primo piatto
ようこそ、お待ちしておりました
本日は私のパーティーにわざわざお越し下さり、ありがとうございます
それでは早速、ご案内致しますね
さあ、どうぞこちらへお掛け下さい
お客様、本日はお一人でいらっしゃっいますね?
貴方のお相手は、この私が自ら務めさせて頂きます
二人で素敵な時間を、楽しみましょうね
ふふ、それにしても貴方、私好みで素敵なお方
早く食べてしまいたい…ふふ♪ 何でもありませんわ
ふふふ…
ねえ、今「私に食べられる」と聞いて、どう思いました?
え、って思いました?それとも、どきっ、としてしまいました?
もう一度、申し上げますね
「貴方は、私に食べられる」
この言葉を聞いて、頭の中で意識した時点で、貴方の運命は決まってしまったの
貴方が受け入れようとも、拒否しようとも、こうやって私の言葉が耳に入っていくうちに
貴方の意志は私の言葉に書き換えられて、最後には自ら、
喜んで私に全てを捧げてしまうのですよ
今はまだ、私が何を言っているのか、よく分からないかもしれませんけどね…ふふ
ところで貴方、もし自分が食べられる運命だとして、
痛かったりしたら、嫌ですよね?私だって痛いのは嫌ですもの
ですから、今から貴方に「催眠術」という名の特別な麻酔をかけて差し上げます
私の言葉を素直に受け入れれば、貴方の心の奥底に渦巻いている感情を全て、
この世のものとは思えないほどの特別な快楽に
そう、「食べられる快楽」に染めてしまうんです
不思議な快楽で熟成されて、最も美味しい状態になったところを
私にじっくりと味わってもらえるのですよ
ふふふ、急にこんなことを言われて、混乱されているのかもしれませんね
でもわざわざここまでいらして頂いたのだから
後は私の言葉の通りにして、不思議な体験と快感を味わって下さいませ
もし私の言う事が少しでも理解できたと思うなら…
私の言葉に従い、貴方も快楽を追い求めましょう?
そう、「貴方は今から、催眠状態となって、私に美味しく食べられる」
その下準備を始めます
もう後戻りは、できませんよ…♪
まずは…貴方の身体から、余分な力を抜いていきましょう
貴方は、ナマケモノという動物はご存じですか?
彼らは天敵に捕食される時、全身を脱力させることで
痛みすらも感じない、ぼやけた感覚に自ら陥り、無抵抗に食べられていくそうです
ふふ、もしちょっと怖がらせてしまっていたら、ごめんなさいね
でも貴方も私の言う通りにすれば、夢見心地のまま、あまーく食べてもらえるのですよ
想像できます?
ふふ、それは貴方の想像をはるかに超える、快感と幸福感に満ち溢れているんです
では、まずは深呼吸をしましょう?
全身をリラックスさせるつもりで、そう
吸ってー 吐いてー
吸ってー 吐いてー
息を吐くたびに、すーーっと力が抜けていくイメージを浮かべながら
吸ってー 吐いてー
吸ってー 吐いてー
はい、楽な呼吸に戻しましょう
ふふ、お上手でしたよ 身体の方はいかがですか?
先程よりも少し力が抜けて、何だか落ち着いてきているように見えますよ
そのままぼーっとしていると…
気分まで、ナマケモノみたいになってしまうかもしれませんね
さあ、今度はもっと力を抜いていきましょう
私の言う通りに身体を動かして、貴方の中から余分な力を取り除きましょうね
ほら、右手に意識を集中
貴方の右腕にある力を全て使うつもりで、
伸びをする時のように、右腕にぐーっと力を入れる
そのまま、5秒数えましょう
ごー、よん、さん、にー、いち、ゼロ
はい、力を抜いて ふわーっ
ふふ、よくできました
今みたいに、ぐーっと力を集中させて、ふわーっと発散させることで
力が抜けるのと同時に、貴方の意志も少しずつ抜けていくんですよ
ほら、もう一度、貴方の右手に意識を集中
右腕にまだ残っている力を全て使って、ぐーっと力を入れる
そのまま ごー、よん、さん、にー、いち、ゼロ
はい、力を抜いて ふわーっ
力が抜けていくと、それに合わせて右腕を動かす意志も発散していく
だって用もないのに、わざわざ腕を動かそうと思いませんよね?
