Track 5

⑤お風呂場で勃起放置の焦らしアソビ

次の日の朝……弟は気まずそうだった。 私が起きる前にシャワーを浴びたらしく、スッキリはしていた。 気まずさに乗っかって、無言で行動する。 何も言わないでいると、弟はさらに気まずくなっていく。 それを横目と雰囲気でたのしむ。 いつもどおりにはしないし、あからさまにもしない。 起きていたのか、寝ていたのか……… お互いがお互いに対し、明確な答えをもっていない。 その曖昧さをたのしむ。面白いから。 私はこの状況を、心底楽しむことにしたのだ。 なにかあれば、私が守ってあげればいい。 楽しいと引き換えに、その覚悟は固まっていた。 仕掛けてきたのは弟から。 だけどその結末は、私が作るのだ。 なんとなくソワソワした一日を過ごし…… お外が暗くなってから、一緒にお風呂に入ろうと誘う。 弟は一瞬ビックリした顔をして、平静を装った。 そう、去年までは一緒にオフロなんて普通だったのだ。 でも今年は違う。でも違うってことを理解しちゃいけない。 理解しちゃったら、もう一緒に入れなくなるから。 だから知らないフリをする。 それを押し通せるのかが、今回のカギになる。 そして私の狙いは……もちろん、それを崩すこと。 弟の知らんぷりをくすぐって、勃起させて……反応を楽しむ。 イジワルだ。でもドキドキする。 まるで、私が子供で、弟がオトナみたいだ。 新しい世界がブワーッと広がって……そこへの好奇心を抑えきれない。 【りか】 「んふっ♪ おいでおいでー♪ 服脱がせてあげるー♪」 満面の笑みで手招きする。 弟はこれから起こることを想像できずに尻すぼみだ。 【りか】 「だいじょぶだよーそんな警戒しなくてもー……  はいイイコだねー、バンザイして~………ん………しょ、っとぉ………」 シャツを脱がすと、弟の匂いがフワッと広がった。 髪の毛もフワッと広がっちゃって、かわいくてクスリとする。 それを横目に、私も服を脱ぐ。 なんの臆面もなく、スルスルと。 堂々としていればいいのだ。 去年までは何事もなく一緒に入っていたのだから。 シャツを脱ぐと、すぐに生乳。 遠慮なくいくと、ブルンッとその存在感を誇示する。 もうその段階で、弟のチンチンはフル勃起してしまった。 やっぱり私のおっぱいが好きみたいだ。カワイイ。 慌てて隠そうとしたから、軽く笑顔を向けてあげる。 隠さなくても大丈夫だよというメッセージを込めて。 弟は恥ずかし気に、身をよじりつつ股間から手をどける。 大きな男性器の先っぽが、意気揚々とこちらに向けられていた。 明るいところで初めて見たそれは……やっぱり不釣り合いで。 顔は恥ずかしそうなのに、股間は誇らしげ……男の子って不思議。 堂々としていい大きさなのに、世間がそれを許さない。 やっぱり理不尽だなーと感じた。 パンティを脱いで、籠の中へ。 不安げな弟の手を引き、バスルームの中へ。 シャワーを出して、温度を確かめる。 弟を椅子に座らせて、後ろからあっためてあげる。 水に濡れていく、弟の身体。 キレイな肌に、水玉が流れていく。 そのあいだ、二人は一言も交わさなかった。 水の音だけが場を支配している。 どうすれば正解なのかまったくわからない。 そんな曖昧すぎる空気が漂っているのを感じる。 だから私は……シャワーを切り、元の場所に置いて…… ボディソープを手に出してから、弟の背中に胸を押し付けた。 どう? ドキドキしてるの、伝わってる……? そう言わんばかりに、ギュウギュウと……乳首が強くこすれる。 心臓が一直線に並んでいる。 心音が絡まって、複雑な音頭を取っている。 まるで、命がふたつに増えたよう。 今までで一番強く、弟の存在を感じる。 あぁ……好きなんだなぁって思った。 今まで感じていた好きとは違う、重みのある好き。 愛なのかもしれない。でも感じたことがないからわからない。 お互いにそうなのかもしれないし、一方通行の感情かもしれない。 ……勃起がすごい。私に向かっておっきしてくれてる。 もしかするとまだ、私にしか発情したことがないのかもしれない。 戸惑いと葛藤。焦りと汗。 未熟な匂いと、僅かに立ち昇るオトナの香り。 