深化
やさしい波に抱かれて水面を漂う。
とても気持ちいいいわよね。
このままゆらゆら揺られているだけで、あなたはとても安らいで、もっともっと深い深いリラックスに沈んでいくわ。
それこそ海の中に沈んでいくようにね。
どう?もっともっと深い深い世界を体験してみたい?
深い深い真っ暗な世界に沈んでいって、もっともっと海と一体化してみたい?
うふふ・・・いいわよ答えなくても、してみたいに決まってるもんね。
じゃあ私の声についてきてね、あなたをもっともっと深い深いところに誘導してあげる。
深い深~い気持ちのいい場所にいざなってあげる。
ここはどこ?
ここは海の上。
水面ゼロメートルね。
あなたが求める幸せの世界は、やすらぎの世界は、ず~っと深い所にあるの。
あなたはこれから私の誘導に従って海に沈んでいくの。
海に沈むにはどうすればいいと思う?
そうね、やっぱり身体を重くするのがいちばんよね?
だからこれから私があなたの身体を重くしてあげる。
まずは力を抜きましょう。
まずは両肩、両肩から力を抜いて・・・両肩から力が抜けると、両腕の力も抜けてくるよね。
両肩から意識して力を抜いていくと、力が指先までず~っと押し出されるように抜けていくわ。
次は腰、腰はからだの重心だから、腰の力をす~っと抜くと、お尻から太腿までつながりながら力が抜けていくの
太腿まで力が抜けると、そのまま脚のつま先までまたす~っと力が逃げていくわ。
手足がだらーんと広がって、まるで海月みたいに身体の力が抜けていく。
肩と腰の力が抜けると、その間にある背中や脇腹の力も抜けるわ。
身体の力が抜けると全身だらーんとして気持ちよくなっちゃう。
残るは頭、首から意識して力を抜いていくと、頭の力も自然に抜けていくわ。
頭の力を抜くと、頭の中の力も抜けて、頭の中が海月みたいに真っ白になっちゃうのよ。
全身の、頭の力が全部抜けると、いよいよ身体が重くなってくるわ。
だらーんと投げ出した足が重くなる。
重く重くなって、ゆっくり沈んでいく・・・ズブズブと沈んでいくわ。
でもそれが不思議と気持ちいい。
脚が重くなると腰も重くなるわ。
気持ちのいい重み、確かな重み。
重くなって重くなって、腰までズブズブと沈んでいくの。
腰の次は胸と両腕、力が抜ければ抜けるほど重くなっていって、ゆっくり沈んでいく。
重く重く気持ちよくなって、ズブズブ沈んでいく。
そして頭、頭の中が真っ白に、海月になっちゃったあなたは水の中でも平気。
そう安心するとどんどん重くなって沈んでいく。
重く重くなって、気持ちよく沈んでいく。
沈めば沈むほど深い深い気持ちのいい世界に入っていく・・・って、当たり前よね?
あなたはゆっくり重くなって。
ゆっくり沈みながら。
ゆっくり深く入っていくの。
(できれば効果音を水中用に・・・)
どう?水中に入ると、私の声以外がすぅっと遠くなるでしょ?
これであなたは今までよりも私の声に集中しやすくなったわ。
このままどんどん深~い所に沈んでいくと、周りの音や感覚が水の壁に阻まれて、どんどん遠くなっていくわ。
そろそろ1メートルぐらい沈んだかしら?
水面にいたときよりも、ちょっとだけ周りがくら~くなっているの気づいた?
これからあなたは深いところに沈んでいくけど、沈んでいけばいくほど、私の声と自分の中の感覚に没頭していくようになるわ。
そんな事を話しながらだけど、そろそろ2メートルぐらい潜ったかしら?
だんだん周りが暗くなって。
だんだん周りが遠くなって。
わたしの声だけがあなたに届く。
そうね、海底まであと97メートル。
沈めば沈むほど、深さの数が大きくなればなるほど、あなたは私の世界に没頭していく・・・。
あと96メートル。
まだまだ実感は弱いかもしれないけど、これからどんどん深く深~くに潜っていけば、どんどん深く・・・。
95メートル。
深い世界に。
94メートル。
海の底へ。
93メートル。
私に導かれて。
92メートル。
91メートル。
90メートル。
もっと深く。
89メートル。
88メートル。
87、86、85、84、83、82、81、80メートル。
暗くなる、深くなる、深く入っていく。
私の声に導かれて、深い深いところへ・・・。
79、78、77、76、75、74、73、72、71、70メートル。
深く深く入れば入るほど、まわりが暗くなればなるほど、あなたの頭の中は白くなっていく。
真っ白になっていく。
そう、思い出して・・・あの海月のようにきれいな白に・・・。
69、68、67、66、65、64、63、62、61、60。
もう世界は真っ暗。
あなたの頭は真っ白。
59、58、57、56、55、54、53、52、51、50。
真っ暗な世界で、真っ暗なだけの世界で、あなたの頭の中の白さだけがぼうっと浮かび上がる。
とてもキレイね。
49、48、47、46、45、44、43、42、41、40。
頭の中の白さに集中してくると、もっと深く入る準備が自然にできるようになるわ。
39、38、37、36、35、34、33、32、31、30。
深くなる、深く沈む、気持ちいい。
深く、深く・・・。
29、28、27、26、25、24、23、22、21、20。
まわりは真っ暗、あなたの頭だけ真っ白。
まわりはしーんと静まり返って、私の声だけしか聞こえない。
19、18、17、16、15、14、13、12、11、10。
うふふ・・・深い深ーい海の底
もうなーんにも解らない。
9、8、7、6、5、4、3、2、1メートル・・・。
もう海の底まであとちょっと、一番深くて気持ちのいい場所。
今あなたは海の底のすぐ上をゆらゆら漂ってる。
最後の1メートルはゆっくり降りましょう。
そう、ゆっ・・・くり沈んでいくわぁ。
0メートル。
さあ、一番深い場所についたわ。
あなたは一番深く入って。
一番頭を真っ白にして。
一番私の言うとおりになる事ができました。
大好きな私の声に深く深く集中できるようになったの。
嬉しいでしょ?
楽しいわよね?
でももっともっと楽しいことがあるの。
それをこれから教えてあげる。