夏葉と山遊び
;SE 板張りの廊下 ととととと
;SE ふすま すぱーん
;15/左遠
「あーーーー! おにーちゃんまだ寝てるー!」
;7/左
「おにいちゃん、起きて! 起ーきーてーー!!!
今日は夏葉と一日遊んでくれる約束でしょー!?」
「すみちゃんとえみちゃんはものべの保育園のお泊り遠足でおでかけだし、
お隣のありすちゃんと尚武おじちゃんと菜穂子おばちゃんも家族旅行だしっ!」
;SE お腹の上にのる
1/前
「今日は夏葉がちょーひさびさに!!!
おにいちゃんのこと独り占めできちゃう日なんだよー!
だーかーら!」
;;3/右 接近ささやき
;大人っぽく
「(ふ~~~~っ)起きて? おにいちゃん」
;無邪気に戻って
1/前
「あはははは! びくってなったー! すぐおきたー!
おはよう! お寝坊さんなお兄ちゃん?」
「まだ眠い? びっくりさせちゃってごめんねー?
うふふ~、お目々ぱちぱちって――あ。おにいちゃん目やについてる~」
」
「もう、だらしないなー。
ほんと、夏葉がみててあげなくちゃダメなんだから!」
「ほらほら、はやく! はやく起きて、お顔洗ってきて!!」
;SE 階段降りる
;SE 廊下歩く
;SE 蛇口ひねる顔洗う蛇口締めるタオルで顔拭く (A)
:SE (A)のバックで忍び足の足音が近づいてくる
;15/左遠→;13/後遠→;5/後 ささやき
「(ぬーきーあーしー
さーしーあーしー
しーのーびーあー……くすくすっ)」
;5/後
「わっ!!!!!!」
;7/左→1/前
「えへへ! びっくりしちゃった?
大成功~~っ!!」
「今日のおにいちゃん、夏葉にびっくりさせられてばっかりだね~!
大丈夫? ドキドキしすぎちゃってない?
聞いちゃえ~! えいっ!」
「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)」
1/前 (心臓に耳当ててる高さ) つぶやき
「……ドキドキ、早いみたいな気もするけど――
どうかな? よくわかんないや」
1/前
「え? 『夏葉のとくらべてみたら』って――
ダメだよ、夏葉のドキドキも早くなっちゃって――ふわわっ!」
;SE 飛び退る とっ
;9/前遠
「えとっ! あのねっ、おにいちゃん!
あのっ、あさごはん、もうできてるの!
だから、ほら! 早く食べて、遊びにいこー!!!」
;SE 裸足の足音 ととと
;10/右前遠(なるたけ遠く
「ほらー! おにいちゃん! 早く早くー!!」
;SE 笛吹ケトル ピー
;SE コンロ止める
;SE カップにお湯とぷとぷ→ティーバッグぽちゃ
;SE 電子レンジ チン!
;SE 食器カチャカチャ(レンジから食卓に運ぶ)
;9/前遠(テーブルを挟んでむきあってる)
「おにいちゃんがおねぼうだから、あっためなおしになっちゃったけど――
えへへ! 夏葉特製!
鶏ハムつかったハムエッグでーす!」
「サラダのマッシュポテトもね! 夏葉がひとりでつくったんだよ! ミニトマトも――あ! そうなの!!
畑でつくったとれとれのやつだよ~ っと」
「紅茶、もういいよね? ん……っと。
おにいちゃんは、ミルクもお砂糖もいらないんだよね」
「それじゃ、食べよ――って! ちょっとたんま!!
夏葉、いいこと考えちゃった」
「えっへへ~、せっかくふたりきりなんだもんね~!」
;9/前遠→;11/右遠→;3/右
「とーーーーー! 夏葉ちゃん大移動~ ぐるーーーん!」
;SE 隣に座る(畳+ざぶとん) ぽふっ
;3/右
「じゃ食べよ? いただきますしよ? せーの、
『いただきまーーーす』 えへへっ!」
;3/右 接近囁き
「大サービスで、夏葉があーんしてあげるね~」
;3/右
「はぁい、おにいちゃん! 『あ~~~ん』」
「うふふっ! おいしい? ――
えへっ! よかった~!」
「それじゃあ夏葉もいただきまーす!
