再会に薫る花
あら、いらっしゃい。
編み物片付けるから、ちょっと待ってて。
お待たせ。そう、靴下を編んでいたの。
やっぱり靴下は手編みに限るね。
うん、編み物大好き。編み目が沢山あって……すっごく楽しい。
それで、発表はどうだったの?
あっ、うん。それ、上手くできた事になるんだ。あなたの中では。
まあ、どういたしましてと言うべきなのかな? 反応に困るけど。
えっ、お礼?
開けてみてもいい?
この瓶は香水?
ラベンダー、前に付けてたのだね。
早速試させて貰おうかな。
すー、うん、やっぱりいい香り。ありがとう。
私が気に入ったの覚えてくれてたんだ、案外マメな所あるんだね、見直しちゃった。
お礼にあなたにも靴下編んであげようか。
狼さんのワンポイントも入れてあげるね。
まあまあ、せっかく来たんだから瀉血していきなさい。
食生活が直ったか診てあげる。
それじゃあ、止血帯絞めるから袖を捲って貰える?
んっ? 首傾けてどうしたの? 痛むの?
はぁ? 直接吸って欲しいとか何考えてるの?
確かに、直接吸った方が美味しいけどさ。
血を吸って怖がられるのが嫌とは言ったけど、喜ばれるのもこれはこれでなんか嫌だね。
それに、首なんて噛んだら痛いよ、血も出すぎちゃうし。
うーん、耳たぶ……ならあまり痛くないかな。
やっぱり抵抗感あるなぁ。
あー、んっ。んっ、んっ、んっ。
はい! お終い!
もう十分吸いました、これ以上吸うとあなたは出血死します!
耳なら服は汚れません!
さあ健康人は帰った、帰った!
シッシッ!
そのー……動物食べるの止めたんだね。
前よりくどくなくて美味しかったよ。
気分よく飲めるしね。
また、飲んであげてもいいよ。
はぁ? また耳からって?
そうねぇ、じゃあ今度は耳を切り落として吸わせて貰おうかしら、ふふっ。