Track 2

「投炭練習、音探しの始まり」(投炭練習場での投炭練習音)

;//////// ;Track2 投炭練習/音探しの始まり ;//////// ;環境音 投炭練習室内(空調。比較的近くの壁越しに8620走行待機音) ;SE 投炭練習音(継続) ;15/左遠 【すずしろ】「……御一夜観光客の人気スポットのひとつがこんなとこだなんて、 最初は耳を疑ったけど――ふふっ」 【すずしろ】「(熟練の投炭練習を見守る満足げな呼吸。一分ほど)」 【すずしろ】「投炭(とうたん)練習機での投炭練習体験。石炭の投げ込み。 万岡鉄道C12 67――蒸気機関車のレイルロオドのすずしろには、日常すぎて面白くもない光景かなーって気もして……でも――」 ;$=SE 窓の外、短い8620の汽笛 【すずしろ】「(30秒ほど、投炭を見守る呼吸音)―― $ あ!」 【すずしろ】「マスター、気を散らさないで。 プロなんだから、投炭100杯。100kgきっちり最後まで、かっこいいとこ見せて――ね」 【すずしろ】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――うん。 いい音。いいリズム。 投炭なんて、もう普段は機関助士さんに任せっぱなしだけど、やっぱり……」 【すずしろ】「(呼吸音)(呼吸音)――マスターの投炭、本当に綺麗。 ざ、ざ、ざって、スコップの中でほとんど石炭踊らないもの。 おんなじ音で、おんなじリズムで、石炭を――機関車の息吹のもとを、投げ込んでくれる」 【すずしろ】「頼もしくって、心強くて。 それだけじゃなく…… 意識して……改めて見てみると……(うっとりした吐息)」 ;ひとりごと(小声) 【すずしろ】「かっこよかったっけ。こんなに」 【すずしろ】「えっ!? あ、ううん。別に、ただ―― かっこいいなって――あ!? マスターがじゃなくて、投炭が、ね。 熟練のプロの技だなぁって。ん……(見惚れる呼吸。30秒ほど)」 【すずしろ】「うん、今更だけ思ったの。 めちゃくちゃ絵になるんだなぁって――あ!」 ;SE 投炭、最後の一杯 ;SE stop 【すずしろ】「100杯くらいだとあっという間。 さすがマスター!」 ;SE すずしろ足音。近づいてきて真正面で止まる ;1/前 【すずしろ】「はい、タオル――って、汗もかいてないんだ。 現役機関士ってダテじゃないね――けど!」 ;SE タオルでわしゃわしゃ 【すずしろ】「一応、ふいといたげる。 だってこれから、ふたりで音探ししつつ観光するんだし。 やっぱりこざっぱりしててくれた方が、一緒にいてうれしいもの―― (タオルで拭いてあげてる呼吸音。しばらく) ……っと。こんな感じかな。ふふっ」 ;SE stop 【すずしろ】「お疲れ様でした! あ、ほっぺ、ちょっと血色よくなってる。 投炭で体を動かしたの、いい気分転換にはなったみたいね」 【すずしろ】「まいてつ祭の間は、ずっと会議会議だったんでしょ? (呼吸音)(呼吸音)――あ~。やっぱり。それじゃあ体もなまっちゃうわよね」 【すずしろ】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――うん。すずしろも似たようなもの。 レイルロオドのみんなと一緒に、グッズ開発のための会議――レイルロオド・サミットしてた。 突発にしてはなかなか実りある会議になったかなぁって思うんだけど――(ため息)」 【すずしろ】「すずしろ、司会役を振られちゃって。 もちろん役はありがたいから、うれしいから、全身全霊で演じて――そしたら…… 他のレイルロオドのこたちはアイディア出しがおわったらね? 交代交代で観光にでかけて御一夜の町を楽しんで帰ってきたのに……」 【すずしろ】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――そうなの、あはは。 すずしろ一人だけ、ずーーーっと働きづめになっちゃって。 観光したいなぁ、うらやましいなぁって、正直かーなーりーおもってたんだ」 ;1/前→ “だから”のあと、クルッとターンして隣に並んで腕からめるイメージで →;3/右 【すずしろ】「だから、ふふっ! 新聞記事の話――『蓄音レヱル』って記事で紹介してもらうため、 マネージャーとすずしろで、御一夜の音探しをしていいってことになったの―― 地味にね、すっごく嬉しいの、実は」 【すずしろ】「いま聞かせてもらった投炭の音も、あらためて聞くといい音だし、 普通の人にはとっても珍しい音だと思うし――ふふっ! さっそく紹介の一個目がきまっちゃったのも、幸先いいなぁって!」 【すずしろ】「だからこの調子で――うん。 誰も喜んでくれるような素敵な音を、もっともっと見つけたい。 音のこと、マスターもすずしろも素人だけど、それでも――それでも」 【すずしろ】「『蓄音レヱル』って企画。……全国紙の大新聞で、シリーズでやるってことはさ。 各地の沿線の音を探して紹介するレイルロオドも、きっと全国各地から選出されるってことじゃない」 【すずしろ】「そうすると、御一夜鉄道のハチロクさんとか、高嵜鉄道のランさんとか―― あの辺の大人気レイルロオドも絶対選出されるに決まってるから…… 紹介する記事の内容ではね? 記事を楽しみに訪ねてくれる人たちを、どれだけ楽しませられるかっていう点だけは――絶対、すずしろ負けたくないの」 【すずしろ】「だって、レイルロオドとしては確実に、あのふたりの方が上だから。 すずしろは――すずしろのC12 67は、どうがんばっても長距離なんて走れないし、引っ張れる重さだってたかがしれてる」 【すずしろ】「安全性。定時性。速達性。C12 67とすずしろだって全部をきっちり満たしてるけど…… 同じレベルで満たせるなら、スペックが許す牽引力の強い方が、牽引距離の長い方が、鉄道輸送っていう舞台の上では、活躍できるにきまってる」 【すずしろ】「だから、女優として、エンターテイナーとして。 それが新聞記事用の取材であっても―― 『表現を受け取ってくれる人が、それだけ楽しんでくださるか』 ――その舞台の上でだけは、すずしろは、ナンバーワンレイルロオドでありたい」 【すずしろ】「マスターが――マネージャーが力を貸してくれるなら、絶対に叶えられるってすずしろは―― (呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――っ!! うふふっ! ありがとう! そうこなくっちゃ!!」 【すずしろ】「じゃ、いこっ! 次の音もね、工業系。 汽子(きこ)さんと紅(べに)ちゃんの体験談聞かせてもらって、 すずしろ絶対、マスターといきたいなって思ってたの!」 【すずしろ】「予約もさっきすませてあるから、一緒にいこう!」 ;SE すずしろ足音 大きく一歩 【すずしろ】「レッツゴー♪」 ;SE 環境音 F.O.