(SE 向かいの席から自分の前に食器移動)
えへへ~ (ぱくっ! もむもむ――ごくっ!)
やった! ほんとに結構おいしい!!!」
「……まだすみちゃんにはかなわないけど~
(ぱくっ――もむもむ――ごくっ)
うん、これならひょっとして、ありすちゃんよりおいしかも!」
「ね? おにいちゃんはどう思う?
夏葉のお料理とありすちゃんのお料理、どっちの方が?――って、え?」
「(呼吸音)……(呼吸音)――あ、うん!!
今日の予定、っていうか計画! 夏葉、ばっちり立ててある!」
「あのね? 夏葉ね? 山遊びしたい!
裏山の、あの開けたとこで!」
「え?……(呼吸音)――うふふっ!
『あんなところでいいの?』じゃなくって、
あそこがいいの! 今日は、一番!!!」
「だって、裏山、最近はずーーーっと
(ぱくっ、はむはむ、ごく)――ん。
ずーっと、えみちゃんの場所みたいになっちゃってるでしょ?」
「もちろん夏葉ももうおねえさんですし?
普段は別に、山遊びとか――
日焼けしちゃうし? スキンケアに悪いし?
虫刺されとかもあるしだから、したくないけど――」
「でも――おにいちゃんとふたりでね?
ひさしぶりに遊ぶんなら何がいいかなって思ったら――
えへへっ! やっぱり! 山遊びしか思いつかなくて!!
「だから――あ、
はい! おにいちゃん、最後のひとくち――
『あ~~~ん』……(呼吸音)――えへへぇ!」
「おいしかった? ならよかった。
『ごちそうさまでしたー!』」
「夏葉、洗い物しといてあげるから!
おにいちゃんは早く着替えて、したくしてきて!!」
;SE 座布団から立つ、畳の上を遠ざかっていく足音
;SE(遠く) 水道の蛇口ひねる音――ざぁぁぁぁっ
;SE ざぁぁという水音 クロスフェードで 風の音に
;環境音。山の中。鳥、セミ、風、葉擦れ
;9/前遠 (できるだけ遠く)
「草ぞり、ひさしぶり!
……あぅ――ひさしぶりすぎて、なんだかちょっと……怖いかも」
「ダンボールのソリ――もう夏葉おねえさんだし、
お尻、はみ出しちゃわないかなぁ――え?」
「……(呼吸音) あははっ!
だねっ、試せばすぐにわかることかー!」
「じゃ、おにーちゃん! いっくよーーーー!
それえっ!!」
;SE 草ぞり ↓下の声にあわせて
;9/前遠→;7/左(耳のすぐ横通過)→;14/後左遠(なるたけ遠く)
「きゃっっほーーーーーーーーーーーーーーーっ!」
;SE ざざーっ(ぴたっ)
;14/後左遠
「えへへっ! とまったー!
ひさびさだけどちゃんと滑れてよかったー!
けど……」
;SE 草の上の足音小走り(近づいてくる)
1/前
「おにいちゃん、夏葉、お尻汚れてないよね?
大丈夫だよね?」
;位置そのままでマイクに背中むけ
「ね? 一応確かめてくれる? どう??
えっ!? 草ついちゃってる!?
やだもう、はらって! はらって!!」
;SE ぽんぽん
「ひゃうっ! も、もうっ!
ちゅうとハンパに優しくたたいたらくすぐった――!!?
ちがっ! やっ!? そういう意味じゃっ!? ちょっ、まっ!」
;SE スパーーーン!
「!!! いっっっっったーーーい!」
1/前 ふりむいて
「おにいちゃんのバカ! いじわる!
