癒しの定番はやっぱり…?
…つんつんっ
お待たせ、にーさん。
……ふふふっ。ごめんね。
ちょっとだけ、いたずらしてみたくなっちゃって。
でも、これからすることは、きっとにーさんも気に入ってくれると思うから。
だから、それで機嫌を直してくれたら嬉しいな。
うん。準備は、もう出来てるんだよ。
ほら、これ。この細い棒みたいな道具を見れば、私が何をしようとしてるのか、わかるでしょ?
……うん。正解。
これからにーさんのお耳を、私が耳かきしてあげる。
それじゃ。ここに座るから、にーさんも横になって、私の膝に頭を乗せて?
そう、膝枕だよ。耳かきするんだから、膝枕をするのも自然なことだよね。
……ふふふっ。別に、照れなくてもいいのに。
これぐらい、お姉ちゃんにも散々やってもらってるでしょ? だから、気にしなくていいの。
……うん。左の耳を上にして、私の膝に頭を乗せたら、リラックスして?
自分が楽な体勢を見つけられたら、教えてね。そのまま、耳かき始めるから。
……どう? もう大丈夫?
うん。じゃあ、最初は左の耳からしていくよ。
…………。…………。
どう? 痛かったり、しないかな?
……うん。ちょっとでも嫌な感じがしたら、すぐに言ってね。
にーさんが気持ちよくなれるように、私も頑張るから。
……でも、こうやって耳かきするのって、結構楽しいんだね。
私がにーさんに耳かきをするのって、今回が初めてだけど、ちゃんとリラックス出来てるみたいで、よかったな。
……ふふふっ。やっぱり、ちょっとだけ気まずい?
別に、お姉ちゃんは何も言わないと思うよ。
お姉ちゃんも、にーさんのことを第一に考えてるだろうし。
……だから。今は余計なことは忘れて、耳かきに集中して。ね?
……うん。いい子。ふふふっ。
…………。…………。
…………。…………。
……実は、ね? 私、こうやってにーさんに耳かきするの、前から憧れてたんだ。
恥ずかしいし、お姉ちゃんが居たから言ってなかったけど……。
こういうことをするのって、見ててとっても幸せそうだったから。
別に、私がモテないとか……そういうことじゃないんだよ?
確かに彼氏は居ないけど、でも……。
……ん。やっぱり、これ以上は言わないでおくね。
それこそ、にーさんに余計なこと考えさせちゃいそうだし。
……ううん、別にいいの。
こういうことは、私自身がタイミングを見つけて言うべきことでしょ?
……だからにーさんは、敢えて何も聞かないでいてくれたら嬉しいな。
……うん。これはお互いのことを考えた上で、のことだから。
……ふふふっ。ありがとう、にーさん。
それと、ごめんね。せっかく耳かきでリラックス出来てるところに、こんなに色々話しかけちゃって。
……だから。ちょっとここからは、集中して耳かきしよっか。
眠くなったら、そのまま寝ちゃってもいいよ?
ん……。…………。
…………。…………。
耳の奥の方は、ゆっくり……痛くならないように。
時間をかけて……慎重にね。
…………。…………。
…………。…………。
……よし。いい感じかも。
にーさんは、痛かったりしなかった? 大丈夫?
……うん。だったら、このまま続けるよ。
…………。…………。
…………。…………。
これで、手前の方をもう少し……っと。
これが終わったら、耳の中を確認させてもらって、仕上げに移るね。
…………。…………。
…………。…………。
……よいしょ。左耳は、これぐらいかな。
耳かきはやりすぎても、耳に良くないし。このまま仕上げ、始めるよ?
ちょっと、耳の中を見せてね……。ちゃんと綺麗になってるか、確認しなきゃ。
…………。
中は……大丈夫そうかな。よし。
それじゃ、最後の仕上げ……っと。いくよ……?
ふーっ……。ふーっ……。
……ふふふっ。びっくりした? 体がびくってなってたよ?
でも、これは仕上げなんだから。
息をふーって吹きかけて、耳に残ってる細かいのを飛ばさないと。
……ほら。もう一回、いくよ?
ふーっ……。ふーっ……。
……よし。左耳はこれで綺麗になったね。
うん。これで、左耳は終わり。次は、右耳にいこっか。
ほら、にーさん? このままごろんって、右耳を上にして?
……うん。そうそう。
そしたら、今度はこっちの耳かきをするから。にーさんは、リラックスしててね。
……はい。始めるよ?
…………。…………。
…………。…………。
……どう? こっちの耳も、痛かったりしない?
……そっか。リラックス出来てるなら、このままで大丈夫だね。
…………。…………。
…………。…………。
ちょっと奥の方、入れていくよ……?
痛くならないように気を付けるけど、今動いちゃうと危ないから。
にーさんも、今は動かないように……注意してね。
…………。…………。
…………。…………。
……よし。奥の方は、これで大丈夫かな。にーさん、痛くなかった……?
……うん。なら、よかった。そしたらまた、手前の方をもう少しやって、仕上げに移るね。
…………。…………。
…………。…………。
……もしかしてにーさん、もう寝ちゃいそうかな?
でも、耳かきする前に、マッサージも色々したもんね。
これだけしてたら、仕方ないか。
……そしたら、にーさん? 私の膝枕で、このまま寝ちゃったりする?
……私は別に、大丈夫だよ。むしろ、にーさんが私の膝で寝てくれるんだったら、嬉しいぐらい。
……うん。だったら、ここからは私も静かにするから。
にーさんは、そのまま……おやすみなさい。
……目が覚めるまで、にーさんの寝顔、私が見守らなきゃね。
だから……安心して、眠りの世界へどうぞ……? ふふふっ……。
…………。…………。
…………。…………。
手前の方も終わったから、ちょっとだけ中……見せてもらうね。
……んしょ。どれどれ……?
…………。…………。
…………。…………。
……うん。大丈夫そう。そしたらまた、耳ふーってしよっか。
くすぐったいかもしれないけど、我慢だよ。すぐ終わるからね。
ふーっ……。ふーっ……。
……ふふふっ。可愛い。
もう一回やったら終わりだから、我慢。ほら、いくよ……?
ふーっ……。ふーっ……。
……はい。これで、右耳も終わり。
にーさんは……。完全に寝ちゃった、かな……?
……やっぱり、疲れてたんだなぁ。
よしよし……。今日も一日、頑張ったね……。
……にーさんが起きるまで、私の膝は、にーさんだけの特等席だよ。
私も、にーさんの寝顔……暫く、独り占めにさせてもらおっかな。
……よしよし。よしよし。
私の膝で、いい夢を見てくれてたら……。私も、とっても嬉しいな。
……おやすみなさい。にーさん。
起きたらまた、私にいっぱいお世話させてね。ふふふっ……。