02.私を抱いてくれないかしら?
ねぇ、勇者…今夜一晩、私を抱いてくれないかしら…?
…あら、夫のいる女は嫌いかしら…?
あなたには、世界を救うという使命があるのでしょう?
だったら…この大きく広い世界を救う前に、私の心を救ってくれないかしら…?
愛した夫に愛想を尽かされ、愛に飢えた、私の心を…♥
それに今、私の魔力は空っぽ…回復には時間がかかり過ぎるもの…
手っ取り早い魔力補給も兼ねて…ね?
セックスしてくれるなら…あなたの借金、今すぐ帳消しにしてもいわよ?
そもそも、私の魔力が無くなった原因の一端は、あなたにあるのよ?
それに…んんっ…♥
久しぶりに、魔物と戦ったからかしら…今夜は身体が…なんだか火照るのよ…♥
責任、取りなさい…♥
ふふふふふ…あの人以外の男とキスだなんて、一体何年振りかしら…♥
ふふ、もっと積極的にキスしてもいいのよ?
それとも…”人の女”に手を出すのは、気が引けるのかしら?
遠慮はしなくていいのよ?
今ここは、誰もいないもの…♥
だから今は…2人の時間を楽しみましょう…♥
キスだけで…魔力が流れ込んでくる…♥
あの人とは違う…若くて、みずみずしい魔力が…♥
美味しい…本当に美味しい…
もっと…もっと欲しくなる…
あの人以外とのキスが…こんなに美味しくって…幸せだなんて…♥
知らなかったわ…♥
それとも…ちゅうっ…あなたが勇者だからかしら…♥
あなたを見ていると…ごくっ…久しぶりに、身体が昂ぶってきたわ…♥
まだドラゴンと戦っていた時の興奮が残っているのかしら…♥
ふふふふ…今頃街中、ドラゴン退治記念のお祭り騒ぎ…教会には、誰も来ないわ…♥
さぁ…私達も、愉しみましょうか…♥
ふふふ…ねぇ、勇者…さっきも言ったけど…今の私は…魔力も心も、空っぽなの…♥
あなたを生き返らせるために使った、私の魔力の代わりに…私を満たして欲しいの…♥
ねぇ、勇者…
あなた…童貞でしょ♥
隠しても無駄よ…♥
シスターの私を相手に、嘘が通じると思っていて…?
別に、怒っているわけじゃないのよ?
あなたが童貞であることを、私が想定していなかっただけ…♥
でも…いいのかしら…♥
このままだと…あなたの初めての相手は、私になってしまうわよ…?
私から誘っておいて、こういう事を言うのも変だけど…今ならまだ、引き返せるわよ…?
本当に、私でいいの…?
あなたから見れば、私なんておばさんよ?
それでも…いいのね?
ふふふふふふ…私がいいだなんて、ずいぶん嬉しい事を言ってくれるじゃない…♥
あの人が最後にそんなことを言ってくれたのは、一体いつだったかしら…もう思い出せないくらい昔のこと…
…あっ、ごめんなさいね
あなたがいるのに、”あの人”の事を考えるなんて…最低ね、私…
でもやっぱり…私は、”あの人の女”なのよ…ごめんなさいね…
それでも、いいって言ってくれるなら…最低ついでに一つだけ、お願いしてもいいかしら…
”愛してる”って、言って欲しいの…
男に”愛してる”って言って貰えないと、男に抱かれることも出来ない、臆病な女なのよ…
私のわがままよ…ねぇ、お願い…
はぁ~…
ふふっ、ありがとう…
その一言で、決心がついたわ
いいわ、今夜は私も…あなたを目一杯、愛してあげる…♥