Track 5

マスター、リラックス出来てますか?

【ニィナ】ふぅ……ようやく引っ越し作業も終わりな感じですね。 前の家と比べると、少し狭くなっちゃいましたけど……これはこれで住みやすいと思います。 い、いえっ!そんな謝らないでくださいマスター。 元はと言えば私のせいなんですから。 それに……。 私は今でも十分すぎるほど、幸せなんです。 …私は、マスターと一緒に居れば、場所なんてどこでも……えへへへ。 前の家も素敵でしたけど、ここもこれから素敵になっていくんです。 私はそう、思ってますよ? ふふふ。 あ、そういえば…冒険者ギルドでのお仕事は……どうですか? 登録? とかいろいろ事務作業が必要って言ってましたけど…。 なるほど……本格的には明日から、って感じなんですね。 引っ越したばかりで今日までバタバタしてましたからねー。 マスターも頑張って動いてましたし……疲れが溜まっているのではないですか? ふふふ、やっぱり。 お疲れ様です。 大活躍でしたからねー。 あっ……そうだ、それでしたら……前みたいにマッサージしましょうか? あ、でも……あれの方が、いいかも。 えへへ、マスター? ひとつしてみたいことがあります。 マッサージもいいんですけど、ちょっと変わったことをしようと思いまして…。 マスターは耳かき、ってしたことありますか? そうなんですか。 では、少しご説明させて頂きますね。 私たち獣人の耳というのは生活していく上で、すっごく大切な器官なんです。 ですから、耳のお手入れとして、穴の中をお掃除することも多いんですよ。 人間の間では地域的にやったり、やらなかったりするところもあるらしいですね。 それで、ですねー……。 この耳かきというのが、すーっごく気持ちいいんです。 サッパリもしますし、癒しの効果もあるということで……。 マスターも一度、体験してみませんか? やったっ……。 こほんっ……。 実はですねー。 私、近所の人にもよくしてあげていたので評判良かったんですよ。 ふふふ。 期待しててくださいねっ。 では、どこか寝転がれるところ……そうですね。 ベッドに行きましょうか。 【ニィナ】そうですそうです、こんな感じで大丈夫。 ばっちりです。 膝枕をした方が、耳の中がよく見えるのでやりやすくなるんですよー。 寝辛かったりしませんか? 硬かったりとか、しませんかね? あっ……私の太もも、柔らかいんですね。 褒めてくれて、ありがとうございます。 ……少し照れ臭いかもしれませんね…。 ふふふ、でも大丈夫です。 私がマスターのお耳の中、ちゃんと綺麗にしますから。 最初は少し慣れないかもしれません。 動くと耳の中を傷つけちゃうと危ないので、リラックスしてくださいね。 リラックスですよ? リラックス、ふふふ。 …どうでしょう? 痛かったり、してませんか? 大丈夫そうですね……よかった。 ふーっ…。 きもち、いいですか? …少し、お体が、ビクビクって、しちゃってますね…。 ふーっ…。 ふふっ、やっぱりくすぐったいですか? …気持ちよくできているのなら、よかったです。 あんまり役に立たない特技でしたけど…こうして、マスターに気持ちいいって言ってもらえるなら…ふふふっ。 もうちょっとで終わりますので…。 …よしっ、では仕上げ、しますね。 私のしっぽのふわふわのところを使って、細かい耳垢を払っていきますね。 少しくすぐったいと思いますが、我慢してくださいねー。 ふわふわしてて、きもちいいですか? えへへ、自慢の毛並み、ですよー。 (これで、こっちは終わりです。 次は、反対側ですね。 右耳が見えるように体勢を変えてもらっても、いいですか? 【ニィナ】あっ……こっち向いちゃうんですね…。 お腹をあまりじぃっと見られると、私も少し、恥ずかしいかも……ですが…。 だ、大丈夫です。 このままで……大丈夫、ですから。 …右のお耳も、お掃除…しますね? …ふーっ。 んぅ……ふふふっ、マスター? 太もも、ちょっとくすぐったいです。 危ないので、じっとしていてくださいね? …マスターが傷ついちゃうの、嫌なので……マスターのお顔を見ていると、すっごく気持ちよさそうにしてくれてるのが、嬉しいです。 もう少しで、終わりますからねー。 ふーっ……え? 膝枕の感触を、もっと……ですか? うぅ……恥ずかしいですけど、それはお耳のお掃除が終わってからなら、いいですよ…。 …マスターが、満足するまで、す、スリスリ…してください…。 じゃあ、こっちもしっぽで仕上げ、ですね。 ふふ、すごく気持ちよさそうなお顔してますね。 耳かき、気に入ってもらえたみたいで、よかったです。 (仕上げは……。 ふーーっ……。 ……どうでしたか? 満足して、もらえました? ちゃんと癒し効果も体験してもらえましたか? えへへ、すっごく眠そうなお顔してますよ? リラックスできたみたいで、よかったです。 お耳のお掃除、終わりましたよ……? す、スリスリ……しますか? 【ニィナ】わっ……。 ど、どうしたんですか? いきなり抱き着いてきたりして……。 なるほど……この体勢がマスターのお好みなんですね……。 いいですよ……ま、マスターのお願いなら、私は喜んで、お受けします。 …こんなに膝枕を気に入っていただけるなんて……。 ふふふっ。 このまま寝ちゃっても、大丈夫ですからね。 ……ここ数日は、忙しかったですからねぇ……。 新しい街に来て、引っ越し作業以外にも、走り回ってましたから……。 マスター。 本当に、ありがとうございます……。 こんなにやさしくて温かい日々があるなんて、マスターに会う前の私は、想像すらできてませんでした。 ……あれ……? 寝ちゃいましたか? マスター……大好き、大好きですよ……。 ふふふ、良い夢を見ててくれるといいなぁ……。