グルーミングと水遊び
;SE 水音
;1
「わっ!?」
;FI 環境音 湖畔
「今のみた? オッカイ。チェプ――魚!
すっごく高く跳ねたねー。
えへへっ。きっとオッカイとパロポロのこと、大歓迎してくれてるのさ」
「っと。ここまでくればもう大丈夫!
オッカイ、ありがと! おろしておろして」
;1 (低いところ)
「したっけさ、前とおんなじに、目をつむって立って?
――うん、いい感じ。
じゃ、そのままちょべっと待っててね?」
「(深く息を吸い込む)」
;ダミーヘッドマイクまわりぐるりまわりこみながら
;1→8でだんだん高さ、セリフの速度を上げていく。
;8で、通常の高さ
;1
「ぽんぽん」
;2
「ぽんぽん」
;3
「ぽんぽん」
;4
「ぽんぽん」
;5
「ぽんぽん」
;6
「ぽんぽん」
;7
「ぽんぽん~~っ」
;8
「ポンポンアイヌっ!」
;SE? 魔法エフェクト系?
;1 (通常の高さ)
「(呼吸音)」
「うんうん! しったけ、目を開けて?」
「わっ!!? って、オッカイがなまら驚くから、
パロポロまでまたびっくりしちゃったでしょー」
「パロポロの術でちっちゃくなるの、オッカイ、はじめてじゃないのにさー――
え? 『カエルがデカくて正直怖い』――って?」
;SE カエルの鳴き声(大音量)
「うわわっ!? 確かにこれはびっくりするべさ。
だめしょ、ケロこ!
いまおともだち来てっから、今度遊んでやるからさー」
;SE カエルの鳴き声
;SE カエルが水に飛び込む音
「びっくりさせてごめんねぇ。
だよねぇ。驚くよねぇ。
オッカイの普段の背丈だったら、
ケロこなんて、きっと手のひらにのっかるくらいのおっきさだもんね」
「え? 『おともだち』って――
へへへっ、いまのテレケプ――
ケロこはなんか、パロポロになついてるんさ」
「テレケプたちの言ってることがまぁまぁだいたいわかるから、なつかれるとやっぱかわいくて、ケロこって名前つけて――え?」
「『そうじゃなくて』?
……うん――(呼吸音)――うん」
「あぁ――『おともだち』って……
うん、いま、思わずパロポロ、オッカイのこと……うん。いったねぇ」
「したっけオッカイ、もうお客さんって感じしないんだもんさー。
もちろん、あれだよ? もしオッカイがいやだったら、ちゃあんとお客さんとして」
「え? 『ぜんゼんイヤじゃない』、べさ?
『むしろ嬉しかった』……って――
へへっ――えへへへっ! えへへへへへへ~!!」
「なーんだ、そんならよかったべさー!
したっけね? したっけパロポロ――
あ! そーだ! えへへへへっ」
;1 接近ささやき
「お友達なら、ふつうはできない冷やし方もできちゃうねぇ」
;1 通常
「えへへへっ、ちょっとだけ待っててね。
いますぐしたくしてくっからさー」
「あ! メコ――ええと、にゃんこ! ネコとか来るとおっかないから、
ここから……こうして――ね?
そのおっきなフキの葉にのっかっといて、待っててくれる?」
「『おっこちそうでおっかない?』
へへっ、オッカイあんがいこわがりなとこあるんだね」
「けどね? 平気さ。
フキって、浮草じゃないから。
湖の底に、しっかり根付いてるから、平気だよー」
「したっけ、なーんもおっこちんから。
だから、乗ろ?
パロポロうしろから押したげるからさー」
;SE 小走り足音(まわりこむ)
;5
「いーい? 押すよー?
ん――ふっ――(呼吸音)――
オッカイ、もっと足、体重乗せて大丈夫だから」
「うん! その感じ!
