歯を「磨く」
「では、お口、失礼いたします」
「ゴシゴシ、シュッシュ。 ゴシゴシ、シュッシュ」
「ゴシゴシ、シュッシュ。 ゴシゴシ、シュッシュ」
「はい、お水、です」
「ウン!仕上がりましたね…」
「(フフッというようなニュアンスの声)ものたりませんか?……そうね。でしょうね。そうでしょ
うとも。」
「…『月下』の砂はぁ…人の情欲(じょうよく)をぉ、…掻き立てるものなのでございますよぉ。」
「愛の欲求にぃ、むせび泣きそうな顔、し、て、る」
「お耳、砂の毒でぇ、ほてってるねぇ…」
「どうして、ほ、し、い、の?」
「いいわ。してあげる。」