Track 4

歯を「磨く」

「では、お口、失礼いたします」 「ゴシゴシ、シュッシュ。 ゴシゴシ、シュッシュ」 「ゴシゴシ、シュッシュ。 ゴシゴシ、シュッシュ」 「はい、お水、です」 「ウン!仕上がりましたね…」 「(フフッというようなニュアンスの声)ものたりませんか?……そうね。でしょうね。そうでしょ うとも。」 「…『月下』の砂はぁ…人の情欲(じょうよく)をぉ、…掻き立てるものなのでございますよぉ。」 「愛の欲求にぃ、むせび泣きそうな顔、し、て、る」 「お耳、砂の毒でぇ、ほてってるねぇ…」 「どうして、ほ、し、い、の?」 「いいわ。してあげる。」