そう、今無意味に右腕を動かす必要は、どこにもないの
でも、もし身体がかゆくなってしまったりして「手を動かしたい」って思ったら、
それこそナマケモノみたいに、ゆーっくり動かしてもいいですよ
動けないことでストレスがかかったら、リラックスできませんからね
さあ、今度は左手に、意識を集中
同じように、貴方の左腕の力を全て使うつもりで、ぐーっと力を入れる
そのまま5秒数えましょう
ごー、よん、さん、にー、いち、ゼロ
はい、力を抜いて ふわーっ
左腕からも、少しずつ力が抜けていっていますね
もう一度、貴方の左手に意識を集中
左腕に残った力と意志を全て使って、ぐーっと力を入れる
ごー、よん、さん、にー、いち、ゼロ
はい、力を抜いて ふわーっ
ほら、左腕からも力が抜ける、エネルギーが抜けていく
腕そのものがぼーっとするなんて何だか不思議、それでも左腕がぼーっとしてくる
ほら、今度は右足
右足に意識を集中して、力を集めたら
ぐーっと力を入れる、そのまま
ごー、よん、さん、にー、いち、ゼロ
はい、力を抜いて ふわーっ
そう、腕と同じように右足から、力も、意志も、どんどん抜けていきますよ
もう一度、右足にまだ残っている力を意識して、
それをすべて使って、ぐーっと力を入れる
はい ごー、よん、さん、にー、いち、ゼロ
力を抜いて ふわーっ
右足から動かす意志も力と一緒に抜けていってしまったから、
もう動かさなくていいですよね?
いつの間にか、すっかり私の言うことを聴けるようになりましたね
だって、私の言う通りにすると身体が楽になって、
何だか気持ちよくなって来るって、段々分かってきましたものね?
ほら、左足も脱力して、もっと実感しましょう?
左足の力をぎゅーって集めて
ぐーっと力を入れる、そのまま
ごー、よん、さん、にー、いち、ゼロ
はい、力を抜いて ふわーっ
力も意志もふわーってなくなっていくの、気持ちいいですよね?
もう一度、左足にまだ余っている力を意識したら、それを全て使って
ぐーっと力を入れる はい
ごー、よん、さん、にー、いち、ゼロ
力を抜いて ふわーっ
私の言う事を聴いて、身体からすっかり力が抜けて、
何だか穏やかで、安心した気持ちになっているのかもしれません
代わりに両手両足からは、動かす力と動かそうという意志がなくなってしまいました
だってリラックスし始めている今の貴方にとっては、
身体を動かす事はちょっと面倒ですよね?
ふふ、面倒なことは何にもしないで、ぼーっとしていればいいんです
そう、その力の抜けた、身体のぼやけた感覚は貴方の頭に向かって徐々に広がっていき
だんだん頭もぼーっとして、何も考えられなくなってくる
身体の力が抜ければ抜けるほど、頭の中からも余計な力が、緊張が抜けて
この心地よい状況に身を任せられるようになる
ふふ、私の言う事をちゃんと聞けたから、今の心地よさと安心感を
感じることができるようになったのですよ
もしかしたら、貴方の無意識は頭の片隅で、
まだこの状況に何か、違和感を感じているのかもしれませんが
そうならばどうぞ、抵抗してみて下さい?
でも今の貴方にできる抵抗は、ナマケモノみたいに
ただ力を抜いてぼやけた感覚に包まれる、という事だけ
ほら、また何だかぼーっとしてきた
ふふ、次は頭の中からも力を抜いていきますよ
では、深く、大きい深呼吸をしましょう
息を吐くときに、頭の中の余分な力と意志を乗せて、外に吐き出せば
そう、私に抵抗する力も、意志も、呼吸と共に流れ出て、無くなっていくんですよ
それでは、10秒くらいかけて、息をゆっくり、たっぷりと、吸ってー…
肺に、お腹に、空気がどんどん流れ込んでいく、
集まった空気が、貴方の身体にも、頭にもふわーっと圧迫感を与えていく
息を止めてそのまま、ごー、よん、さん、にー、いち、ゼロ
息をゆっくり、たっぷりと吐いてー…
ほら、吐息と共に頭の中がふわーっとぼやけていく
全身から、頭の中から、力も抵抗する意志も、どんどんなくなっていく、
それを流れ出る自分の吐息から感じることができる、気持ちいい
はい、楽な呼吸に戻してください
いかがですか?力と意志が頭から流れ出ていって、
身体も脳も感覚がぼやけてしまった気分は
はい もう一回
息をゆっくり、たっぷり、吸ってー…
また貴方の身体と意識に空気がどんどん流れ込んでいく、
吸い込んだ空気の緩やかな圧力を感じられる
息を止めてそのまま、ごー、よん、さん、にー、いち、ゼロ
息をゆっくり、たっぷりと吐いてー…
出ていく、貴方の中から大切な力が、抵抗する意志が、
全て流れ出てしまう、気持ちいい
はい、よくできました
今の貴方、すっかり力が入らなくなって
身体も頭も柔らかくなりましたね、とーっても美味しそうですよ
ねえ、分かっています?貴方、これから私に食べられてしまうんでしたよね?
