
んむぅ……(口元を手で拭う)
もう、あなた。そんな言い方……む~(むくれた様子)
まだ取れてない?えっと、どこ?
(口元の血の跡を舌で舐めとる主人公)
ひゃぁっ……んぅ…………
急に舐めるの反則……んっ……
んむ……取れたかしら?……うふふ、ありがと。
ええと……あなたの舌、血、止まった?
(主「うん、止まってると思う」)
そう、だったらいいのだけど……
後々口内炎にならないように、後でお薬塗っておいてね?
じゃないと、キスするにも痛いでしょう?
うん……今度こそ、チョコ。
……そうね、じゃあ私が食べさせてあげるv
はい、あーんv