キス
あ、えっと……。
はううぅ……。
正面から向き合うと……インキュバスと言えども、やっぱり恥ずかしいね。
アハハハ……。
そりゃあ……ボクだって照れるよ。
だって、これからするのは、ファーストキス……だもの……。
……さっき言ったでしょ?
召喚されるたびに、まっさらな状態に戻るインキュバスだって……さ。
キスどころか、食べ物さえふれたことがない唇を、
会ったばかりの人間に捧げるんだから、少しくらいは恥じるよ……。
……だけどさ。
そういう清らかな唇だって思えば、男同士でも抵抗ないでしょ?
ね?
それじゃ、キスするよ?
いい?
瞳……閉じて。
(──間隔5秒)
……早く閉じて。
瞳を閉じるのは、男女関係なく、キスのルールなの。
はい、閉じて……。
(──間隔5秒)
チュッ……。
エヘヘッ……。
やっぱり照れくさいな。
でもこのドキドキ感が、ちょっと心地いい。
おにいさんはどう?
生まれて初めてのキス、感想は?
(──間隔5秒)
アハッ、そうだね。
ちょっとふれただけだから、特に感想なんてないよね。
だけど、男同士だからって、そんなに抵抗なかったでしょ?
ね?
そうそう。
おにいさんの唇、お手入れ不足でちょっとガサガサしてた。
男だから、唇のケアなんて……って、思ってない?
突然のチャンスで悪い印象与えないためにも、普段のお手入れは大切だよ?
ンフッ♪
きょうは特別に、ボクの舐め舐めで、おにいさんの唇に潤いを与えてあげる。
あむちゅっ……ずちゅっ……むちゅちゅっ……。
はむちゅっ……ンれろっ……んれろっ……むちゅるるっ……。
ンはふぅ……むちゅちゅっ……あむちゅっ……ンッ、ンッ……。
あっ……顔背けちゃダメぇ。
まだ終わりじゃないよ、こっち向いて。
ンむちゅっ……はむちゅっ……むちゅちゅ……んちゅっ……んれろっ……。
あむちゅっ……ちゅばっ、ちゅっ、ちゅっ、んむちゅっ、むちゅちゅっ、ンむちゅっ……。
むちゅちゅぅ……はふぅ……んちゅれろぉ……。
あははっ……。
男同士で、とってもエッチなキスしちゃったね。
音をチュパチュパ立ててさ……。
もう完全に恋人モードだよね?
ね?
あっ……また顔背けたぁ。
もぉ。
まだ男同士に抵抗があるわけぇ?
そうやって逃げるのなら……。
こうやっておにいさんの両肩に手をかけてぇ、舌を絡めてぇ、逃げられなくしちゃうよ。
さあ、このキスで観念するんだね。
んむちゅっ……ンれろっ……むちゅれろっ……あむちゅっ……れろっ……。
んむむぅ……ンれろっ……ずちゅちゅっ……あむちゅれろっ……ンれろっ、れろっ……。
むちゅちゅちゅぅ……はふぅ……ちゅるるっ……ンれろぉ……むちゅちゅばっ……あふはぁ……。
ンはぁ……。
おにいさんのお口の中、広くて舐め甲斐あるぅ……。
この歯茎のツルツル感、大好きぃ……。
ンれろっ……むちゅずるっ……じゅるっ……んじゅぱっ……んれろぉ……。
ンちゅるるっ……はむちゅずずっ……んじゅるっ……ンぢゅぱっ……んずずぅ……。
こらっ……。
おにいさんってば、体大きいのに防戦一方じゃない……。
ボクのお口に、その長い舌をぐいぐい突っ込んできてよぉ……。
そして……「おえっ」ってなっちゃうくらいに、喉の奥まで舐め尽くしてよぉ……。
吐息も……どんどん送り込んで……。
ボク、おにいさんの息の香り、大好きぃ……。
むちゅっ……。
あむちゅっ……ンりゅずるっ……むちゅちゅちゅっ……ふはぁ……あむちゅっ……ンンッ……。
はあぁん……おにいさんの舌が、奥歯の裏側にまで来てるぅ……。
はふっ……ずちゅるるっ……んむぐぅ……ンはふっ……んっ、ちゅっ、あふっ、ふはっ……。
んれぉ……ふはふぅ……むちゅるるぅ……ずずっ……んりゅりゅっ……んりゅれろぉ……。
ふはぁ……おにいさんの吐息も唾液も、甘くて美味しいよぉ……。
おにいさんのあったかい吐息を、肺に充満させたいよぉ……。
あむりゅるるっ……むちゅるっ……ンずちゅっ……むちゅちゅっ……ずちゅるっ……。
んんくっ……むちゅちゅっ……ずちゅぱっ……んれろっ……むりゅりゅっ……ンりょろっ……。
んんむむっ……あむむっ……はむっ……ンッ、ンッ、ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ……。
んん~~~~~~~~~~~~っ……チュッ!
ふはぁ……はぁ……はぁ……ふはぁ……。
はあっ……あふはぁ……ふぅ……ふぅ……ふぅ……。
エヘヘッ♪
お口の中のヌルヌルが気持ちよくって、つい長々とキスしちゃった。
おにいさんも、後半はノリノリだったよね?
舐め残しがないくらいに、ボクのお口の隅々まで愛してくれたよね。
えへへっ♪
……実はボクね、唾液に媚薬効果を宿すことができるんだ。
便利でしょ?
エヘッ。
でもいまのキスでは、あえてその能力を使わなかったの。
おにいさんには、そういう小細工なしで、ボクを好きになってほしかったから。
そりゃあボクは、なんでもアリの淫魔だけどさ……。
エッチをする以上は、心から愛し合いたいんだ♪
だってさ、愛情に勝る媚薬はないと思うよ。
男同士という、性別の壁を超えた強い愛情なら、さらに……ね。
さーって。
おにいさんが積極的になってきたところで、
そろそろ下半身でも、気持ちよくなっていこうかなーっと♪