したっけもう片足も――
うんとこよいしょ、どっこいしょ!」
;SE 葉っぱの上に乗る
;5
「やったー! 乗ったー!!
オッカイ、ちゃあんと乗れたねぇ」
;1
「へへへっ、ね?
乗っちゃったらもうガッチリ安定してるでしょー。
とんでも跳ねてもねっころがっても大丈夫だから。
そこでちょべっと、待っとってねー!」
;SE 小走りの足音→ F.O.
;環境音。水辺 + ニイニイゼミの鳴き声
;SE ぽちゃん、魚の跳ねる音
;SE ばさばさばさっ、水鳥の羽音→着水
;SE 水鳥の鳴き声(8) 「グワグワ」
;SE 蕗の上をそろそろ歩く足音
;SE 羽毛布団に飛び込む(ばさっ)
;SE ご機嫌な水鳥の鳴き声(マイク直下から)「ぐわ♪」
;12
「おまたせ――んん? あれ? オッカイ? どこ?」
;4
「って! なにしてるべさ!!
すぐっ! すぐにそのヤヤン・コペチャから降りるべさ!
早く! 早くっっ!!」
;SE 蓮の葉の上にぼふっと下りる
;1 マイクと逆向き
「だめだべさー! オッカイにちょっかいかかけたら、いけんべさ!!!」
;SE 水鳥の鳴き声(ぐわわっ!)
;SE 水鳥の羽音、遠ざかっていく
;1
「あああ、もう。オッカイ、なにしてるべさー!
え?」
「『天然の羽毛布団がすり寄ってきたからついつい』」
って――
……(ため息)……さっきのヤヤン・コペチャ――
マガモはそりゃもう、天然モノの天然モノさぁ」
「今のこね?
いままで一度もこの湖でみたことがないから、きっとレプンチカプ――海の向こうからの渡り鳥だと思うの」
「したっけ、正真正銘の天然物。
つまり、どこからやってたのかも、どんな虫とか連れてるかも、どんな病気持ってるかもわかんない――わわっ」
「大丈夫大丈夫。パロポロ、コロポックルだもの。
虫も病気もいますぐにならおいはらえるもの。
したっけね? オッカイ、落ち着いてすわって?」
;1 高いところから
「そうそう。そのまま落ち着いて――
パロポロと一緒に、深呼吸しよう」
「すってー――(すーーーーっ)
はいてー(はーーーっ)」
「もういっかいすってー――(すーーーーっ)
はいてーー(はーーーーーっ)」
「ん。いい感じだねー。
したっけ、パロポロ、おまじないかけながら、毛づくろいしたげるからさー。
そのままちょべっと、いいこにしててね?」
;5
「まずは頭。なでながら綺麗にしてくねー。
ん……<頭撫で>……ん……(呼吸音)
ふ……<頭撫で>……ん……(呼吸音)」
「オッカイの頭、手触りいいね~――
んふふっ――<頭撫で>――
パロポロの手も、くすぐったくって……(呼吸音)――
気持ちいいべさ」
「ん……<頭撫で>――っ――<頭撫で>――」
;6
「耳の後ろも……(マイク軽く触る)――ん……<頭撫>――あ――よさそう。
全然……<頭撫で>――うん、虫とかいない……
大丈夫そう……(呼吸音)……だねー」
;8
「けど、念の為。
ん――(呼吸音)おでこの方もじゅんぐり見るね?
