6家主、大丈夫ですか?
[平日、学校を早引きしてきた主人公]
(寝転がってテレビを見ながらポテチを食べてるチカ)
あ、家主!おかえりなさーい!
えへ、すみませんねこんな格好で。
もうちょっと帰ってこないかなと思っていたので、のんびりしていたところでした。
しかし、このポテトチップスというのは美味しいですね~
こちらの食べ物については時々お話を聞いていましたが、これはついつい手が伸びてしまってやめられないですよ~
って、家主?なんだか体調悪そうですが、大丈夫ですか?
(主「ちょっとね」)
……そうですか。気分が優れなくて早退してきたんですね。
ええ、悪い選択ではありませんよ。
人間、体が資本ですし、調子の悪い時に無理をして余計悪化させては元も子もありません。
えっと、では家主はもう寝て下さい。
僕がお布団を敷いておきますので、今日はゆっくりしててくださいね。
[しばらくあと、布団の上で]
あ~、やっぱり熱があるみたいですね……
これは風邪ですね。誰の目にも明らかです。
でしたら……はい、これどうぞ。卵酒を作りました。
飲むと身体、中からぽかぽかですよ。
(卵酒を飲む主人公)
えへ……美味しかったですか?
(主「お腹が熱くなってきた」)
ええ、良かったです。
風邪の時は体を温めて、免疫力を高めてぐっすり眠ると、意外とすぐに治ったりするんですよ。
それでは……横になって下さい。
(布団に寝る主人公)
(ここから囁きかけるような、息多めな声で)
家主……手を握られてると身動き取れないです……
(風邪を移さないか心配する主人公)
え?僕ですか?
ふふ、安心して下さい。
僕はこちらの存在ではありませんので、人間の病気に罹ったりということはありえませんよ。
でないと、こうやって側にいて差し上げられませんし。
「寂しい」ですか?……そうですね。
体調が悪い時は、心まで落ち込みがちですから。
(主「ずっと見ててくれるの?」)
もちろんですよ。僕がずっと看病しててあげます。
一応そういうお勉強もしてきましたので、任せて下さい。
ん……息、苦しいですか?
そういう時はこれを……少し胸、失礼しますね。
(胸をはだけさせ、ヴェポラッブ的なのを塗る)
これを塗っておけば、少しは楽になるはずです。
(小さな手で触れられて、少し幸せになってしまう主人公)
んv……こんな時に幸せを送って来ないで下さい……
今は……気持ちよく眠っていただきたいんです。
…………
……そうですね、では、子守唄を歌ってあげますね。
僕の声で、少しでも楽になってくだされば……
ん……
(江戸子守唄+1コーラスをハミング・ゆっくり目に)
ねんねんころりよ、おころりよ。
ぼうやはよい子だ、ねんねしな。
ぼうやのお守りは、どこへ行った。
あの山こえて、里へ行った。
里のみやげに、何もろうた。
でんでん太鼓に、笙の笛。
……………………
……………………
(家主が眠って少し寂しいチカ・さらに囁き強めで)
大丈夫です。僕がいますから。
家主が元気になるまで……幸せになってもらえるまで……
ずっと……ずっとここにいますよ。
だから……安心して下さい。
家主……家主…………