明日菜の思い
【明日梨】あ、店長。
その…お仕事前だけど、今ちょっと良い?
話したいことが、あって…うん、ありがと話っていうのは、昨日のカラオケのことで…え?
あー…うん。
敬語で話すのはもう辞めるね。
夏希にもそう言われちゃったし。
結局…またああいうことしちゃったけど、そのあと一緒に歌えたし…私は楽しかったえと…それだけじゃ、なくて一応、私の方からも、あの件について話しとこうかなって…うん、夏希のことあんまり大きな声じゃ言えんけど、ほんとに私…二重人格、なの。
最近とかじゃなくて、昔から…。
私が困った時とかに、良く夏希が表に出てきて助けて…くれたの。
例えば、私って運動が苦手だから、体育の授業サボりたいなぁ…とか。
そういう時に、夏希が代わってくれて…同級生に苛められてた時も、夏希が代わりに出てきてくれてから、そんな事も無くなったの正直、頼りすぎだよね…今回も、店長と話すのって、なんか気まずく感じて…それで、夏希が…あ、違うよ。
店長のことが苦手とか、そういうのじゃないの何て、言えば良いのかな…
「夏希:そんなの、自分が一番良く分かっとる癖に」…っ、とにかく…苦手とかじゃ、ないから。
そこは、誤解しないで………でも、きっとまた、夏希が出て来ること、多くなっちゃうと思う…私、こんなだし。
店長も、夏希と話していた方が、楽しいでしょ?
私が話すと、話題とか…そんな思いつかんし。
上手く答えられんこと、多いからもしかしたら、逆の方が、良いのかも夏希が表で、私が裏…。
そっちの方が、色々上手くいきそうで…私なんて、もう…あ…ごめん、こんなことまで、話すつもり…なかったのにそろそろ開店時間だし、近くで内緒話してたら… ヘンに思われちゃうよね…ごめん。
その、今日もよろしくね前みたいにミスしんよう、気を付けるから…うん、心配しんくても、平気……じゃあ、道具の準備、してくるから
【明日梨】店長、今日もお疲れ様掃除は全部終わったから。
先に…上がるね…え?
話し?
それって…大事なことなの?
……なら、別に明日でも良いんじゃ?
私、今日は早く帰りたいで。
……うん、また明日
【夏希】……って、言っとるようだし。
ここからは、あたしが代わっても良いよねふふ、昨日は楽しかったよ、店長…ね、この後、一緒に帰らない?
閉店作業、すぐ終わるでしょ。
あたし、待っとるで…何でって。
店長と一緒に帰りたいで。
それだけじゃ、ダメ?
明日梨の方が良いの?
じゃあ、決まりねふふ。
また前みたいに、手繋いで帰ろっか。
恋人みたいに、ぎゅぅぅって…明日梨が嫉妬しちゃうくらいに、ね