よいしょ……<頭撫で>――ん……<頭撫で>――」
;2
「ん……(呼吸音)――あー、ほんと……<頭撫で>――
うん、よかったー<頭撫で>。
えへへっ、悪いもん、ちょべっともついてないべさ……<頭撫で>――でも、念の為、念の為」
;4
「次、お耳、さわるよー? (マイク軽く触る)――
(呼吸音)――
うん、こっちも――<頭撫で>――
大丈夫、虫も病気もなんにもうつってきてないねー――
<頭撫で>
「えへへ、したっけ――
あとは体の方を確かめなくちゃねー」
;5 (やや低いとこ)
「背中、さわるよー……ん――(呼吸音)――
んーー……<体さわさわ>――わ……オッカイ、見た目よりがっちりしてるねー――<さわさわ>――ん……
うん……(呼吸音)」
;7 (やや低い)
「今度は横腹……<さわさわ>――んー……(呼吸音)――これ……<さわさわ>ここまでなーんも悪いもんくっつかなかった――(呼吸音)――なら、さー……」
:1 (やや低い)
「さっきの鳥――<さわさわ>、ヤヤン・コペチャ――渡り鳥でなくって――<さわさわ>誰かのペットか……(呼吸音)――でなかったらさ――<さわさわ>――わひゃっ!? ――オッカイいきなり――って、あ、ここ?――<さわさわ>」
「へへへっ、そっか。オッカイ、おへそ――<さわさわ>――あははっ、くすぐったいトコなのかー。
ごめんごめん。したっけ、もう触らないようにするねー
……ん――(呼吸音)」
;3(やや低い)
「え? あ――うん……<さわさわ>……
誰かのペットか――そうでなかったら……<さわさわ>
――あやかしかなぁ、って」
「うん。たくさんいるよ。鳥とか獣の姿のあやかし――<さわさわ>……茂伸だとね、ちまっていうメコ――ネコのあやかしが一番めだつかなー……<さわさわ>」
「しっぽが二本あってね、白猫で、白い髪の毛の人間の女の子にばけるんさー――<さわさわ>――
ばけた姿も、なまらべっぴんさんで――ん?」
「……べっぴんさんっていったら、オッカイいま
『おっ』ってなったー」
「べっぴんさんだからって猫妖(ねこよう)なんかにのこのこ近づいてったら、危ないよー。
すーぐつかまって、お手玉にみたいにおもちゃにされて、きっとひどいめにあわされちゃうべさ」
「なんせ猫どもときたら、最初はよくても興奮すると我を忘れてツメだしてくるからねー。
普段だっったらオッカイは平気かもだけど。
いまの、コロポックルのおっきさのときは――あ!」
「そうだったそうだった。
パロポロ、オッカイにいいものもってきたんだった――
んしょっ」
:1
「えへへへへっ。あのね、これ――スズメノテッポウ!
これ、茎の中身がすぽって抜けて筒になるのさ。
めんこいしょ」
「でね? これを――<草を齧る音>――ん……
こう――して――えへへっ、ちょべっと待ってね?」
;9 マイクと逆向き、低いとこ
「ん――(呼吸音)――<水音:ちゃぷ>――
ん……(呼吸音)――へへっ――できたー」
;9 マイク向き
「こうするとね? ほらっ!」
;SE 水鉄砲発射音、ぴゅー
;SE 水鉄砲着弾音、ぱちゃーっ
「水鉄砲みたいに水をぴゅーって飛ばせるからさ。
猫妖をおっぱらう役にたつよー。
どんなに格をあげたところで、性(しょう)は性。
猫は水には弱いからね~――あれ?」
;1
「どうしたの? オッカイ。
なんかいずそうな顔してるけど――ん?」
「あ、‘いずい”っていうのは、ん……(呼吸音)――
むずがゆい? とか、違和感がある、ゴロゴロする、みたいな感じのことさ。
オッカイいま、耳を気にしていずそうに――え」
「あー、ごめん。ごめんねぇ、悪いことしたねぇ。
おっかいのお耳に、水がはいっちゃったんだ――あ!」
「ならさ、ならね? パロポロ、またオッカイのお耳を掃除してあげるべさ。
あれからね、本とか読んで、ちょべっとだけど、勉強したんだぁ。
だから……ね?」
;1 接近ささやき
「オッカイの耳掃除してもいーい?」
;1
「えへへっ! やったぁ!
したっけね? パロポロ、すぐ支度するからっ」
;環境音 FO