Track 6

明日梨の告白と、その先へ…

【明日梨】てーんちょっふふ。 ほんと、すぐ慌てるよね…大丈夫だって。 ここバックヤードだし休憩時間被っとんの、二人だけだから…腕に、ぎゅって抱き付いとっても、誰にも、見とらんよ…えっと…抱き付いた理由は、たまにはこうして甘えたかったで迷惑、だった? ほんとに? なら良いけどだったら、こうしちゃうのもいいよね? 腕だけじゃ全然我慢できない、こうやって店長と……あ……うん、あったかい。 店長って大きいよね……体とかの意味じゃなくて、おっきくてあったかい人って意味。 そういう人といるとね、こっちもあったかくなるんだ。 ずっと隣にいて欲しい、そんなふうに思える人と。 ねえ、私の鼓動聞こえる? ドキドキしとらんでしょ? これは店長にドキドキしとらんからじゃないの、店長といると安心できるからなの。 こうしてると、店長の鼓動が良く聞こえるよ。 速くて、私に、私にそう思ってくれとるんだってわかってすごくうれしいんだ。 このまま世界が終わっちゃっても、私は全然かまわない。 だって好きな人とずっといられることになるんだで。 ……ねえ店長、私ね、こうしているのが今までで一番幸せ。 そんなに長く生きてないだろって言うかもしれんけど、きっと店長と出会えたのが一番の幸せだったって思うんだわ。 ……あ、気付いた? そうだよ、夏希じゃなくて、私は…明日梨のほう良く分かったね? 最近少しは距離縮められたから、思い切って…大胆なこと、してみちゃったんだけどてっきり、夏希だって勘違いされると思っとった…そっか。 私のこと、良く見てくれとるんだ……私も、だよ。 私も店長のこと、良く見とるバイトしとる時も。 そうじゃない時も、気が付いたら、店長のこと目で追っとって…好きって、気付いたんだ……私、店長のこと、大好き夏希よりも、ずっと、ずぅっと…好き…ほんとは、もっと早く、伝えたかったのに。 全然、告白する勇気が持てんくて…店長と夏希が、ああいうことしんかったら、こうして言葉にできとらんかった…ほんと、ダメだよね…自分でも分かっとるのに、上手く話せなくて…夏希が店長と仲良くなって、距離を縮めてくれたで、こうして今、話せとると思う…ちょっと、最初が大胆すぎてまったけど。 でも、やっぱり最後の最後には自分の言葉でいいたかったんだ。 夏希がやるって言ってくれたけど、ううん、これだけは私が自分でやらなあかんの。 どう、だったかな? 私の気持ち、通じてくれたかな? …まだ、恥ずかしくて…。 あんまり大きな声じゃ、言えないけど…その分、ずっと近くで…誰よりも近いところで、好きって…。 大好きって、言いたい私の気持ちで、私だけの声で……好き。 大好き、だよ…こんな私のこと、受け入れて…くれる? …ぁ。 嬉しい…すっごく嬉しい…ん…ちゅっふふ。 その…夏希とは、色々しちゃったかもしれんけど…私とは…まだしてないこと、たくさん…あるでこれからも、いっぱい初めてのこと、していきたいな良い…よね? ふふ、ありがと、店長…だーい好きっ