それなのに、なんだかとってもリラックスして、不思議な安心感に包まれて、
心地よさそうにしていますね…♪
ふふ、でもそもそも「食べる」といっても、
私は貴方の肉体を貪るような野蛮な事はしませんよ
私が味わいたいのは、貴方の、「のうみそ」
もっと具体的に言うと、貴方の持っている知識、記憶、理性、精神
そういったもの全てを吸い取ってしまうのです
ふふ、怖がらなくてもいいのですよ、最後に全てお返ししますからね
返してほしいと、その時に貴方がまだ望んでいるならば、ですけれど
私の言っている事、ちゃんと理解できています?
ふふ、もう理解できていても、できていなくても、どちらでもいいですよ
だからこれから私が話す事を、その耳でぼんやり聴きながら、
今の心地よさに身も心も委ねて、優しい快感を感じて、楽しみましょうね
そう、改めて身体を楽にして…こちらに少しだけ、意識を傾けて…
私が数を3つ数え下ろしたら、目を閉じましょう
目を閉じると…視覚に向いていた感覚の一部が、全て聴覚に集まっていく
聴覚に感覚が集まると、貴方は今まで以上に私の声に没頭して、
私の言葉に一気に引き込まれる
分かりましたね?
では、いきますよ
さん、にー、いち ゼロ 目が閉じる
ほら、意識が目から耳にぐーって移動して、集まっていって、
私の声が今までより貴方へ届くようになっていきますよ
この心に語りかけるような声を、貴方の耳でもっと味わって、楽しみましょう?
そうすれば私の言葉は、貴方の身も心も、全てをさらに気持ち良く変化させていく
だってほら、すでに貴方の表情、とろけ始めて気持ちよさそう 気が付いていました?ふふふ
だから、もっと私の声を聴いて、気持ちよくとろけていきましょうね…
ではそのために、
全身に散らばっている貴方のぼやけた意識と感覚を、頭に集めましょうか
私のいう事をちゃーんと聞けば、気持ち良くなるための神経がとーっても敏感になった、
素敵な頭に作り変えて差し上げますよ
では目を閉じたまま額の辺りで、
むーっと念じるように、意識を集中して下さい、ほら
意識を向けると、そこに貴方の感覚が、少しずつ集まり始める
それは顔中の意識が額に向かって、じわ、じわと集まっていくイメージ
意識が集まると普段は感じることのない、少し変わった感覚が、
段々と感じられるようになりますよ
それは例えば、頭の中で細かい泡がふわーっと浮かんでくるような感覚
もやが掛かり、外からは中の様子が分からない、ぼんやりした感覚
それでいて、ずーんとした重みを感じるような、不思議な感覚
そう、集まった意識と感覚の重みで、頭も段々、ずーーんと重たくなっていく
ほら ずーーん 重い 重い 額の辺りが重い
「ずーーん」と言われると、
さっきよりも敏感になった頭の中でその言葉が響いて
ますます頭が重たくなっていきますね
ずーーん 重い 重い
意識は顔だけでなく、全身から貴方の頭へ集まっていき、どこまでも重たくなっていく
ずーーん 重くなる どんどん重くなる
もうそろそろ、重さでくらくらしてきました?
