Track 3

濡れ触れる舌と甘く温かい吐息と…

【崔破】 ん……れる、ちゅ、く……っ なん、だ……? 口が、勝手に…… すまぬ……大丈夫だったか……? 俺にも、自身がなぜこのような行為に及んだのか、わからぬ…… ……嫌では、なかったか……? 申し訳ない、このような、状況で…… この行為に、いったいなんの意味があるのかわからぬが…… しかし……触れた肌の感触が、心地よい…… これを、欲しているのか……おまえの温もりと、感触を…… わからぬが……いま俺は、おまえを欲している…… そして、おまえの反応を、楽しみたいと思っている……? 理解、できぬ……自分を、見失うなど…… あってはならぬことだ…… だが、おまえの傍にいると…… 鼓動が高鳴り、自身の制御が難しくなってゆくのを、感じる…… もっと、よいか……? 触れても……おまえ、自身に…… そうか……すまぬ…… そのようなつもりで来たわけでは、なかったのだがな…… 肌理細やかな肌だ…… 指に吸い付くような、それでいて、受け流すような…… これも、おまえを縛っている要因か…… 美しいがゆえに、強く求められ、そして利用される…… 女子というものは、不便なものだな…… 己の生き方すら、自らの意思で決められぬとは…… だが俺も……自らの意思では、ないか…… わからぬ……本当の自分とは、なんだったのか…… おまえに触れれば……あるいは…… 自分の中にある『なにか』を、取り戻せるかもしれん…… 細く儚い、首……盛り上がった、鎖骨…… 弱点が、こうも露出して…… だが、そこが美しい…… それこそが、女子の本質…… ……だから、搾取されるのだ…… 脆く儚いから、へし折られてしまうのだ……心も…… どうして、このような作りをしておる…… なんのために……このように、脆くできておるのだ…… ん……やわらかい……これが……乳房か……? 赤子に、命を与える場所…… 男とは、違いすぎるな…… 丸く、手に馴染み、指に溶ける様に柔らかい…… ……いつまでも、指を埋めていたくなるな……不思議な場所だ…… ……どうした? 少し、息が荒くなってきたようだが…… ビクビクと震え……まるで、小動物のようだ…… 強く、感じるのか……? なるほど……敏感の度合いが、場所によって違うのか…… 俺は……もうなにも感じぬ…… あらゆる負に触れたが原因か…… いや……己の心が弱いことへの、逃げ口上か…… 少なくとも今は……少しだけ、楽しい……かもしれぬ…… 俺が起こした行動により、おまえの反応が変わる…… それを間近で感じられることが、心地よい…… このような気持ちは、初めてだ…… もっと……おまえの弱点を、知りたい…… む……すまぬ、ここは刺激が強すぎるか……? ふむ……乳房の先は、随分と敏感なのだな…… 力加減など……生まれてこのかた、教えられたことがない…… 目の前の相手を、全力で葬ることのみ…… だが……おまえの苦しそうな顔は、見たくない…… 今度はやんわりと……触れてみよう…… ……ふむ……反応が、かわったな…… 表情も……幾分か、和らいだようにみえる…… ……もしや、気持ちよい、のか……? 人は気持ちよいと、そのような反応を示すと、聞いたことがある…… 気持ちよいは、与えたことも、与えられたこともない…… 苦しみと、痛みと、我慢しか知らぬ…… ……俺の手は、数多の血に染まっている…… おまえの肌は、そんな俺の手に対し、ただただ無垢で、美しい…… 離してしまいたい……だが、吸い付くように離れられぬ…… まことに不思議だな……おまえの、身体は…… 優しく……どこまでも優しく…… おまえの肌に埋もれて、戻れなくなりそうだ…… このような感覚、初めてだ…… 疑問など、これまで持ったことはなかったというのに…… 俺は、いったいなんのために産まれてきたのか…… そんな粗末なことを考えて、自分を、否定してしまいそうになる…… フ……くだらんな…… 今はただ、おまえから発せられる熱を、楽しむとしよう…… 腹……へそ……臀部…… 丸く盛り上がっているかと思えば、ヘコみ……また丸い…… なんとも隆起の激しい…… しかし、手触りの良い…… 変わった構造だ…… 女子は、美しいな…… 見た目そのものよりも、存在そのものが…… おまえは、特別なのか…… それとも、俺の感覚が麻痺していて、皆そうなのか…… ……いや、俺はおまえに惹かれたのだ…… あの一瞬、ほんの一瞬、瞬いただけで…… 俺は、おまえを奥の奥まで知りたい…… だから、ここにきたのだ…… ……ん……ふさふさ、している…… このような場所に、毛が……? 俺にも、ある……同じ、なのか……? ん……しかし、手触りが全然、違う…… やわやわと指に絡みついては、離れて…… 毛まで、俺を翻弄しようと、弄んでくるのか…… すると、この先には……ないな…… ついているわけでは、ないのか…… やはり、違うのだな…… 男と女子は完全に、別の生き物なのか…… 世間にとっては、当たり前のことなのかもしれぬが…… 自分の身体にすら興味のない俺にとっては、驚くことばかりだ…… まだまだ、おまえのことが、知りたい…… この心、満たされるまで……