弟は今、大きな変革の中にいる。 どう導くかは私だけが知っている。 もし間違ってしまったら、育てた両親になんて詫びよう? そもそもこの時点でもう間違ってるんじゃないか? 世間的な感覚と、私的な感情のズレ。 弟の未来にとって、いったい何が正しいのか。 その葛藤を、指に乗せる。 膝と内股の間を、いったり、きたり…… そんな些細な触れ合いでビクビクと震えられて…… 私の心はもう、どこかに飛んでいってしまいそうだった。 いって、きて………イって、キて……… ギリギリ触れながら、ゆったりとスライドして……… 恋人と友達のあいだを愉しむように、姉と弟の距離感を慈しむ。 ビクンビクンと脈打つ、おっきな男性自身。 すでに先っぽが濡れてきているような……でも、触れてあげない。 ゆらゆら、ゆらゆらと………バスルームに、ふたりきり。 お互いの息と水の音だけが支配する、特別な空間。 どこまでが赦されて、どこからが許されないのか…… 誰にもわからない、正解のない境界線を、いったりきたり…… そして私は……もっと面白い反応が見たいという単純な理由で、その境界を―――越えた。 オチンチンの下にある、玉袋……指を絡ませる。 ビクゥッと一際激しい縦揺れが、弟に起こった。 かまわない、そのまま優しく手のひらで包み込む。 モニュッとした可愛らしい感触が広がった。 【りか】 「ふふっ♪」 思わず笑みがこぼれる。 緊張の糸がフッとほどけて、安堵の空気が広がった。 踏み越えてみればこんなにも面白い。 それに至った自分を誇りに思う。 そう……触れなければいいのだ、男性自身に。 そうすれば、すべては『スキンシップ』で終わる話。 もちろん弟が言いふらせば、これでも終わるかもしれないけれど…… これまでの反応を見るに、それはなさそうだと判断した。 この子は理解している。頭ではなく本能で。 自分に起こった異変と、それに伴う状況の変化に。 だから私も、安易には触れない。 重みをもって接し、身体で理解してもらう。 そして同時に、私の愛も知ってもらう。 血縁関係とは別の、特別な感情を。 男性の一番大切なところを一番大切に扱う。 玉をキズつけないよう細心の注意を払い、ゆったりと揉みこむ。 反応を見つつ、ゆっくり、丁寧に…… 触ってほしそうに、チンがピクピク揺れている。 カウパーがダラダラ垂れてきて、私の指に絡みつく。 それも一緒にもみもみ、もみ、もみ……ぬちゃ、ぬちゃ…… その音は卑猥で、私の敏感な部分にもヒットする。 つられて濡れて、弟の素知らぬところで垂れ流す。 またセックスの準備をしている……ように見えて洗ってるだけ。 そう……ただ洗ってあげてるだけなのだ、これは。 恍惚とした弟の、紅潮した顔が鏡に映る。 その顔を見ていると、私まで気持ちよくなってくる。 身体も心も繋がりつつあるような、不思議な感覚。 自分以外の人間の感情を深く理解しつつある、邪な夜。 弟の心音が上がっていく。筋肉の緊張度も。 なるようになればいい、そう思いながら指を丁寧に動かす。 左手を弟の肩に回し、身体の震えを抱きしめる。 おっぱいがさらに強く押し付けられ、押しつぶされる。 やはり感じる、白い体液が濃く量産されているのが。 弟がわかりやすいのか、はたまた私が敏感なだけなのか。 でもやめない。ボディソープとカウパーで揉みつづける。 もう片方は煽るように洗うように、ふとももを撫でつづける。 そして……彼は一際大きく震えたかと思うと……白い液体をドクドクと垂れ流した。 昨日みたいに飛ばしたわけじゃない。 ただドクドク、ドクドクと……濃度の高いソレを吐き出す。 私は触れていない、自分でも触っていないところから…… 竿の部分をのっぺりと滑り落ちてきて、私の指にかかる。 拒否も受け入れもしない。ただ動かない。 まだ溢れ出るソレを、淡々と眺めている。 安堵の息が漏れる。フルフルと震えながら。 満ち足りたその空気に自然と頬がほころぶ。 ひとしきり流れでたあと……… 私はおもむろにシャワーを出し、全部を流し始める。 まるで最初からなにもなかったかのように流されていく。 ただ……匂いだけはずっと、空間にこびりついたままだった。