縁側で、西瓜と夏葉とネコちゃんと
;SE 遠くシャワー音
;14/後左遠 (なるたけ遠く
「♪ふんふふふ~~ん」
;SE 遠く。蛇口ひねる。シャワー止まる。バスタオルごしごし。
;SE 遠く。衣擦れ
「ん……しょ。よいしょ!!」
;SE 板張り廊下、裸足、足音。近づいてくる。
;14/後左遠→;6/後左→;7/左
「おっまたせーーーーおにいちゃんっ――!」
;7/左 高いとこ
「わ! すごい!! 縁側が天国になってる!!!
麦茶に西瓜に! お塩もぜぇんぶちゃんとある!!」
;環境音 縁側。風鈴。F.I.
;SE 座る
;7/左
「えっへへ~夏葉も麦茶もらうね~
(SE とぷとぷとぷ)
おととっ! あふれちゃうあふれちゃう(ずずっ)」
「えっへへー! おにいちゃんとふたりっきりの縁側に!
カンパーイ!!!」
;SE 乾杯
「(ごくっ、ごくっ、ごくっ)――ぷあっ!
あー、汗かいたあとの麦茶おいしー!」
「やっぱり夏は、水分塩分大事だよね~!
っというわけで~! えへへへへっ!」
「おにいちゃん! 西瓜きって! 西瓜!!!
夏葉、おっきい西瓜きるのこわいし!!」
「え? だって切ってる途中にズルっていって
変なとこザク! っとかなったらいやだもん。
だから、ね? おねがい、おにいちゃん」
「えへへ~ ありがと!
夏葉、おさえててあげようか?
あ――うん。かえってあぶないか~」
「じゃ、夏葉、いいこで見てるね?
ん……(呼吸音)(呼吸音)」
;SE まな板の上のでかい西瓜を包丁できる。
;ざくっ――ずずっと――ごと
「わぁ! すごおい! まっぷたつ~!!
さすがおにいちゃん、すごい! ふつうにかっこいい!」
「え? あ――そっか。そだよねー。
すみちゃん、包丁大事に大事に、いっつもお手入れしてるもんね~」
;SE 西瓜切る。ざくっ――ごとっ。ざくっ――ごとっ
「ふわ~ 本当に切れ味あざやか~
切られた西瓜も、角がびしーって三角してて、すごくかっこいいイケ西瓜! おいしそう!」
「お塩はね! 夏葉、自分でかける!!」
;SE ソルトミル・がりごり(継続
「お塩~ お塩~ ゴリゴリお塩~」
「すみちゃん、ソルトミルのこと『塩ひき小臼(こうす)』っていってるの、おかしいよね~!
なんだか昔話のタイトルみたいで」
「すみちゃん、ずーっとこの先も横文字ニガテなのかな?
えみちゃんは、ちゃんとソルトミルだってステンレスだって、なんでもふつうにいえるのに」
「そこはきっと――うふふっ!
おにいちゃんに似たんだね? えみちゃん――って、あ!!!」
;ソルトミルストップ
;6/左前
「やだ、夏葉、お塩かけすぎちゃったかも~~」
;7/左
「どうかな、平気かな? ん……(しゃくっ)――
ん! ひょっぱぁぁぁぁぁひ!」
「うえうえっ、麦茶~! (ごくっごくっごくっ――ごくんっ)ぷあっ!
うえぇぇ――あー――あー! しょっぱかったぁ~~」
;6/左前
「うう……おにいちゃん、これ、どうしよう……
え? おにいちゃんが食べてくれるの? やったぁ!
はーい、それじゃ、おにいちゃんにプレゼント!」
;7/左
「それじゃあ夏葉は、新しいの――(ソルトミル)――
えへへ! このくらいがベスト! たぶん!!」
「じゃ、あらためていただきます! (しゃくっ!)
……ん~~! おいひ~~!!! (ごくっ)
夏はやっぱり、西瓜だよね~!!!」
;6/左前
「ん? なにしてるのおにいちゃん――あ」
;SE 西瓜に麦茶かけて塩流す
「あー、おにいちゃんあったまいー!
麦茶であらえば、確かにちょうどいい感じにお塩おちそう!」
「って、そっか! そーだ!!」
;SE 縁側下りてサンダルをつっかける
;SE 小走りの足音 ;11/右遠 方向へ
;遠く水道の蛇口、キュッキュ
;11/右遠
「えへへ! うちみず!!!
これでもーっと涼しくなるよ! それっ!」
;SE ホースで水散布、木の葉のバラバラかかる(継続
「わーい! すずやか~ おにいちゃんにもかけたげよっか?」
「うふふ、冗談! おにいちゃんにお水かけて、
西瓜にもかかっちゃたらもったいないもん」
「んふふ~ どうかな? こんな感じで大丈夫かな~
よしっ!」
;水道止める 駆け戻ってくる
;6/左前
「あ! やったぁ! やっぱりこれだけでも涼しくなるね~! きもちい~~
;SE 風鈴
「じゃ、あらためていただきま~す! (しゃくっ!)
