Track 3

■2-1.『大学の教授の場合』

☆2-1  失礼します、先生。  お話がある、ということでしたけど……  この前提出した、レポートの件でしょうか?  え?  ええ。はい。おかげさまで。  先生のゼミ、分かりやすいですし、内容も面白くて、楽しいです。  ふふ。知ってますか? 先生って、結構モテるんですよー。  私の友達が、先生って渋くてイケてるし、ゼミ入れて羨ましーなー、って言ってました。  ……え?  急に、どうしたんですか? 先生。  それって、いわゆる“アカハラ”ってやつじゃないですかー?  まあ……はい。彼とは確かに、お付き合いしてますけど。  それがどうかしましたか?  ……彼の成績、ですか?  それは……本当、なんですか?  でも、彼、出席は毎回してますし、提出物もちゃんと出してますし……問題ないって思いますけど……  ……そんな。  ゼミって……確か、必修ですよね?  なのに、単位取れない、なんてことになったら……  彼、卒業できなくなります……。  …………。  でも、彼の話を、なんで私にするんですか……?  しかも、先生の研究室で……?  ……あ。  先生……こ、困ります……。  み、耳、触らないで、ください……。  それ……セクハラ、です……。  か、彼の、ために……私が……?  あぁ……そんな……。  私、私……。