(SE ぽかぽか)
ああ、もうっ! 夏葉のお尻、ふたつに割れちゃたし!!」
;下にあわせて駆け上がる足音
:1/前 → ;9/前遠(できるだけ遠く)
「もーーーーーーー! 夏葉おこったんだからねーー!」
;SE くさぞリ
;SE 違和感でなければ、コミカルな「ひらり」いれていただいてもいいかもです
;9/前遠→;3/右(耳のすぐ横通過)→;12/後右遠
「とつげきーーーーーいっ! って、どうしてよけるのおおおおおぉぉ! ――あっ!?」
;SE ずでーん、ずざざざざ べちょっ
;12/後右遠
「きゃううううううっ! あうっ!」
;SE 足音近づいてくる
;2/右前
「あうあうあう~ こけちゃったー。
顔に草ついた~~」
1/前
「う~~!! おにいちゃん! 草とって、草」
;SE ぱっぱっ、さっさっ
「って、そんなに雑にじゃなくって!
髪に絡んでるのとかも! ちゃんとっ! ――あ」
1/前(密着)
「お……おにいちゃん……ちょっと、近くない? ……はぅ」
;SE 指で髪弄り
「(呼吸音)(呼吸音)……ん――(呼吸音)(呼吸音)」
「(呼吸音)……(呼吸音)……(呼吸音)――うふふっ!」
「どうもありがとう、おにいちゃん。
今ね? なんか、ね?
大事にしてもらって、夏葉、うれしくなっちゃった」
「もちろん、いっつもだって大事にしてもらってるけど――ふふっ。
髪とかいじってもらうの、すっごくひさしぶりでしょう?」
「だからね? なんか、むかしみたいで。
夏葉だけのおにいちゃんが戻ってきてくれたみたいで――
えへへっ――あのね? 耳貸して? お耳」
;3/右 接近囁き ”あ”だけ、通常の;3/右で
「夏葉。とーってもしあわせなの。えへへっ――あっ!」
;SE 風が草原を履く ざぁぁぁぁぁっ――
;飛車角とのグライダーのことを思い出す
;晴れた寂しさ。寂しいけど思い出すことが嬉しい
;3
「……思い出しちゃう。なんだか、こんな風が吹くと」
1/前
「おにいちゃんもなの? ――だよね、そうだよね。
……懐かしいな、グライダー。
けど――うふふっ、いまの夏葉は、もう重すぎかな?」
;2/右前
「ね! おにいちゃん、木登りしよう?
あの木! 昔よく登ってた木で!!」
;SE 足音
;5/後 (マイクより低いとこ)
「夏葉ね? あの木の上で――
なんだかもっと……もう少し、風を感じてみたくって!」
;SE 夏葉駆け出す
;SE 風
;SE 木登り
「ん……しょっ――んしょっ――おにいちゃんが――
登れてる、から――大丈夫だって――思う、けどっ!」
;SE 木登り
「ん……くっ――はうっ――やっぱり、おっきくなると――枝、細いの、前より、こわいっ―― って!? ひゃうっ!!?」
;SE ガサガサ(早い
「あ……(ごくりっ)――お、おにいちゃん、ありがと。
夏葉、いま、ちょっと危なかったよね……」
「うん――(呼吸音)――うん。
焦らず、慌てず――(木登り)――
三点、保持で――慎重、に――(葉擦れ)――んっ!!」
;7/左
「あ――(呼吸音)――」
「わ――わ――わああああっ!」
「綺麗――綺麗、綺麗!
昔見たとき、夏葉が覚えてる景色より、ずっと――
ずうっと綺麗!!!」
「うちとありすちゃんたちのおうちって、こんなに小さかったんだねぇ――それに――それに――」
;SE 風、葉擦れ
「ものべのって、こんなに綺麗で大きくって――
木ばっかりに見えるけど、川も、橋も、おうちも、車も、畑も、鳥も、しばてんも――あ! ほら、あそこ、見ておにいちゃん!!」
「うごいてる、なんだろ? シカさんかなぁ。
それとも、ひょっとしたらとおこさんかなぁ!」
「(すうううっ) おーーーーーい! ここだよー!
おにいちゃんと夏葉、ここにいるよーーーー!」
;やまびこ (エコー→F.O.)
「えへへ、とおこさんじゃなかったみたい。
それとも、声、とどかなかったのかなぁ」
「……すごいね、ものべの。
ちっちゃなころの夏葉はぜんぜん、気が付かなくって、
なんにも見えてなかったけど!」
「ものべのって!
こんなにたくさん! たくさんたくさん! にぎやかなんだね!!!」
;SE 風