Track 3

「包丁づくり体験」(包丁づくりASMR)

;//////// ;Track3 包丁づくり体験/(包丁づくりASMR) ;//////// ;環境音 屋外・町(うっすら) ;SE 金属を金槌でガンガン叩く音 (継続) ドア越し ;3/右 【すずしろ】「わ!」 ;3/右  【すずしろ】「(数秒間、耳を澄ます呼吸)……工房の扉越しにも聞こえてくるね―― これ……カンカンカンって、きっとハンマーで焼けた鋼を叩いてるとか、そういう音だよね、きっと」 【すずしろ】「この音だけでも、“音風景”って感じがするし―― 自分の手で包丁作らせてもらえる場所なんて、日ノ本全部を探したって何箇所もないでしょ? なら“御一夜鉄道沿線ならでは”ってところもクリアー!」 【すずしろ】「それに――えへへっ! 万が一音がハズレだったとしても、ふたりでつくる包丁が手元に残るんだから、 どう転んでも損はしないし――うん。はいろっ! ね、マスター」 【すずしろ】「『ごめんください。さきほどお電話したすずしろです! 包丁づくり体験、お願いします!』」 ;SE stop ;SE ドア空き ;環境音 F.O. ;参考動画 https://youtu.be/lvGd1NFvNxI ;環境音 包丁づくり工房 F.I. ;1/前(マイクに背中向き) 【すずしろ】「わ――わぁ! 工房って感じ…… これ、写真撮っても大丈夫ですか? (呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――! ありがとうございます! なら、マネージャ、撮って! 撮って!!」 ;SE 数秒ごとにシャッター、5回 ;9/前遠 ;*ポーズとって→シャッター切られて→ポーズ変更の繰り返し 【すずしろ】「こう? (呼吸音)―― で、次は――(呼吸音)―― あ、ここでも――(呼吸音)―― っと、ちょっと大人っぽい表情に――(呼吸音)―― ん、ラストは、元気に――『いぇいっ!』――(呼吸音)―― うふふっ!!」 ;3/右(寄り添い) 【すずしろ】「撮れ高どーお? (呼吸音)――あ、いい。さっすがマネージャー! これ、あとでミンスタにあげといてほしい――って」 ;SE すずしろ足音一歩 ;1/前(マイクに背中向けてあたりをきょきょろ) ;話しかけてる相手は鍛冶屋さん 【すずしろ】「(感心の息) ――ここ……工房って、単純に綺麗な場所なんですね。 最初『素敵』って思った瞬間、よくみないで動いちゃいましたけど……」 【すずしろ】「窯の中でごうごう燃えてる炎は格好いいし――(呼吸音)―― ベルトのついた大きな機械は……ヤスリかなんかですか? すごく素朴な力強さを感じるし―― (呼吸音)――」 ;SE すずしろ足音数歩→止まる 【すずしろ】「(呼吸音)(呼吸音)――って!? びっくりした! このバケツの中、これ―― めちゃくちゃたくさん刃物が砂に突き立てられてのって……(考える呼吸)――あ! つくりかけとかなんですか?」 【すずしろ】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――ああ、なるほどです。 (呼吸音)(呼吸音)――って、そうですね。 体験の時間、おしゃべりで減らしちゃったらもったいない。 ごめんなさい。すずしろ、嬉しくてはしゃぎすぎちゃっ――!?」 ;1/前 (マイク向き) 【すずしろ】「マネージャー! 見て! ここ、穴!!。 なに使うんだろう、まるで機関庫のピットみたい…………って」 ;SE すずしろ足音素早く一歩 ;3/右(マイクと同じ視線) 【すずしろ】「やだ、本当にごめんなさい。すずしろ、はじめての体験だとついついテンションあがりがちになっちゃって――(芝居がかった咳払い) ――あらためまして、本日は包丁づくり体験のご指導。どうぞよろしくお願いします」 【すずしろ】「それで――(呼吸音)――あ、はい。 まずはこちらの大きな機械の前に座ればいいんですね――失礼しまーす」 ;SE 椅子に座る ;1/前 【すずしろ】「……(呼吸音)――はい。