Track 3

カラオケでの告白

【明日梨】えっと…今日は、付き合わせてごめん…なさいその…二人っきりでカラオケとか…。 おかしい、ですよね。 ははっ昨日、あんなことした後で、楽しく歌えるわけなんて、ないのに…ほんと、ごめんなさい……あ。 やっぱり、ちゃんと説明しなきゃダメ……です…えーと、だよね。 その…何であんなことしたのかは……うぅ、私じゃないっていうか…いや、身体は私なんだけど…どうしよ。 ほんとのこと話しても、信じてくれんかな…。 怒られ、ちゃったり… 「夏希:あーめんどくさいなぁ。 仕方にゃあ、あたしが変わったる」あ、その…う、ぁ… 【夏希】…ふぅ。 いやーごめんね? 色々とはっきりしんくてここからはもう一人のあたし、夏希が全部話すよ 「明日梨:…ごめん。 夏希、後は任せるね」…ん? あぁ名前。 あたしは夏希で、もう一人のあたしが明日梨なぁにぃ店長、口が開いたままになって変な顔しとるんー。 回りくどい言い方をしてもわからんよね。 かいりせい何とかって難しい言い方らしいけど、つまり、二重人格っていうやつ。 この事は、両親も友達も打ち明けとらんで、まだ知らん事なの。 だで、今日始めて店長にだけ、教えたる。 いつも店長と話したり、美容院でバイトしとる子が明日梨。 あの子が普段仕事で店長と話しとる人格で、あたしは、もう1人の方。 昨日ファミレスで食事して、そのあとエッチなことしたほうね。 分かった? 名前? うーん、名前が別にあるのは、あたしが明日梨じゃないから二重人格っていうのは、おんなじ自分がコピーされる感じじゃなくて、もう一人の別の誰かが自分の中に生まれちゃうってことなのだで年齢も違うし、場合によっては性別も人種だって違うらしいよ。 それに、名前があったほうがわかりやすいが? ふふっ…で、まあ、説明としてはこんな感じかな。 店長なら、あたしの言っとること、嘘じゃないって分かるでしょお? ふふ、ありがと。 …で、昨日の件に戻るけど色々ヘンな質問したり、エッチなことしちゃったのはあたし…夏希の方だで明日梨は、なんにも悪くないの。 もし怒るなら、あたしだけにしとってね 「明日梨:…夏希。 私だって、悪いのに。 店長と二人っきりになったら、全然話せんくて。」 「明日梨:そんな私を見かねて、夏希が表に出てくれたのに… 」…でも、昨日あんだけ出しちゃったもんだで、怒れんと思うけど実際、気持ち良かったでしょ? 口ではあれこれ言ってたけど、身体は嫌がっとらんかったしだでさ、この件で気まずくなるのは止めにしん? 今日だって、せっかくカラオケに来たわけだし。 こんな話で時間潰してまうの、勿体にゃーよってことでぇ…(※ここからマイクを通して喋る感じで)今日は、二人でいっぱい楽しもー! ほら、マイク持ってーそれとも、あたしじゃなくて、明日梨の方が良かった? あれ、その反応って…ふふ。 どうする、明日梨と交代してあげよっかそっちの方が良いんじゃない? 明日菜ってば、こんなおとなしいけど本当に可愛いんだから。 「明日梨:夏希! もう! 恥ずかしいでこれ以上は止めてよ!」あ、あたしだってもちろん可愛いでね? ていうか、あたしも結構自分に自信があるんだよ。 楽しく遊ぶのも喋るのも好きだし、もっと楽しいことも大好きだしね? ふふっ、昨日のこと思い出してまった? ねえ、どんな気持ち? あたしは夏希だけど、明日菜でもあるわけだが? 昨日の事は、あたしでも、あの子でもあるの。 けど、勿論あたしがそうしたかったんだよ? 心は別々でも、体はおんなじ一人の子の中におるで、好き嫌いは似ちゃうけどね。 わやになっとるかもしれないけど、これも本当のことだもんでね。 ほんで、店長としてはどっちのことをどう思っとるのかなって気になってまうんだわぁ~。 「明日梨:…店長… 」え~、店長は~夏希が大好きでありま~す! あははっ、こう言ってくれりゃあ全然いいんだよ? そうすりゃああたしだって答えちゃうんだから。 いいじゃんいいじゃん、二人でいっぱいデートしていっぱい楽しいことして最後は……ふふーん、これから先は実際に店長が言ってくれないと続けてあげんよ。 どう? どう? 店長、自分に素直になりゃあええがね。 昨日のことを思い出して? 最高だったでしょお? あたしもそうだよ。 あー、まだ気まずいか。 じゃあ、とりあえず二人で楽しもっかあの子が出て来るまでに、空気変えとかんとねー…というわけで、今日は一緒に楽しも? 今しかできんことを、ね