んふふっ、さっきよりもっと甘くなったみたい!」
「おにいちゃんも食べて食べて――あ!
夏葉が食べさせてあげるね?」
;7/左 接近
「はぁい。『あーーーーーん』」
;7/左
「……どう? おにいちゃん? おいしい??
(呼吸音)(呼吸音) そうなんだ~! よかったぁ!
――っ!!?」
「え!? ううんっ!? 夏葉、なんにも!
べつになんにも思ってないよ!!」
;7/左 (顔そっぽむけて)つぶやき、超小声
「……おいにちゃんと間接キスとか――思ってないもん」
;6/左前
「じゃなくて! ええと――あのっ!
そう! 種飛ばしっこ! 種飛ばし競争、ちょっとしたいなーって、夏葉!!!」
「あのね! 競争してね! 勝った方が負けた方に、いうことひとつきかせられるの!
ね? それで夏葉と、勝負しよーよ!」
「オッケー? やったー!! じゃ、おにいちゃんが先に飛ばしていいよ? 夏葉、見てたげ――――えっ!?」
;7/左
「わ……わわわ」
;6/左前
「すごい! すごいおにいちゃん!!! っていうか、
いまの――え? 西瓜の種だよね!?
勝負のために差し歯とか飛ばしたりしてないよね!?
なんであんなに遠くまで飛ぶの!?」
「うん……うん……うん。
まずは重くてちっちゃい種を選ぶ――」
;7/左
「んっと――(しゃくっ)えっと――(しゃくっ)
――あ! この種良さそう! どうかな? オッケー?
やったぁ!」
「そしたら?――うん……(呼吸音)――
種を口に含んで、できるだけ口を小さくすぼめて……」
;6/左前
「吐く時には? 小さい口のまま、息を叩きつけるみたいにして――
へええ! 『ふ』じゃなくて『ぷ』の方が飛ぶんだねー! わかった!」
;7/左
;有声ではっりしたぷ
「練習練習! ぷ! ぷ! ぷ!」
;6/左前
「え? ちがうの?? うん……うん――
口をすぼめて、ぷ、の音を出さないで、息を鋭く、遠くにぶつけるイメージで」
;7/左
「あ、なんか、夏葉わかったかも! できそうかも!
これ、もう練習いいや。本番! いきなり本番いくね?
(はむっ)」
;7/左
:いっくよー
「ひっふよ~――(すううううううううううっ)」
;無声の鋭いぷっ
「(ぷっ!!!!!!)」
「わ! とんだ! すごいすごいすご――わっ!!!」
「え!? どこまでいったか見えなくなっちゃった――
ええと――おにいちゃん審査委員長!? いまのは、どっちの勝ちですか!? (SE ガサガサ)――きゃっ!?」
;SE ネコの鳴き声
「ちまちゃん? (SE ガサガサ――とっ)
わ!? わ!?_ 縁側あがってきちゃった!」
「ちまちゃんじゃない、しらないネコちゃん――
けど、えへへ、ひとなつっこいにゃんこだねー――あ」
;6/左前
「えへへ~ このこ、
おにいちゃんのおひざがあったかくっていごこちいいのわかってるんだね! カシコイネコチャン!!」
;7/左(接近
「なでなでするから、ひっかかないでね?
そーーっと、そーっと、そーーーっと――(呼吸音)」
;SE ネコをそっと撫でる
「わ……えへへ。このこ人懐っこいね~
誰かが飼ってるネコちゃんなのかな?
こんなとこまで、大冒険だと思うけど」
「おつかれさまだね~ (なでなで)
頑張ったね~ (なでなで)――あっ」
;SE ネコの喉、ごろごろ
「わぁ――えへへ。夏葉、上手になでてあげられてるんだよね?
このゴロゴロって、気持ちいいってことだよね?」
「えへへへ、うれしいなぁ」
;SE ナデナデ 継続
;SE ゴロゴロ 継続
「((呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)」
「((呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)」
「((呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)……んふふっ」
「ねこちゃん、寝ちゃったらおにいちゃんどうする?
動けなくなっちゃうよ?」
「うふふ、そーなってもね? 安心して、おにいちゃん。
そうなっちゃったら、夏葉が」
;なでなで停止、ごろごろ停止
;7/左 密着、囁き
「ごはんも、それからおふとんも、夏葉がここまでもってきて――あっ!」
;SE ネコしゅたっ――茂みでがさごそ
;6/左前 (首を左に向けて)
「ああん、ネコちゃんいっちゃった~! 大丈夫かな?
あのこ、おうちに帰れるのかな――あ」
;7/左(正面むきなおって)
「おにいちゃん、いま聞こえた?