わかりました。何もいじらないで待ってます。 危ないですもんね。うん。 <;SE 鍛冶屋足音遠ざかる、鉄の音、かちゃかちゃ> ……(呼吸音)――ぁ」 ;SE 金属をガンガン叩く音 ;1/前 (小声) 【すずしろ】「……ね、マネージャー、外で聞こえてた音って、アレだったんだ。 炉に金属を差し込んで、ひっぱりだしてガンガンたたいて――また差し込んで――」 【すずしろ】「ってか、ふふっ。『危ないからなにもいじらず少し待っててください』なんて。 すずしろ、そんないたずらっこに見えちゃったのかな。 盛り上げなくちゃ、ってだけじゃなく……素でうれしくて、はしゃぎすぎちゃったのかも」 ;SE 金属をガンガン叩く音(継続) 【すずしろ】「(じっと見惚れる呼吸。一分ほど)――あ!」 ;SE 鍛冶屋足音近づいてくる。 【すずしろ】「あの、鍛冶屋さん。教えてもらってもいいですか? 今叩いてた真っ赤に焼けたのって一体――(呼吸音)(呼吸音)――」 【すずしろ】「ふんふん。二枚のステンレス板の間に鋼を挟んだもの――(呼吸音)(呼吸音)―― ああ! それが包丁の胴体の部分……腹と、それから刃(やいば)になるんですね。なるほど~」 ;SE 鍛冶屋が、やっとこでつまんだ焼けた包丁をベルトハンマーの上に乗せる 【すずしろ】「(感心の息)……あー、近くで見せてもらうと、わかります。 もう包丁っていうかナイフっていうか――刃物の形してますね。強そう」 【すずしろ】「で、これを……(呼吸音)(呼吸音)――ん。 この機械のペダルを、つま先でかるぅく踏み込む。 ええと――まずは慎重に……」 ;1/前 (マイクに背中向) ;$=;SE 機械のハンマーが落ち、金属板を叩く 【すずしろ】「そーっとそーっと $ ひゃっ!?」 【すずしろ】「なるほど。ペダル踏むとハンマーが落ちてきて…… (呼吸音)――はい――(呼吸音)――はい――(呼吸音)」 【すずしろ】「強く踏み込めばハンバーが落ちるスピードがあがる。 ……ってことは、踏み込む強さでハンマーの速度をコントロールできるわけですね」 【すずしろ】「(呼吸音)(呼吸音)――なるほど、了解です。 鍛冶屋さんが刃を動かしてくれるのに合わせて、すずしろがペダルを踏み込む。 そうして刃を叩いて薄ーく伸ばしていく」 【すずしろ】「あ――(呼吸音)(呼吸音)――単純に薄くすればいいってもんじゃなくって、 腹が厚くて、刃先が細いのが、包丁の形として理想的」 ;1/前(マイクに背中向き) “ね”→から体そのままで首だけ振り返る 【すずしろ】「難しそう――(ごくりっ)――けど、うふふっ、楽しみ! ね、マネージャー、やってみるから、ちゃんと見ててね!」 ;SE 断続的にハンマーが落ち、金属板を叩く(継続) ;1/前(マイクに背中向き) 【すずしろ】「ん……(呼吸音)――っ――(呼吸音)――(呼吸音)――(呼吸音)――」 【すずしろ】「あ、はい。もう少し強く―― んっ――(呼吸音)(呼吸音)―― あっ――(呼吸音)(呼吸音)――」 【すずしろ】「わかってきた、かも―― (呼吸音)――叩く速度で――(呼吸音)―― 伸び方が――(呼吸音)―― 目に見えて――(呼吸音)――」 【すずしろ】「ってことは、もっと――(呼吸音)―― この、くらいで――(呼吸音)―― うん――(呼吸音)――っ――(呼吸音)」 【すずしろ】「(集中した呼吸音、30秒ほど)――うん!!」 ;1/前 (マイク向き) 【すずしろ】「ね、マネージャー! 見ててくれたよね! すずしろ――あははっ! はじめてにしてはイケてるよね? かなり上手にできたかなーってすずしろ的には思んだけど――(呼吸音)――わ!」 ;SE 鍛冶屋がやっとこで包丁つまみあげる ;1/前(マイクに背) 【すずしろ】「(嬉しさを抑える呼吸)――すごい、すずしろが叩いたことで――(呼吸音)(呼吸音)―― ね、マネージャー! さっきよりずうっと包丁らしくなってるよね、これ! ――あ」 ;SE 鍛冶屋足音遠ざかる ;SE 火にくべ→鉄床+ハンマーでガンガンを繰り返し (継続) ;1/前 (マイク向き) 【すずしろ】「……また火にくべてガンガン――(呼吸音)(呼吸音)――なるほど、そか、 機械で叩いたままのボコボコ、ああして均(なら)してくれてるのか――(呼吸音)」 ;SE stop ;SE 鍛冶屋足音 ;15/左遠方向に ;1/前 (体マイク向きのまま、首を左に向けて) 【すずしろ】「次は――(呼吸音)(呼吸音)――グラインダー! やった、普段から馴染みのある機械! (呼吸音)(呼吸音)――あ、はい。そうなんです。えへへ。 レイルロオドは鉄道車両の整備の手伝いもしますから」 【すずしろ】「すごくおっきいところだと、また話は別かもしれないんですけど、 小さな鉄道事業者の蒸気機関車レイルロオドなら、 グラインダー扱えるこ、結構多いと思いますよ」 【すずしろ】「(呼吸音)――はい、いまそっちにいきます。 ね、いこ! マネージャー」 ;SE すずしろ足音、数歩 ;7/左 【すずしろ】「……(呼吸音)――グラインダーで、包丁の背の形を整える。 これは普通に、グラインダーに包丁をあててやれば―― (呼吸音)(呼吸音)――うん。多分、さっきのよりは上手にできそうな気がします」 ;7/左 (耳打ち/囁き) 【すずしろ】「マネージャー、ここは多分、絵になると思うから撮っといて? 普段からしてることの延長だし……うん。やれるはず」 ;SE ベルトグラインダーかける ;7/左(マイクと同じ視線) 【すずしろ】「ん……(集中した呼吸音と、作業ニュアンス。一分ほど)」 【すずしろ】「っと――もう少し……(呼吸音)(呼吸音)―― ん――(呼吸音)――うん!」 ;7/左(マイク向き) “なかなか”から ;7/左(マイクと同じ視線) 【すずしろ】「どう!? マネージャー、鍛冶屋さん。 なかなかものものだと思いません?」 ;7/左(マイクと同じ視線) 【すずしろ】「(呼吸音)(呼吸音)――うふふっ、ありがとうございます! 普段のディスクグラインダーじゃなくてベルトのヤツだったからちょっとドキドキしたけど、 綺麗にできてるんならよかったです」 【すずしろ】「そうしたら次は……(呼吸音)(呼吸音)―― 回転砥石でおおまかに研いで、今削った部分をなめらかにしていく…… って、それ――仕上がりに直結する部分ですよね。見た目だけじゃなく、切れ味のとこにも」 【すずしろ】「……(呼吸音)(呼吸音)――なら、すずしろ―― せっかく作るんだし、ずっと使えるものになったらいいなーって思うから―― だから、もしもそうしてもオーケーなら、鍛冶屋さんにお願いしたいんですけど……(呼吸音)」 【すずしろ】「あ! オーケーですか。うれしい! じゃあすずしろ、マネージャーと一緒に見学してます」 ;SE 回転水ヤスリ 【すずしろ】「(感心して見惚れる呼吸とニュアンス30秒ほど)…… <;SE stop> あ」 ;SE 棒やすり 【すずしろ】「そしたら――ああ、次もヤスリなんですね。 棒ヤスリで……あー、包丁の取っ手になる部分削るんだ――(呼吸音)―― 角度を出して……(呼吸音)―― あー、すごい……(呼吸音)――鮮やか――(呼吸音)―― プロの技って、やっぱ見てるだけで楽しい……」 ;SE stop ;SE 鍛冶屋足音 一歩 【すずしろ】「(感動の息)――わあ! こんなになめらかになるって――。 すごい、感動――(呼吸音)――ここまで綺麗になったなら、 きっとあとは刃をしあげるだけ――(呼吸音)――あ、まだですか。その前に……はい」 【すずしろ】「(呼吸音)(呼吸音)――焼入れと、焼き戻し。 