貴方の名前は、今日からルルです
【ルル】ふぅ…お風呂で。
すっきり
【ニィナ】待って、まだ乾いてないから。
ちゃんと拭かないと、変な癖ついちゃうよ私より、尻尾とかはこんなにモフモフなんだから…。
ほら、タオルで拭かないと…
【ルル】…ん、気持ち良い…あ、人間。
いたんだ
【ニィナ】こーら、失礼でしょ。
すみません、マスター。
この子、まだ色々分かってなくて…
【ニィナ】あぁ、はい。
確かにお風呂には慣れましたね最初は、ちょっと怖がっていましたけど、もうすっかり気に入っちゃいましたし…
【ルル】うん、お風呂…あったかいから、好き
【ニィナ】…だそうです。
この通り、だいぶ今の生活にも馴染んできたみたいで…
【ニィナ】…ブラッシング。
ですか?
それは良い考えですね
【ニィナ】この子。
身体を拭くのは、まだ面倒というか…あまり気にしていないところがあるのでしっかり毛並みを整えれば、この子ももっと可愛くなりたいって思いますよね
【ルル】…何、なんの話?
【ニィナ】これから、マスターがあなたの毛並みを整えてくれるっていう話だよ
【ルル】…必要ない。
乾けば大丈夫
【ニィナ】だーめ。
女の子なんだから、ちゃんと手入れしないと
【ルル】…どうして?
【ニィナ】その方が、もっと可愛くなれるでしょ
【ルル】別に、可愛くなくて良い
【ニィナ】絶対良くないのっ。
良いから、マスターにブラッシングしてもらって返事はその後で聞くから
【ルル】むぅ…。
じゃあ、自分で…
【ニィナ】自分でするより、誰かにされた方が…特にマスターの手入れはとっても気持ち良いんだから任せてもらうように、ね?
じゃないと、お風呂上がりのイチゴは…
【ルル】やる、ブラッシング、やってもらう…イチゴ、食べたいから
【ニィナ】ふふっ、あんまり乗り気じゃないみたいですけど。
よろしくお願いしますね、マスター
【ニィナ】この子の毛並み、綺麗に整えて、びっくりさせちゃいましょう
【ルル】別にびっくりしない。
毛並みなんて、気にしたことないし…
【ニィナ】だからこそ、びっくりするんだよ。
はい、マスター。
このブラシを…
【ルル】…あの。
痛く…ない、よね。
毛が…引っかかりそう
【ニィナ】大丈夫、その逆ですっごく気持ち良いよさっき、お風呂場で綺麗に洗ったから…ブラシが通り易くなってると思うし
【ルル】…そう。
じゃあ、任せる…ブラッシング、しても良いよ。
人間
【ルル】…ん、ぁ…。
何、これ…んぅ……頭、くすぐったい…?
ん…あ…
【ニィナ】ふふ、それだけかなぁ
【ルル】ん…違う。
ブラシが通った時…なんか、気持ち良い…あ…声…出ちゃう…んっ……んぅ…
【ニィナ】ブラシ、気持ち良いよねぇ私も、マスターに教わったんだよこの優しい櫛通りだけじゃなくて、大切にされてるっていう感じが、良いんだよね…毛並みだけじゃなくて、心まですっきりするような…
【ルル】んっ…分かる、かもこんなの、初めてで……っ
【ニィナ】…ふふ。
尻尾の方は、もっと気持ち良いよ私と違って、尻尾の毛…モフモフしてるからここも、マスターに整えてもらおうね…
【ルル】…ん、うん…。
もっと…して…?
【ルル】…こ、これ。
少しボサボサだけど…ん、大丈夫。
尻尾の方も、任せるからブラシ、通して…?
【ルル】…ん、はぁ…尻尾の方が、もっと…すごい…ブラシが、全然…毛に絡まなくて…んっ…すぅって…なるあぁ……
【ニィナ】ふふ。
癒されるよね
【ルル】癒される…?
【ニィナ】そうだよ。
心が落ち着いて、身体から力が抜けちゃうの
【ルル】…確かに、そんな感じ…する…ん。
これ…ブラッシング、お風呂より…好きかも…ん、あぁ……。
頭の中、ふわふわでいっぱい…ブラシされてるの、尻尾…なのに…ん、はぁ…これが、癒し…なの?
【ルル】そう…なんだ…ん、あぁ…。
癒…される
【ニィナ】……マスター。
気に入ってもらえて、良かったですね………はい。
この子も、すっかり家族に馴染んで…
【ニィナ】あ…私、思いついちゃいました……はい、この子の名前です。
数日前から色々と考えてはいたんですけど…今、やっと良いのが浮かんで……ルルという、名前は、どうでしょうか私たちの種族の言葉で、『大切』という意味が込められているんです。
【ニィナ】ふふ、ぴったりですよねあなたは…どう?
【ルル】私の…名前うん。
ルルが…良い
【ニィナ】じゃあ、ルルで決まりですね
【ルル】……あ
【ニィナ】ん、どうしたの?
【ルル】なんか…名前で。
ルルって呼ばれると…良く分かんないけどぽわぽわって感じ…する…ん、はぁ…。
うん、もっと呼んで……ブラシも、名前呼ばれるのも……気持ち良い…ん、あぁ…
【ルル】私の尻尾…。
最初は、癖があって…。
所々、跳ねてたのに…今は…サラサラして。
ちゃんと整ってる…
【ニィナ】ね、最初の頃とは見違えたでしょ?
