②性長と戸惑い(前から)
…………
………………
……………………
【りか】
「……ふぅ、ぅう……ん………ぁ………っ………―――え……っ……?」
まどろみからの目覚め。外はすっかり暗くなっていた。
……なにか音が聴こえる。
近くから……ピチャ、ピチャっと……粘りを含んだ水の音が。
ボーッとした視界が鮮明になっていって……
まず、目の前にあるはずの弟の顔がない。
そして………上半身が空気に晒されていることに気づき………
露わになった胸の先端部分が、なぜか生暖かいことに驚く。
――見なければいけない、なにがどうなっているのかを。
でも見てはいけない。見たら後戻りできない気がする。
思考を巡らせる……でもそれを遮るように、優しい愛撫が胸に広がっていく。
母親から求めるように、チュッチュ……チュッチュッと……
可愛らしい音を立て、舐めて、吸い上げて……中の液体をもっていかれてる。
【りか】
「うは……ぁ……っ…………んっ………はぁ……ぁあぁ……っ……っ……
……ん………ふぅ……っ………あっ…………んんっ………はあ、ぁぁ……ぁ……っ………」
私は出産経験はおろか、ろくに恋愛をしたことがない。
告白はそれなりにされたけど、自己防衛が先に立つ。
なにが目的で? どこが好きになって? 私のなにを知っているの?
めんどくさい言い訳ばかりをして回避してきたから。
なのに……私のおっぱいからはいつからか、母乳が出るようになった。
勝手に膨らみ、勝手にお乳を宿し……そして今、勝手に吸われている。
自分だけの秘蜜が、かわいらしく吸い取られていく。
しかも、相手は弟……こわい……どう反応していいのかわからない。
そして……底から湧き上がる、自分の声にビックリしている。
こんな自分は知らない……特に、この状況はマズイ。
なにかしなければいけない……止めるのか、咎めるのか。
でも………絶対に傷つけたくない、この子だけは。
おそるおそる……首を動かして、視線を下にさげる。
………弟の目は………あいていなかった。
やはり天使のような寝顔で……それは変わらない。
男としての求めに拒絶を表しかけていた身体から、少しだけ力が抜ける。
去年までは、そんな兆しはなかった。
彼の成長についていけない、男の子が怖い。
でも……大好きな私の弟……こんなことですぐにはキライになれない。
目を瞑っているから、無意識に求めているだけかもしれない。
お母さんが母乳を取り上げるのが、この子には早かったのかな?
もっと欲しかったのかもしれない……でも…………
それを私に求められても、どうしていいかわからない。
【りか】
「はぁ、ぁ……っ……ん…………ふ~~…………っ………
んぁっ……ぁ、ふ………っ……はあぁ……ぁ……っ……はぁ、ん……ん……っ……」
耐える………ひたすら耐える………………
母乳を吸い上げられる感覚に、脳髄が痺れそうになる。
甘ったるい匂いが、弟の口から漏れる。
封印していたものを、一番引き出しちゃいけない男の子が引き出している。
薄暗い中で、密着して、吸われて…………
吸われてると思ってたら、いつの間にか舐められていたり。
無意識だから……悪気はないんだから。
そう心の中で言い聞かせながら、無邪気な弟の様子を脳裏に並べる。
おてて繋いでおさんぽしたり、ゲームしたり、おしゃべりしたり……
そんな光景が、弟の無垢な笑顔が、舐められるたびに掻き消える。
どうしよう………終わりの見えないこの状況をなんとかしようと下半身を動かして
【りか】
「んひゃっ…??」
ぬるっとした硬いモノにふとももが当たり、また全身を硬直させてしまった。
……時間が止まったかのような錯覚に囚われながら……
足をもぞもぞと動かし、ソレがなんなのか確認する。
すると……弟の舐めに、艶めかしい吐息が混じり始めた。
……この位置からでは、弟の頭と私の胸が邪魔になって見えない。
いや、見えなくていい……本能的に、ソレがナニかわかってしまったから。
直接見てしまったら、完全に終わってしまう気がするから。
でもたしか………男の子の終わりは、ソレが果てるまで。
しかし………理解したからといって、どうなるものでもない。
姉が弟にアクションを起こし、射精を促すなんてことは、あってはならない。
当たり前の思考に至るけど、でも……終わりが見えない。
それに……さっき当たった感じだと、パンパンに腫れているといった印象だった。
……無視していいのだろうか……?
