Track 3

癒しの定番はやっぱり…?

…つんつんっ お待たせ、にーさん。 ……ふふふっ。ごめんね。 ちょっとだけ、いたずらしてみたくなっちゃって。 でも、これからすることは、きっとにーさんも気に入ってくれると思うから。 だから、それで機嫌を直してくれたら嬉しいな。 うん。準備は、もう出来てるんだよ。 ほら、これ。この細い棒みたいな道具を見れば、私が何をしようとしてるのか、わかるでしょ? ……うん。正解。 これからにーさんのお耳を、私が耳かきしてあげる。 それじゃ。ここに座るから、にーさんも横になって、私の膝に頭を乗せて? そう、膝枕だよ。耳かきするんだから、膝枕をするのも自然なことだよね。 ……ふふふっ。別に、照れなくてもいいのに。 これぐらい、お姉ちゃんにも散々やってもらってるでしょ? だから、気にしなくていいの。 ……うん。左の耳を上にして、私の膝に頭を乗せたら、リラックスして? 自分が楽な体勢を見つけられたら、教えてね。そのまま、耳かき始めるから。 ……どう? もう大丈夫? うん。じゃあ、最初は左の耳からしていくよ。 …………。…………。 どう? 痛かったり、しないかな? ……うん。ちょっとでも嫌な感じがしたら、すぐに言ってね。 にーさんが気持ちよくなれるように、私も頑張るから。 ……でも、こうやって耳かきするのって、結構楽しいんだね。 私がにーさんに耳かきをするのって、今回が初めてだけど、ちゃんとリラックス出来てるみたいで、よかったな。 ……ふふふっ。やっぱり、ちょっとだけ気まずい? 別に、お姉ちゃんは何も言わないと思うよ。 お姉ちゃんも、にーさんのことを第一に考えてるだろうし。 ……だから。今は余計なことは忘れて、耳かきに集中して。ね? ……うん。いい子。ふふふっ。 …………。…………。 …………。…………。 ……実は、ね? 私、こうやってにーさんに耳かきするの、前から憧れてたんだ。 恥ずかしいし、お姉ちゃんが居たから言ってなかったけど……。 こういうことをするのって、見ててとっても幸せそうだったから。 別に、私がモテないとか……そういうことじゃないんだよ? 確かに彼氏は居ないけど、でも……。 ……ん。やっぱり、これ以上は言わないでおくね。 それこそ、にーさんに余計なこと考えさせちゃいそうだし。 ……ううん、別にいいの。 こういうことは、私自身がタイミングを見つけて言うべきことでしょ? ……だからにーさんは、敢えて何も聞かないでいてくれたら嬉しいな。 ……うん。これはお互いのことを考えた上で、のことだから。 ……ふふふっ。ありがとう、にーさん。 それと、ごめんね。せっかく耳かきでリラックス出来てるところに、こんなに色々話しかけちゃって。 ……だから。ちょっとここからは、集中して耳かきしよっか。 眠くなったら、そのまま寝ちゃってもいいよ? ん……。…………。 …………。…………。 耳の奥の方は、ゆっくり……痛くならないように。 時間をかけて……慎重にね。 …………。…………。 …………。…………。 ……よし。いい感じかも。 にーさんは、痛かったりしなかった? 大丈夫? ……うん。だったら、このまま続けるよ。 …………。…………。 …………。…………。 これで、手前の方をもう少し……っと。 これが終わったら、耳の中を確認させてもらって、仕上げに移るね。 …………。…………。 …………。…………。 ……よいしょ。左耳は、これぐらいかな。 耳かきはやりすぎても、耳に良くないし。このまま仕上げ、始めるよ? ちょっと、耳の中を見せてね……。ちゃんと綺麗になってるか、確認しなきゃ。 …………。 中は……大丈夫そうかな。よし。 それじゃ、最後の仕上げ……っと。いくよ……? ふーっ……。ふーっ……。 ……ふふふっ。びっくりした? 体がびくってなってたよ? でも、これは仕上げなんだから。 息をふーって吹きかけて、耳に残ってる細かいのを飛ばさないと。 ……ほら。もう一回、いくよ? ふーっ……。ふーっ……。 ……よし。左耳はこれで綺麗になったね。 うん。これで、左耳は終わり。次は、右耳にいこっか。 ほら、にーさん? このままごろんって、右耳を上にして? ……うん。そうそう。 そしたら、今度はこっちの耳かきをするから。にーさんは、リラックスしててね。 ……はい。始めるよ? …………。…………。 …………。…………。 ……どう? こっちの耳も、痛かったりしない? ……そっか。リラックス出来てるなら、このままで大丈夫だね。 …………。…………。 …………。…………。 ちょっと奥の方、入れていくよ……? 痛くならないように気を付けるけど、今動いちゃうと危ないから。 にーさんも、今は動かないように……注意してね。 …………。…………。 …………。…………。 ……よし。奥の方は、これで大丈夫かな。にーさん、痛くなかった……? ……うん。なら、よかった。そしたらまた、手前の方をもう少しやって、仕上げに移るね。 …………。…………。 …………。…………。 ……もしかしてにーさん、もう寝ちゃいそうかな? でも、耳かきする前に、マッサージも色々したもんね。 これだけしてたら、仕方ないか。 ……そしたら、にーさん? 私の膝枕で、このまま寝ちゃったりする? ……私は別に、大丈夫だよ。むしろ、にーさんが私の膝で寝てくれるんだったら、嬉しいぐらい。 ……うん。だったら、ここからは私も静かにするから。 にーさんは、そのまま……おやすみなさい。 ……目が覚めるまで、にーさんの寝顔、私が見守らなきゃね。 だから……安心して、眠りの世界へどうぞ……? ふふふっ……。 …………。…………。 …………。…………。 手前の方も終わったから、ちょっとだけ中……見せてもらうね。 ……んしょ。どれどれ……? …………。…………。 …………。…………。 ……うん。大丈夫そう。そしたらまた、耳ふーってしよっか。 くすぐったいかもしれないけど、我慢だよ。すぐ終わるからね。 ふーっ……。ふーっ……。 ……ふふふっ。可愛い。 もう一回やったら終わりだから、我慢。ほら、いくよ……? ふーっ……。ふーっ……。 ……はい。これで、右耳も終わり。 にーさんは……。完全に寝ちゃった、かな……? ……やっぱり、疲れてたんだなぁ。 よしよし……。今日も一日、頑張ったね……。 ……にーさんが起きるまで、私の膝は、にーさんだけの特等席だよ。 私も、にーさんの寝顔……暫く、独り占めにさせてもらおっかな。 ……よしよし。よしよし。 私の膝で、いい夢を見てくれてたら……。私も、とっても嬉しいな。 ……おやすみなさい。にーさん。 起きたらまた、私にいっぱいお世話させてね。ふふふっ……。