tsuioku3a
■「図書室の情事」
※※※ドラマパート※※※
(放課後の図書室)
カイ「えっと…二人とも本の修繕方法を習ったことはある?」
トワ「僕達の学年は、一昨年の図書の時間に、みんなライマン先生から教わってるよ」
カイ「そっか、それなら安心だ」
トワ「修繕するのは環境学の棚だけでいいの?」
カイ「ああ、今日中に全部やる必要は無いから、出来る分だけでかまわないよ」
トワ「そっか。ま、2人でのんびりやるよ。どうせ暇だし」
カイ「ありがとう。君たちに図書当番を変わってもらえて本当に良かった。」
トワ「いいや、お安いご用さ。ローゼンハイン先生のピアノの特別授業なんて、滅多に受けられないんだし、楽しんでおいで」
カイ「そうだね、年に3回しか学院に戻ってこない先生の授業に選ばれるなんて、本当に嬉しくて仕方ないよ!」
トワ「フフ、浮かれちゃって、羨ましい」
カイ「……あ、そうだ、2人にお礼をしなくちゃね。何かほしいものある?」
トワ「お礼なんていいよ、そんな、ねぇ?」
カイ「それじゃあ僕の気がすまないよ、二人とも、何かほしいもの無い?」
トワ「そんなに言うなら…ん~、そうだなー、じゃ、キス…なんてどう?」
カイ「…キス!?」(突拍子もない声で)
トワ「そ、僕がカイの唇を離すまで続ける、深い深いキス」
カイ「え!?い、今、ここで?」(ドキドキしながら)
トワ「そうだよ、お礼をしなきゃ気がすまないって言ったのはカイだろ?」
カイ「……ん…じゃ、じゃあいいよ!目つぶってるから、んーはいっ!」
トワ「ふふふ…くくくっ」(笑いをこらえる感じで)
カイ「……まだ?…ねぇ…トワ?…ま、まだ?」
トワ「あはは、冗談、嘘だよwカイってば顔真っ赤」
カイ「な、なんだ!冗談だったのか!本気にしちゃったじゃないか!」
トワ「あはは、カイってばすぐ騙されるんだもん、おかしくて(笑)」
カイ「も~~トワー!本当に君ってやつは!!じゃああ、授業受けにいってくるから、後のことは頼んだよ!あ、修繕道具は奥の部屋の図書管理室にあるからね!」
トワ「ふはははは、はーい、いってらっしゃ~い!ごゆっくり♪」
トワ「ふふふ、あははは、あんな単純な優等生、珍しいよね~!ふふふ、はははは」
じゃあ、そろそろやろっか?本の修繕。
君もやり方、わかってるだろ…ああ、道具出してこなきゃ。
奥の管理室にあるって言ってたっけ。
鍵、預かってるんだ、ほら。
(チャリンと鍵の音)
修繕道具、重いから持ってくるのつきあってよ。
………どうしたの?急に黙っちゃって。
いいから、ついてきてよ。
(2人歩く音、鍵を開け、ドアを開ける音)
ゲフゲフ…わ、ちょっと埃っぽいな、ここ。
ああ、待って奥の棚にあるはず。
…あった。よいしょっと…………ふぅ…(不機嫌なため息)
ねぇさっきからどうしたの?面白くないって顔してる。
僕、君に何かした?
はぁ?君の気持ち?
……わかってるよ…
君が僕に好意を持ってくれているって…わかってる…
でも前も言っただろ、まだちゃんと気持ちを整理して話す自信がないって。
……別に君を困らすつもりはないんだ
え?僕とカイが付き合ってるのかって?
馬鹿馬鹿しい。
カイとは3年前にルームメイトだっただけで、それ以上の関係じゃない。
はぁ……くだらない。
そんな事を気にしてるの?
……ねえ…僕のことが好き?
ねぇ本当に僕のことが好きなの?
本気で?
僕の事が好きなら、じゃあなんでも言うこと聞ける?
好きな人の頼みだったら、なんでも聞けるよね?
じゃあ僕の目の前で、1人で恥ずかしいことしてみせてよ。