ずーーん 頭がくらくら、ふらふらして、重い、重い、重い
貴方の額に十分に集まった実体のない「それ」は、今度は頭の中全体へぞわぞわと広がって
貴方を深い催眠状態へ誘(いざな)うの
今から数字を数えて、カウントがゼロになったら指を鳴らします
私が指を鳴らす度に、その音に導かれて貴方の感覚が敏感になり
意識ははじけて、落ちていく
ほぉら、じゅう、きゅう、はち、なな、ろく、ごー、よん、さん、にー、いち
ゼロ(ぱちんっ)
泡といっしょに意識がはじける、その衝動で頭の中がぐらりと揺れて、何も考えられなくなってしまう
もやもやがふわっと頭の中に広がり、包まれていく、そのまますーっと染み込んでいく
ごー、よん、さん、にー、いち ゼロ(ぱちんっ)
また頭の中に音が響き渡って、あなたがの意識がはじけていく、
何も考えられない、この不思議な感覚を感じる、ただ感じるだけ
そう、今の貴方はもう自分の意識で物事をわざわざ考えなくてもいいの
自分の思考や感情に関係なく私の言葉を敏感に受け入れ、
その全てを貴方の本能である、無意識に届ける事ができる
さん、にー、いち ゼロ(ぱちんっ)
ほら、意識がはじけて、あなたの無意識だけが残る
今から貴方の無意識に私が直接話しかけて、
貴方ののうみそを一番美味しい状態にしてあげる
ほら、まだ残っている邪魔な意識は、何度でも消してあげるから(ぱちん)
ふふ、あなたの無意識に私の言葉が注がれて、じわーっと頭の中に染み込んでいく
今まで感じなかったような刺激をさらに感知できるようになる
貴方の脳内がぴりぴり、ぴりぴりと刺激される
ぴりぴり、ぴりぴり
まるで脳がじーーんと痺れて、震えているような錯覚、
そんな感覚神経は脳そのものには存在していないはずなのに
いいえ、本当は存在しているのかもしれない、
敏感になった貴方には、それを感じられるようになったのかもしれない、
もうそんな事はどうでもいい、気持ちいい
ほら、ぴりぴり、ぴりぴり
貴方の頭に集まった不思議な感覚がさらに大きくなって、
脳に与えられている快感を、貴方の無意識に認知させていく
ぴりぴり、ぴりぴり
気持ちいい刺激でどんどん無意識が活性化して、
貴方の神経とのうみそを快感に対して敏感に作り変えていく
今度は右の耳に、感覚を集中(ぱちん)
ぴりぴり、ぴりぴり
耳もじわーっとした、心地よい感覚に支配されて
貴方の耳の神経が、どんどん活性化していく
耳が活性化して、私の声が耳から離れなくなってしまう、
ただ、ただ私の言葉を受け入れていく
そう、こんな風に、私の柔らかい唇から紡ぎだされた甘い声が、
貴方の耳の中にやすやすと侵入していって、鼓膜を優しく揺らす、甘くかき回す
今の貴方は、その敏感になった耳で、声に犯される感覚を
敏感に感じ取ることができる、まるで耳の中を声に舐め回されて、
頭の中までその快感が、振動となって響き渡るみたいで
とても気持ちいい
そう、耳と頭の感覚が、快感にリンクしていく
もう頭の中で何かが、ドクン、ドクンって溢れ始めているんじゃない?
ほら、感覚を頭に集中すると、ドクン、ドクンって
いつもは認知できるはずのない刺激を、脈動を、感じることができる、ね?
それ、「脳内麻薬」と言うんですよ
あのね、貴方は本当はまだ、この状況を心のどこかで怖がっているの
だから脳内麻薬を大量に分泌して、快感で思考をストップさせて、この状況から目を背けて…
ほら、現にゾクゾクした快感で貴方の精神は麻痺していき、もうじき正常な活動をやめる
これから私に捕食されるという恐怖を、最高の幸福で染めていく
それは私に対する完全な降伏の証であり、同時に「最期の救い」なの
ほら(ぱちん)ドクン、ドクン
意識がはじけ飛んで、あなたを止めるものはもう何もなくなった
もう止まらない、脳内麻薬ドクドクで、快感で何も分からなくなる
催眠の快感と、脳を刺激される快感が貴方の中で入り混じって、区別が付かなくなる(ぱちん)
ドクン、ドクン、のうみそをおかしくされるのは気持ちいい、
気持ちいいから脳内麻薬が溢れ出す
貴方は普通では絶対に味わえない、食べられる快楽の渦に囚われてしまったの
しばらく、そのままにしておいて差し上げますから
内側から溢れ出す催眠麻酔の、脳内麻薬の快楽に身を委ねて、いーっぱい味わいましょう
もう一度私が話しかける頃には、あなたはすっかり別人のようになって
私に食べられる幸福感に染まっているでしょうね
それはすなわち、催眠状態そのものに他ならない…ですよね?
ほら、あなたの無意識から、無限に脳内麻薬が溢れ出す(ぱちんっ)
ふふふ…
(無音30秒)