トラック5:飴の取り合いをするお話
(放課後の帰り道にて)
お疲れ様ー!
ね、今日も一緒に帰ろ?
うん、ありがと!
……手、繋いでもいい?
えへへー
こうやって二人仲良く手を繋いで歩くの、とってもラブラブなカップルだなぁって感じ、するね。
うん、嬉しいよ。幸せだよ。
好きな人と一緒に歩いて、同じ方向を見て、同じ時間を消費してるの。
それが幸せじゃないなら何が幸せなのかな?
……ねぇ?さっきから君の言葉聞き取りにくいんだけど、なにか口の中に入れてる?
くんくん……
それに、なんだか甘いにおいがする……
あ、なるほど。飴、舐めてるんだ。
いいなぁ……
※ねえね、私にも一個ちょうだい?ちょうだい?
えー、一つくらいくれたっていいじゃんーケチ~
ああ、それが最後の一つなんだ。ちぇー、残念。
ん?まてよ……最後の一つってことは……にひひ
ちょっといいこと思いついちゃった!
うーん……ここじゃ人目が気になるかな……
ちょっとこっち来て?
うん、ここなら大丈夫かな。
「こんな裏路地に連れ込んで何するつもりだ」?
えへへ、悪いようにはしませんぜ~
ね、目を閉じてもらってもいいかな?
「嫌な予感がする」?
そんなの気にしすぎだって~
ほらほら、言う通りにして……んぷ
んへー、飴ちゃんどこに隠したのかな~?
んぷ、んちゅ、んれろ、れぷ
ここかな?れろ、れるれろ~
それともこっち?れる、れりゅちゅ、っぷ
えへへ、君のお口の中、とってもあまぁいよ?
あ!これかな?
れぷ、れろ~…………んちゅぷ
みっけたー!ふふふ、これで私の勝ちだねぇ?
あぷ、ん、んぅ~……これ、桃の味かな?
ん、んふ、ちょっとだけ君の味、するよ?
んふー、なぁに赤くなっちゃってるのぉ?
あ、こらっ……!んぷ、んちゅ、れりゅ、れろ、やめ……
やだぁ……れる、ちゅぷ、絶対返さないん……だからぁ……っちゅ、んぷ、んる、ちゅる
んぢゅ、ちゅぷ、れる、れろ、んちゅ、ぷちゅう
んぱぁ、ひゃあん!
んもぉ……強引だよぉ……
でもぉ……あぷ、んちゅる、ちゅっぷ、ぢゅる、んちゅ、ちゅる、るりゅ、んぷ
れる、れちゅぷ、んぅ~……れぷ、ぷはぁ
私も、負けないんだから!
負けず嫌いも、お互い様だよ……んぷ!
れる、れるれぷ、んりゅ、やだぁ……んちゅ、りゅっぷ、んぢゅ、ぢゅる
んぢゅ、ちゅる、んぷ、んぷ、ちゅ、ぢゅる、
渡さないって……んぷ、んりゅ、りゅぷ、言ってるでしょ……んぢゅ、ちゅぢゅ
んちゅ、ぢゅる、なんだかこれって……ぢゅる、ちゅ、口移しとかって言うよりも、ちゅむ、一緒に飴を舐めてるみたいで……
ぢゅる、んぷ、れぷ、よくわからないけど、んぷ、んぷちゅ……とってもえっちなことしてるみたい……
んちゅ、れる、れるれろ、君の味と、れちゅ、れる、飴の味、あぷ、れろぇろ、一緒に味わえて、ちゅぷ、最高に贅沢……かな?
れろ、ねろれろ、でも、もうすぐなくなっちゃいそう……ぢゅる、ちゅ、だね……
このまま……ちゅる、れるちゅ、れる……なくなるまでこうしてて、いい?
れる、るぷ、んぷ、ちゅる……ふみゃぁ!
え?どうしたの急に口を押さえて……
うわぁ……いっぱい血が出てる……
ちっちゃくなって尖った飴が舌に刺さっちゃったんだ……
ごめんね?むきになって飴の取り合いなんてしなければこんなことにはならなかったのに……
ほら、舌出して……えれぇ
こうやって、血が出るの抑えててあげる。
大丈夫、口の中は血が出やすいけど、その分すぐ止まるんだから。
えへへ、なんだか喋りにくいね……
でも、舌と舌で繋がってるのって、悪い気分じゃないなぁ。
ん……まだ血、出てるみたい。
飴の甘い味と、君の味と、血の味が混ざってる……
これはどんな味って言ったらいいのかな……
病的なロマンティシズムかなぁ?
でも、私はこれ……好き。
だって、あったかくて、気持ちよくて、おいしい……
……よし、血は止まったみたいだね。
今度からは、ちゃんと私の分の飴も用意しててよね?
それとも、くせになっちゃった?
二人でひとつの飴を舐めること……
えへへ、だったら今度は怪我しないように注意しなきゃね。
次はソフトキャンディにしてみる?それともグミがいいかな?
えへへ、いろいろ試してみなきゃだめみたいだね。
……ねぇ?
飴の味もよかったけど、今度は君の味だけを舐めたい……なぁ
えへ、いい……よね?
……あぷ、ちゅる、ちゅぷ、んぷ、んぷ、ちゅる、ちゅ、ちゅちゅ、ちゅる……