ん……なんか聞いたことはある気がするんですけど…… えと、具体的にどんなことやるのか、教えてもらえたらうれしいです」 【すずしろ】「……(呼吸音)(呼吸音)―― ステンレスの間に挟まれている刃を火に焚べて、780度から800度に熱して、そこから冷まして、固くする――それが、焼入れ」 【すずしろ】「これもそれなら見学ですね――(呼吸音)―― ですよね! めちゃくちゃ難しそうですもんね」 ;SE 足音数歩 ;SE 焼入れ 【すずしろ】「いま形を整えた包丁を――やっとこで掴んで――(呼吸音)――火の中に……(見惚れる呼吸)……」 【すずしろ】「……あれ?  780度から800度って――温度計いったいどこに――(呼吸音)(呼吸音)――えっ!!? そんなのない――眼でみた、焼けた鋼の赤みで判断するって――(呼吸音)」 【すずしろ】「熟した柿の色が目安、ですか……(呼吸音)…… それって――(呼吸音)(呼吸音)――めちゃくちゃ――(呼吸音)―― プロのわざとしか――(呼吸音)――あ!」 ;SE やっとこでつまんだ鋼を火からだし、180度の油につける 【すずしろ】「っ! (呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)―― あれ!? じゅわっていわない――こぽこぽって―― 水につけたのになんで……(呼吸音)(呼吸音) って、油!?」 【すずしろ】「油につけて鋼を冷ます――(呼吸音)――!!? 180度! って、熱湯とりも熱い温度で――あ、だから油つかうのか」 【すずしろ】「(呼吸音)(呼吸音)……なるほど、ですよね。 800度まで熱したんだから、180度でもかなり冷ましてることになる……(呼吸音)―― あ……(呼吸音)――へぇ。むしろ冷たい水に一気につけたらもろくなっちゃうんですか」 【すずしろ】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――。 急激すぎる変化は脆さなって、 ゆるやかな変化は粘りを生む。 なんか……それってすごく深いですね」 ;7/左 ちらっとマスターの方を気にしながら 【すずしろ】「人間関係とかも、そうなのかなって気が……お話きいてたらしました。 すずしろはレイルロオドだからそういう経験ないですけど―― 一目惚れとか、急に熱して急に冷めちゃうみたいなのは壊れやすくて」 【すずしろ】「それで、なんとなくずっと一緒にいるみたいな関係の方が――って、あはは! ドラマとか映画の影響うけすぎですね、すずしろ。 ってか、ええと――焼入れおわったそのあとはどうするんですか? ――あ」 :SE もう一回やっとこ刃物を火の中に 【すずしろ】「また焼く!? ――(呼吸音)(呼吸音)―― あーー! これがさっきいってた“焼戻し”――(呼吸音)―― 今度はもっと低い――包丁が赤みを帯びない温度まで。 けど、それだと見た目から温度がわからないから? ――あっ!」 ;SE 手で水をすくい、焼けてる包丁の上にじゅわじゅわさせる 【すずしろ】「――かけた水の水音や水玉の出来具合で、温度をみるって―― またまためちゃくちゃプロですね! すごい――っ!!!」 ;SE やっとこ包丁を一気に水につける。じゅわーーー! 【すずしろ】「じゅわって言ってる! 今度はお水――あ、やっぱり!! これで一気に鋼が固まる――(呼吸音)(呼吸音)――ああ……」 ;7/左 “メモ”から下(手元)むいてひとりごと 【すずしろ】「『包丁に魂が宿った瞬間』……(呼吸音)―― 綺麗な言葉……――! メモっとかなきゃ なんか、どこかでアドリブでつかえるかもしれないし」 ;SE メモを取る、とりおわる ;7/左(マイクと同じ視線) “でしたら”で →;1/前 【すずしろ】「で、今宿った魂――刃(やいば)をあとは削り出す…… (呼吸音)(呼吸音)―― あ! 最後の仕上げの砥石をかけていくのは――それなら」 ;1/前 (近い) 【すずしろ】「マネージャー……っていうか、マスター。 仕上げの砥石がけは、すずしろ、マスターにお願いしたい」 【すずしろ】「この包丁も、すずしろと同じに…… マスターにとって一番使いやすい――そんな道具になってほしいって思うから」 ;1/前 (密着。手を重ねるイメージ) 【すずしろ】「だからその手で――磨いてほしいの」 ;SE 環境音 F.O.