ちまちゃん! 『にゃん!』 って!
『大丈夫だニャ まかせろニャ』って、いってくれてるんだよ! きっと」
;戸惑い
「よかったぁ、夏葉、安心しちゃった――
って、え!? お、おにいちゃんっ!?」
;照れ
「ど……どうしたの? 夏葉の手、急ににぎって――っ!」
;不満、コミカル
「……夏葉の手。くんくん、匂い嗅いだりして~」
「え? ――あ、うん。そか、そだね!
どこのこかわからないネコちゃん触っちゃったから、
手、あらわないとだ――あ、そうだ!!!」
;SE 勢いよく立ち上がる
「ね、おにいちゃん! おてて、一緒にあらお?
夏葉ね、学園で、『握手洗い』っていう洗い方、こないだおしえてもらったの!!」
;SE 足音(ふたり)
;SE 蛇口キュっ
;SE 水ざばー
;SE 石鹸あわだて
;3/右
「♪せっけんせっけん、あわだてあわだて、
まずはむにむに あわあわあわ~。うん!」
;SE 蛇口締め
「それじゃあおにいちゃん、こっちむいて?
夏葉とむかいあわせになって?」
1/前
「えっへー。そーしたら、夏葉と握手!」
;SE にゅるっっ!
「んひひっ、くすぐったーい。
ね? こうしてね? 握手しながら、
指と指の間とか、くっつけてこすりっこすると~」
:SE にゅむっ、にゅるっ、ぐちゅっ
「ねっ? ひとりでだったら洗うのがむつかしいとこも、
かんたんに! しかも二人いっぺんにあらえちゃうの!
すっごい発明だよね~ あくしゅあらい」
;SE "ん"――から、握手洗い音継続
「それじゃ、おにいちゃんも動いてみて?
んっ――(呼吸音)(呼吸音)――ふっ――うふふっ、
なんだか、ちょっとくすぐったいね~」
「うふふっ――ん――(呼吸音)――(呼吸音)――
っ――(呼吸音)――(呼吸音)――ふ――(呼吸音)」
;かなりくすぐったい
「んっ……(呼吸音)――(呼吸音)――あふっ――
(呼吸音)(呼吸音)――ひっ――(呼吸音)(呼吸音)――うふっ!」
「ふっ――んっ――(呼吸音)(呼吸音)――ぁっ!!
ちょっ! もうだめ! 限界! ストーっプ!!」
「(はぁ、はぁ、はぁ――ごくっ」
「ゆ、指の間は、もう結構綺麗になったから――
ええと、次は――(呼吸音)――
あ、そう! 今度はね? てのひらとてのひらをぺたー」
;SE てのひらあわせ
「そしたら、そのまましゃかしゃかしゃか
(掌こすり)――んふふっ、なんだか少し――(呼吸音)
こすってるところがぽかぽかしてきて――((呼吸音)
――気持ちいいねぇ~」
「しゃかしゃか~(掌こすり)――しゃかしゃか~(掌こすり)……(呼吸音)(掌こすり)」
「こうやって……(掌こすり)――てのひらどうし、あわせてると――ん――(掌こすり)おにいちゃんの手、やっぱりおおきい――(掌こすり)大人の、男の人の手だね~――(掌こすり)」
「ん、よし! てのひらもおしまい!!」
「最後は、手の甲と手の甲をぺたってやって――
(SE 甲合わせ) また、しゃかしゃかしゃか~」
「これはね、ごつごつのぶん洗いづらいから――
(甲こすり) こういうふうに、んっ――(呼吸音)(甲こすり)――」
「いろんなふうに、角度を、変えて――(呼吸音)(甲こすり)――
すみから、すみまで……(呼吸音)(甲こすり)――ていねい、に……(呼吸音)(甲こすり)」
「――。(呼吸音)(甲こすり) (呼吸音)(甲こすり)……ん、っと――(呼吸音)(甲こすり)――(呼吸音)(甲こすり)――うん! こんな感じかな!!!」
;3
「そしたらそしたら、最後のしあげは!」
;SE 蛇口あけ、(水さばー)
:SE 手を流す
「お水で綺麗に、キレイキレイに――
(手洗い)んふふ~っ、おみずきもちいいっ――
ね? おにいちゃんも一緒に! ほらっ!」
「(SE 手洗い) あわあわ、ぜぇんぶ落とすよ~
落ちろー (呼吸音)(SE 手洗い)――
うん! よーーーし!!」
;SE 蛇口〆
「綺麗! ピカピカ! すべすべお肌!
夏葉ちゃん偉い! って、あ! そうだ!!!」
1/前
「ね!? おにいちゃん、さっき!
さっきの競争! 西瓜の種飛ばし!!!」
1/前(超接近)
「あれって、どっちが勝ってたの!!?」