濡れ触れる舌と甘く温かい吐息と…
【崔破】
ん……れる、ちゅ、く……っ
なん、だ……? 口が、勝手に……
すまぬ……大丈夫だったか……?
俺にも、自身がなぜこのような行為に及んだのか、わからぬ……
……嫌では、なかったか……?
申し訳ない、このような、状況で……
この行為に、いったいなんの意味があるのかわからぬが……
しかし……触れた肌の感触が、心地よい……
これを、欲しているのか……おまえの温もりと、感触を……
わからぬが……いま俺は、おまえを欲している……
そして、おまえの反応を、楽しみたいと思っている……?
理解、できぬ……自分を、見失うなど……
あってはならぬことだ……
だが、おまえの傍にいると……
鼓動が高鳴り、自身の制御が難しくなってゆくのを、感じる……
もっと、よいか……?
触れても……おまえ、自身に……
そうか……すまぬ……
そのようなつもりで来たわけでは、なかったのだがな……
肌理細やかな肌だ……
指に吸い付くような、それでいて、受け流すような……
これも、おまえを縛っている要因か……
美しいがゆえに、強く求められ、そして利用される……
女子というものは、不便なものだな……
己の生き方すら、自らの意思で決められぬとは……
だが俺も……自らの意思では、ないか……
わからぬ……本当の自分とは、なんだったのか……
おまえに触れれば……あるいは……
自分の中にある『なにか』を、取り戻せるかもしれん……
細く儚い、首……盛り上がった、鎖骨……
弱点が、こうも露出して……
だが、そこが美しい……
それこそが、女子の本質……
……だから、搾取されるのだ……
脆く儚いから、へし折られてしまうのだ……心も……
どうして、このような作りをしておる……
なんのために……このように、脆くできておるのだ……
ん……やわらかい……これが……乳房か……?
赤子に、命を与える場所……
男とは、違いすぎるな……
丸く、手に馴染み、指に溶ける様に柔らかい……
……いつまでも、指を埋めていたくなるな……不思議な場所だ……
……どうした? 少し、息が荒くなってきたようだが……
ビクビクと震え……まるで、小動物のようだ……
強く、感じるのか……?
なるほど……敏感の度合いが、場所によって違うのか……
俺は……もうなにも感じぬ……
あらゆる負に触れたが原因か……
いや……己の心が弱いことへの、逃げ口上か……
少なくとも今は……少しだけ、楽しい……かもしれぬ……
俺が起こした行動により、おまえの反応が変わる……
それを間近で感じられることが、心地よい……
このような気持ちは、初めてだ……
もっと……おまえの弱点を、知りたい……
む……すまぬ、ここは刺激が強すぎるか……?
ふむ……乳房の先は、随分と敏感なのだな……
力加減など……生まれてこのかた、教えられたことがない……
目の前の相手を、全力で葬ることのみ……
だが……おまえの苦しそうな顔は、見たくない……
今度はやんわりと……触れてみよう……
……ふむ……反応が、かわったな……
表情も……幾分か、和らいだようにみえる……
……もしや、気持ちよい、のか……?
人は気持ちよいと、そのような反応を示すと、聞いたことがある……
気持ちよいは、与えたことも、与えられたこともない……
苦しみと、痛みと、我慢しか知らぬ……
……俺の手は、数多の血に染まっている……
おまえの肌は、そんな俺の手に対し、ただただ無垢で、美しい……
離してしまいたい……だが、吸い付くように離れられぬ……
まことに不思議だな……おまえの、身体は……
優しく……どこまでも優しく……
おまえの肌に埋もれて、戻れなくなりそうだ……
このような感覚、初めてだ……
疑問など、これまで持ったことはなかったというのに……
俺は、いったいなんのために産まれてきたのか……
そんな粗末なことを考えて、自分を、否定してしまいそうになる……
フ……くだらんな……
今はただ、おまえから発せられる熱を、楽しむとしよう……
腹……へそ……臀部……
丸く盛り上がっているかと思えば、ヘコみ……また丸い……
なんとも隆起の激しい……
しかし、手触りの良い……
変わった構造だ……
女子は、美しいな……
見た目そのものよりも、存在そのものが……
おまえは、特別なのか……
それとも、俺の感覚が麻痺していて、皆そうなのか……
……いや、俺はおまえに惹かれたのだ……
あの一瞬、ほんの一瞬、瞬いただけで……
俺は、おまえを奥の奥まで知りたい……
だから、ここにきたのだ……
……ん……ふさふさ、している……
このような場所に、毛が……?
俺にも、ある……同じ、なのか……?
ん……しかし、手触りが全然、違う……
やわやわと指に絡みついては、離れて……
毛まで、俺を翻弄しようと、弄んでくるのか……
すると、この先には……ないな……
ついているわけでは、ないのか……
やはり、違うのだな……
男と女子は完全に、別の生き物なのか……
世間にとっては、当たり前のことなのかもしれぬが……
自分の身体にすら興味のない俺にとっては、驚くことばかりだ……
まだまだ、おまえのことが、知りたい……
この心、満たされるまで……