深すぎた愛、壊れた結末
「せんぱい……。最近帰りが遅いですけど……どこに行ってるんですか……」
「そうですか……。でも、実はわたし……知っているんですよ……? 先輩がどこに行ってるか……」
「本当にやましいことが無いなら、なんで言えないんですか……? ねぇ、先輩……なんでですか……?」
「ふぅーん。駅前の繁華街を少し抜けた、ホテルが一杯ある通り……あそこって、ホテル以外に何かありましたっけ?」
「きのう……同僚のA子さんと一緒に居ましたよね? どこにいったんですか……?」
「おとといは……上司のC子さんと……どこにいったんですか……?」
「ねぇ……せんぱい……ふふっ、うふふふふ……楽しかったですか……?」
「今日も休日の昼間から……うふふ……楽しかったですかぁー? せんぱぁーい……フフッ、ウフフフフッ……、あははははははっ……」
「ほら先輩、何処に行ってたか……早く答えて下さいよー……」
「わたし、知ってるんですよ、せんぱい……えへへ……なんで知ってるかって……?」
「……全部見てましたよ………………ずっと……、ずっと、ずっとずっとずっと先輩の後ろからっ……全部……ぜんぶ、ぜんぶぜぇーんぶ見てましたよっ!!」
「……でもね、大丈夫ですよ先輩…………美羽は、一度や二度の過ちでどうこう言いませんから……」
「……でもね、先輩……美羽はもっと知りたいことがあります……」
「何か分かりますか……? えへへ、うふふ、ふふふふ……とーっても大事なことなんですよぉー……」
「あははっ、どうしたんですか先輩っ、顔がとっても怖いですっ……この写真に写ってる女の子……だーれだぁー」
「そうですよねー、分からないわけが無いですよねぇー、先輩の子供なんだから……」
「ほらっ、見て下さいよ先輩っ……こっちの女の人、この人も誰か分かるでしょう?」
「ほらっ、先輩の奥さん……娘の目の前でバイブを突っ込まれて、こぉーんなエッチな顔してるよぉー?」
「うふふ……本当に、節操がないんだから……。でね、先輩に言っておこうと思って……」
「美羽は、先輩の事を裏切ったりしないよ……? 娘さんは会ってもいいし、なんなら養子にしても良いですよ?」
「でも……、この女はダメ……うふふ……先輩が、そうしないなら……この二人は……今日でこの世から……あははっ、あはははははっ……」
「……先輩……美羽を愛してくれるって言いましたよね……あの言葉は嘘ですか……?」
「………………嘘じゃないんだ」
「……じゃあ、嘘じゃないなら……、なんでですか……?」
「……なんで……、なんで浮気なんて……」
「……………………」 ※訝しむ感じに息を呑むような感じの音と、無音の間をを入れて下さい。(台詞の前後感覚を多めに空けて下さい)
「やっぱり、この女が原因なんですね……。所詮、美羽も他の女と一緒で……この女の代わりなんですねっ……!!!」
「違わないですっ!! 何も違わないっ!! この女がいて、娘がいて、その事も話さずに美羽を抱いたじゃないですかっ!?」
「……えへへ……。先輩は、美羽の気持ちを裏切ったんですよ……」
「それで挙げ句の果てには美羽だけじゃなく、ほかの女まで…………」
「…………うふふ……あははは……あはははははははっ……!!」
「…………そっかぁー…………わかった…………みう…………わかりましたよ、せんぱい…………」
「…………うふふ……あははっ……、あはははははははっ……!!」
「……そっかぁーっ!! ぜんぶ……ぜんぶ……あははっ、あはははははっ、ふふふ……あはっ、あははははははっ!!!!!」
「……なぁーんだ……あはっ、あははっ……かんたんなことじゃないですかぁー……あはは、うふふ、ふふっ…………」
「…………ぜんぶ…………ぜんぶっ…………みんな……………………殺しちゃえばいいんだ………………」