ゆっくりと二人で探しましょうね? マスター
【ニィナ】えへへ~……。
あぁ、ごめんなさい。
嬉しくてつい呆けちゃってました。
だってマスターと一緒に並んで、街を歩ける日なんてくると思ってなかったから…。
えへへ、これからはいつでもできますね。
こんな風に、手を繋ぎながら…手を、繋いで…。
い、いぇっ!ごめんなさいっ…。
その、手を繋ぎながら、一緒に歩いてると……その…。
恋人……みたいだなぁ……って思っちゃって…。
ま、マスターは他の人に、そんな風に見られても、平気なんですか…?
その、私なんかと……。
うぇっ……。
あのっ…えっと……そのっ!……あ、ありがとう、ございます…。
…ふふっ、そっか……。
あっ……そういえば、マスター?
今日は私を連れていきたいところがあるんですよね?
…それって、どこなんでしょう…?
もうすぐ?
目的地なんですね。
……あ。
ここって……お洋服屋さん、ですかね…?
わぁ……すごい、きれいで、可愛い服がいっぱい…。
ここが、マスターが、私を連れてきたかったところ、なんですか?
そっか……そう、なんですね。
…ということは、マスターがお洋服を選んでくれるんですか?
…なるほど。
サイズも好みも分からないから、私に選んでほしいと…。
わ、私は、マスターの選んでくれたものなら…なんでも、いいんですけど…。
でも…本当に、良いんですか?
…あ、そう…ですね。
せっかく、ここまで来ましたし。
確かに、出かける前にその話をされていたら、遠慮して断っていたと思います…マスターのお気持ち、本当に嬉しいですその…なので、私だけじゃなくて。
マスターが気に入るような、か、可愛いお洋服…選んじゃいますねでも、マスター?
私に丸投げはダメですからね?
ちゃんとマスターも選んでくださいっ。
その、わ、私が……ちゃんと、可愛いって思われるお洋服を…。
だから……ゆっくりと二人で探しましょうね?
マスター?
ふふふっ。
【ニィナ】わぁ……これ、すっごく素敵ですねっ!どうでしょう、似合いますか?
似合い…ますかね?
むぅ……さっきからマスター、同じことしか言ってないですよ?
あ…もしかして、疲れてきちゃいましたか?
すみません、ついはしゃいでしまって……あっ……。
ぜ、全部可愛いとか…そんな、嬉しいですけど、恥ずかしい…です……いえっ、全然イヤじゃないですよっむしろ、もっと言ってほしいと言いますか、マスターがいいって言うならなんでも着ちゃいますけど。
あぅぅ…。
…私、何を口走ってっ……。
い、今のはそのぅ…忘れてください…お願い、します…。
……はい、大丈夫、大丈夫です。
こほん。
それで、ですね……。
マスターはどれがお好みなんですか?
私的には生地は硬めのよりも、柔らかめの方が好きですし……どちらかというと窮屈なのは苦手で…。
動きやすいのがいいなぁ……とか思ったりもします。
あとしっぽもあるので、スカートの方が、着やすいですね。
あっ……それ……かわいい…。
ど、どうですかね?
…ちゃんと、可愛く見えます?
あ、ありがとうございますっ…。
え?
試着もできるんですか?
だったら、これ着てみようかな…。
はいっ!では、行ってきますね。
マスターは少し、待っててくださいね。
ふふっ…。
ありがとう、ございます……。
【ニィナ】わぁ……すごい……これが、私…?
マスターにも、見せなきゃ…。
じゅ、準備できたので……開けまーす。
ど、どうでしょうか?
変じゃない、ですよね?
私としては、その……なかなか可愛いと思うのですが…。
…ええと、なんで…何も言ってくれないんですかっ…!…うっ……。
そ、そういう言い方は……ズルいですよぉ…。
でも……マスターが可愛いって思ってくれるのなら、私は……それが一番です。
えへへへへ……。
じゃあ、マスター?
私は、このお洋服が欲しいです。
…これが、一番、いいです…。
…いえ、お洋服はこれだけで大丈夫です。
家の中では、マスターが初めてくれた、あの服もありますし。
結構お気に入りなんですよ?
ふふふっ。
私の大事なもののひとつ、です。
それに…い、いえっ!やっぱり良いです、これはさすがに……言えない…。
…うぅ、そんなに、聞きたい、ですか?
では、話しますけど…。
一度にいくつも買っちゃうと、お金が掛かっちゃいますし…それ以外にも……ですね…。
…次にマスターと…… 一緒に出掛ける機会が、減っちゃうじゃないですか…一緒に並んで歩いて、私の服をマスターが選んでくれる。
今日のことは一生の宝物になるくらい、私は今、幸せ…なんです。
だから、その…また一緒に来たいなぁ…って思っちゃって。
…マスターもですか?
そうですか……ふふ、嬉しい、です……。
…ふふ、また一緒にお買い物。
楽しみ、ですね……。
……あ、お会計、ですね。
すぐに脱ぎますから……。
…このままでも、大丈夫なんですか?
なるほど、着て帰っちゃうこともできるんですね。
だったら、可愛い格好のまま、マスターと手を繋いで街を歩けますね。
えへへっ。
…さ、行きましょうか。
マスターっ【ニィナ】えへへへ~……。
だって、しょうがないじゃないですか…可愛いお洋服着て、マスターと手を繋ぎながら街を歩けるんですよ?
…お顔、にやけちゃいます………それに結局、お洋服の他にもエプロンとか、色々買ってもらっちゃいましたし。
ふふっ。
……本当に、幸せ……。
全部、マスターのおかげです。
やさしいあなたに出会えたことが、私の今までの人生で一番の幸せだと思います。
…これからの方が、もっと幸せに…なれるんですか?
それはすごく欲張りな感じがしますけど…。
本当に、良いん…ですよね…?
…あ。
えへへ本当に、ありがとうございます。
マスター。
ん……ちゅっ…。
えへへ…。
ま、マスターのほっぺに…感謝のしるし、です。