【ルル】…別の尻尾みたい
【ニィナ】ふふ、これが本来のルルの尻尾だよ
【ルル】…魔法、みたい
【ニィナ】マスターの手にかかれば、このくらい朝飯前ですよ。
ね、マスター
【ニィナ】あ、確かに今は夕食も終わっちゃいましたけど。
って、そういうことじゃなくて…むぅもしかしてマスター、照れてます?
【ニィナ】えー、ほんとですか?
……そんな、大したことありますよ
【ルル】うん…ブラシ、とっても気持ち良い……ん、はぁ…
【ニィナ】ルルの顔、少し柔らかくなってきましたね…これも、マスターのおかげですよ
【ルル】…ん。
むふぅ…
【ルル】…あ、これで…終わり?
…もっと、しても良いよ
【ルル】そっか…傷んじゃうのは、やだから。
仕方ない
【ルル】…え、明日も…してくれるの?
……毎日?
それは…嬉しい
【ニィナ】良かったね、ルル。
…あ、これ…鏡。
ちょっと、見てみて
【ルル】…ん?
あ……映ってる。
これ、私の毛並み、なの?
いつもと…全然、違う変な癖…ないし。
指で触っても、頭…サラサラ
【ニィナ】尻尾もふわふわだよ~。
どう?
マスターのブラッシング、とっても良いでしょ?
それに…とっても可愛いよー!
【ルル】…かわ、いい。
……うん、可愛い…かも
【ニィナ】ふふ。
じゃあ、マスターにお礼言わないとね
【ルル】お礼って…頭、下げるの?
【ニィナ】うーん、そういうのもあるけど、言葉で…ありがとうって、伝えるんだよ
【ルル】…分かった。
……ありがとう、マスター
【ルル】…あ、その…。
呼び方…人間って言うより…ニィナみたいに、マスターって、呼びたくなったから
【ルル】…だめ?
【ルル】…なら、今日からマスターって呼ぶね。
ニィナと、一緒
【ニィナ】ふふ、お揃いだねー
【ルル】……そういえば。
ニィナは、良いの?
【ニィナ】え、なんのこと?
【ルル】ブラシ…マスターにしてもらわないの?
【ニィナ】そ、それは…ほら、いつも自分でしてるし……えぇ?
い、良いんですか?
【ニィナ】…でしたら、お言葉に甘えて…。
私の尻尾も、お願いします…
【ニィナ】…ん、あぁ、マスターのブラシ、気持ち良い…自分でするのと、全然…違って…んんぅはぁ……あぁ…
【ルル】ニィナ、顔…とろーんって、なってる
【ニィナ】えぇっ、そ、そんなことは…っ
【ルル】今度は、赤くなった
【ニィナ】うぅ…ルルの前なのに。
これは、その…ね。
マスターにしてもらうの、久々だから…っ、ん…
【ルル】…もしかして、我慢…してる?
【ニィナ】んぅ…我慢、なんて…
【ルル】だめ、だよ。
我慢しない方が、きっと…気持ち良い。
癒される
【ニィナ】…んっ、うぅ…。
恥ずかしい…あぁ…や、でも…。
気持ち良すぎて、ヘンな…声っ、んぅ…っ、ぁ…ふにゃぁぁ~…
【ルル】あ、蕩けた
【ニィナ】もぉ…気持ちよしゅぎましゅよぉ、ますたぁ……ん、あぁ~…
【ニィナ】…えぇ?
いえ…毎日は、良いです。
ルルもいますし…ん、はぁ…
【ニィナ】…ただ、そのぅ……たまに、なら。
私にも、ブラシ……お願いして、良いですか?
【ニィナ】…あぁ。
ありがとうございます、マスター…ん、あぁ…。
疲れが、すぅって、溶けていくみたいです……んぅ、ふにゃぁ……
【ニィナ】…ふぅ。
この感じ…久しぶりで。
本当に、ありがとうございます。
尻尾、ツヤツヤになっちゃいました。
えへへ……あ、いえ。
別に、物足りなく…ないですよ?
お手入れのしすぎは、良くありませんし…ただ…ですね。
頭…ブラシの代わりに、撫でてほしいなぁって………やっぱり、分かっちゃいましたかマスターの前だと、すぐ顔に出ちゃいます…
【ニィナ】…ん、あぁ…。
おっきな手…大好き、です……ん、はぁ…
【ルル】…ニィナ。
それ、なでなでされるのも、気持ち良い…?
【ニィナ】うん。
ルルも、興味ある?
してもらいたい?
【ルル】……マスター。
私の頭も、撫でて?
【ニィナ】…ん、あぁ…。
ブラシよりも、優しくて…あったかい
【ルル】これ…なでなで、好き……ん、はぁ…ありがとう、マスター……その。
このなでなでも、そうだけど…
【ルル】色んなこと…全部、含めて…ん、はぁ…ありが…とう…
【ニィナ】…ルル。
マスターとの距離、すっかり縮まりましたね……あぁ、良かった…
【ルル】んぅ……すぅ……すぅ……すぅ……すぅ…
【ニィナ】ルル…寝ちゃいましたね。
…ん、ふわぁ…私も…あぁ…マスターの手、感じてると…瞼…重い……ん、すぅ……すぅ……すぅ…
【ニィナ・ルル】すぅ……すぅ……すぅ……すぅ…すぅ……すぅ……すぅ……すぅ…