従姉の耳かき
「あっ。反対の耳もあるから、まだオシマイじゃなかったっ。
(嬉しそうに)こっちの耳も…やらないとねっ」
耳かきが片方だけで終わるわけがありません。
興奮冷めやらぬさち姉はその事にようやく気づきます。
「ぐるりんってして」
その言葉に、あなたはマッハで反応。
世界で一番柔らかい胸と膝枕のサンドウィッチの間を…くるっと反転します。
(SE)
さち姉のぬくもり。
さち姉の弾力。
さち姉の、甘い香り。
男子の夢が一度に全部味わえる、至福のぐるりん。
何回だって味わいたくなる。
あなたは無意識のうちに、本能のままに、反転。
至福のぐるりんをもう一回。
(SE)
もう一回が、さらに、もう一回。
(SE)
反転が反転を呼び、反転しまくり。
(SE)
柔らかサンドウィッチの狭間で止まりません。
「こ、こらぁ…!
いいかげんに、とま、止まって……!
耳かき…、
するんだからぁ、
じっとしてて…。
しないとぉ…、
ダ…メっ。
ダメなんだからね…っ?!」
反転しまくるあなたに、必死の懇願。
「お、大人しくっ…、
しないと…。
できない。
耳かき、できない、
よ?」
耳かきができない。
どれだけの一大事なのか。
それに気づいたあなたは、光の速さで理性を取り戻します。
効き目ありまくりの一言に、さち姉も苦笑。
「わ、わかったなら…よかった…」
魅惑のふにぽよサンドイッチはそのままに、
ようやく、耳かきをリスタート。
「それじゃ、こっちの耳も始めるね…」
耳たぶをふにっとつまんで、忘れずに耳の穴をチェックします。
「ん…。
どれ、どれ」
澄んだ瞳をキラリと光らせ、耳の中をくまなく覗きます。
「あ…っ。
こっちの耳も…、いっぱい。
耳垢でいっぱいだぁ♪」
満面、こぼれるような笑み。
「ふふ。
こっちの耳も掃除のしがいがありそ。
ワクワク♪」
嬉しそうに猫の手の耳かきをペン回しさせてから、
耳の穴へ、イン。
(耳かきイン)
「耳垢の取りすぎはダメって聞いた事があるけど、
コレは、取らないとヤバイと思う…」
(耳かき始)
さっきまでの踊るような耳かきとは打って変わって、
味わうような、耳かきの動き。
「片耳やり終えたからかな?
さじがいい感じに動く…♪」
偶然にも、その動きこそ、f分の1ゆらぎ。
ヒーリングや快適感を与えると言われるリズムなのでした。
さち姉が耳かきをするだけで、癒される。
耳垢をすくう度に、癒やされていくのです。
一度の耳かきでここまで覚醒。
さち姉の隠された才能は、完全に開花。
耳かきの才能は本物なのでした。
耳の中から湧き続ける、癒やし。
それは、まるで絶える事のない湧き水のようです。
耳かきをされまくって、
今度は、ふわふわしてきます。
ふわふわ。
それ以外に例えようがありません。
そんな、いい気分。
い~い、気分。
癒やされて、ふわふわ。
ふわふわ。
あなたの意識が、ふわふわ。
ふわふわ。
眠りかけのまどろみにも似た、感覚。
ふわふわ。
癒やされて、まどろみます。
ふわふわ。
あなたの意識が、まどろみます。
ふわふわ。
これ以上ない、い~気分。
ふわふわ。
癒やされて、い~気分。
ふわふわ。
あなたの意識が…い~気分。
さらに、
さち姉の甘い匂いが、それを後押し。
興奮して体温があがったからでしょう。
膝枕の時は意識しなかった匂いを、強く、感じます。
香水以上の、甘い匂い。
さち姉の匂いで、い~心地が、倍。
こんな状態が続いたら、
今度は文字通り、ノックアウト。
眠りの世界へ、イッチャウ。
膝枕で耳かきをされながら、
ふにぽよのサンドウィッチをされながら、
さち姉の匂いに導かれるように、キモチイイ眠りの世界へと旅立ってしまいます。
夢の中の夢へ。
天国の芝生で日向ぼっこをするよりもあったかい、ぬくもり。あまやかな、心地よさ。
耳かきが癒やしの王様と言われるのも、納得。
納得すぎる、気持ちよさ。
さしずめ、今のさち姉は癒やしの女王。
そういえば…、
さち姉がいつからか、「いやしの日向」と呼ばれるようになっていたのを思い出しました。
癒やしと住所を掛けて、「いやしの日向」。
改めて、納得です…。
「♪~~♪
絶好調ぉ。
自分でも驚いたんだけど、
耳垢を取るとね、
こんなに嬉しい気持ちになるんだね…♪」
耳かきは絶好調。:耳かき音抑えめ
弾んだ口調で、
耳輪の上部を揉み始めます。
無自覚癒やしプレイが、一気に爆発。
くにくに。
くに…くに…。
耳たぶを親指と人差し指で挟むようにして、くにくに擦ります。
くにくに。
くに…くに…。
耳かきの気持ちよさに、
新しいキモチイが掛け合わさって、ますます幸せ。
さらに、髪に手ぐしを通して、
後頭部あたりを指の腹で、くにくに揉み揉み。
くにくに。
くに…くに…。
くにくに。
くに…くに…。
耳かきの気持ちよさに、
別のキモチイイが重なって、どんどん幸せ。
いくつも積み重なった幸せも、いよいよ終盤。
甘やかすぎて、病み付きになる幸せの時間でしたが、
さすがに、永遠…とはいきません。
始まりがあれば終わり、あり。
「ん…。
ん~~??
あぁ…。
終わり…かな?
あんなにあったのに、
全部、取りきっちゃっ…、
てない。
取りきって…なかったぁ。
奥の…、
奥の奥?
微かに、残ってる…。
これは、
確かに…、耳垢。
ラスト・ピース!
よし…。
最後のコレを、
キレイにして、
ゴールしちゃうね。
ン。
落とさないように、
慎重に…、
さじをくぐらせて…、
あとは、
このまま…ゆっくり、
そぉ…っと、
すくえば…。
ゴール。
よ…、
……っと!
ゴーーーーーール♪」
これ以上ない喜びの声。
ほとばしる達成感。
「我ながら…うまくいった♪ いっちゃった♪」
思わず、耳かきを掲げて可愛くガッツポ。
からの…、
「ふ~~~~っ!」
歓喜のさち姉から繰り出される、まさかのひと吹き。
耳の中に勢い良く吹き込まれて、あなたは、ビクンビクン。
体を跳ねるようにして、夢の中の夢から戻ってきます。
最高の癒やし世界から、一瞬で帰還。
「うふふ♪
おはよ~。
いい感じに…寝ちゃってみたいなんで、
思わず、ね(笑)」
ほっぺをつっつきながら、
顔を赤らめてそう言うさち姉でした。
とはいえ、
幸せな目覚めである事は、疑いようもありません。
あなたにとって、これ以上ない人生最良の目覚めなのでした。