もしかすると、物凄く苦しいのかもしれない、こうなっちゃうと。
それを紛らわせるために、チュッチュしてたりするのかも……
今まで一切考えてこなかった男の子の生態について、必死に頭を巡らせる。
なんとなしにどこかで見聞きしたこと、友達の話……
知識が薄すぎる。こんな場面でそれを後悔することは想定していない。
でもやはり、すごく腫れていると思うから…………
医療行為だと思えばいいんじゃないか? という結論に達した。
そう……大好きな弟の苦しみ?を救えそうなのは、目の前にいる自分だけ。
誰にも相談なんてできないし、それ以上に今は深夜だから。
どんどん考えが前向きになっていく。
いいことなのかそうでないのかは判断つきづらいけれど……
……弟の顔を見下ろす。角度的によく見えないが、やはり寝ぼけているように感じる。
なんとなく、いつか必ず来る瞬間だったという気がしてきた。
私は意を決して…………パンツをガッツリ盛り上げているらしいソレに、足をじんわりと押しつけた。
【りか】
「……ん…………んっ………………ふぁっ…………ん……………はぁ、ぁ……………
ん……ぁ……っ…………ん……………っ……………ぁ…………ふぅ、ん……っ…………」
生のふとももで、パンツ越しのソレをグリ、グリ……グリ、グリ……
そのたびに弟は、ビク、ビク……ビク、ビクン……
吐息は余計な熱を帯び、私の乳首を溶かそうとしてくる。
知ってはいけない熱と、硬さと………
他には誰もいない静かな夜に、私のベッドの上で、弟と………
……不意に、不思議な感情が押し寄せてきそうになって、押しとどめる……
知らなくていいし、知ればどう考えてもめんどくさい。
私は普通に生きたいし、このまま大学を卒業し、就職する。
自分の未来を自分の努力で買って、余った分を他に使う。
弟の学費とか大変だろうし、少しくらい回せればなと思っていた。
でもこれが明るみになれば、それどころの話じゃなくなる。
誰も幸せにならない。普通のしあわせがほしい。
弟にも、できればずっと純粋なままでいてほしい。
だから……夢のままで終わらせる。
私さえ気を付けていれば、次はないだろうから。
【りか】
「……ん、ふ……………………ぁっ…………ん……………んっ……………
はぁ……っ…………ん……………っ……………ぁ…………はぁ……っ……ぁぁ……………」
乳首、いやらしく舐めすぎ。
本当に意識ないのかな? この子……
でも、私が股間を刺激してるから、反射的なものかもしれない。
そう、これは夢だから………このまま何もなかったことにする。
足を絡める、ぬちゅぬちゅと……これって……なんだっけ?
あぁ……カウパー……って名前だった気がする……ヌルヌルすごい……
それに……弟のコレはちょっと……というか、相当でかい気がする。
最後にお風呂で洗ってあげたとき、もっと小っちゃかったような……
これが俗にいう『勃起』というものなんだなと理解した。
女の子を激しく求めて、おっきくなって、涎垂らして……
意識をそっち方面にもっていくと、匂いまで違う気がしてきた。
オスの匂いを放って、私の中にあるメスを引き寄せようとしてる感じ。
嫌悪感と、それじゃないナニカがせめぎ合う。
どっちが自分の本心か、今の私にはわからなかった。
まどろんだ空気の中で、必死に身動きを取る。
手で自分の口を押えたいけど、余計な動作で起こしたくない。
うまく出せるよう、導いていく。知らないけど。
足を前後に動かしたり、グリグリ押し付けてみたり……
弟の反応を伺いながら、慎重に、大胆に………
すると、震えがどんどん強くなって、それが強く伝わってきた。
必死に吸い付いてくる……情けないくらいに。
面白いゲームに夢中になってるときの反応に似てる。
私はあんまりゲーム得意じゃないし、特別好きってわけでもない。
でも弟のガッツキを見るのは好き。たまにすごい集中力を発揮する。
よく親に、その集中力を勉強に活かせって怒られてたっけ。
でも私は逆にすごいと思った。それは、私の中には決して芽生えないものだから。
どこか冷めた自分に辟易している自分がいる。
でもそれは仕方のないことで、だからこそ弟の熱は貴重なのだ。
……あぁそうか……こんなことをしていても、中身は変わらない。
可愛いと思える私も………なにも変わらないんだ。
かわいい……だから――――ご褒美をあげなくっちゃね。
【りか】
「……んっ……はぁ……っ……んっ、ん……っ!
はぁっ、ぁ……っ……んんッ………―――っふ~~~~~~~~~~~~…………っ♪」
大量のパンツ越しカウパーをももグリした結果、私はそれを唐突にやめた。
離れると自動的に弟が寄ってくるが、それを制して仰向けにゴロンと寝転がす。
とんでもなくデカいのが、パンツを押し上げてピクピクしてる。
私はソレを眺めたり、指先でチョンチョンしたりしてみた。
ヌルッとした液体が絡みつき、ネチョ~ッと伸びる。
嫌悪感はもうない。私の中で、これはアソビにかわった。
触る、ピクつく………触る、ピクつく………
まだ小さな身体に、おっきなのが乗っかっている。
それはとてもレアな光景に思えて、私の心をくすぐる。
そんな自分の心境の変化に、内心驚いてはいた。
普通を欲している。でも、奥の本音はそうじゃなかった。
たぶん、それだけの話なんだと思う。
誰にもバレなければいい。射精もさせちゃったわけじゃないし。
それに………弟が無意識に求めてきたものを、無下に弾きたくない。
それをさせてしまった自分の身体を、もっとキライになってしまう気がするから。
【りか】
「ふふっ……えい………えいっ………うふふっ♪」
果てられずに無念そうな、でもどこか嬉しそうな雰囲気を感じながら……
チョンチョンピクピクを、私は飽きずに繰り返していた……