温泉に入れるなんて楽しみです!
【ニィナ】この辺りらしいんですけど……見当たりませんねぇ。
大通りからも少し歩きましたし、人も少なくなってきてますよね…?
ということは…もうすぐかもしれませんね!。
あ、はい。
実は、ワクワクしちゃってます温泉なんて、ずいぶん入っていないですし……それに、日頃のマスターの疲れを癒す意味でも、温泉はぴったりですから…えへへ。
楽しみ、ですね…って、あれ?
あの看板が、そうですよね?
見えてきましたよっ、マスター…わぁ、温泉って書いてますね!見てください、マスター!ちゃんとここに“混浴温泉”って!……え?
混浴……?
あ、あれ……?
えーーーーーーーー!【ニィナ】ま、マスター……?
もう、入ってますかぁ?
あ、も、もう居るんですね。
……すぐ、行きますっ!【ニィナ】お、お待たせしました……。
……あぅぅ……そ、そんなに、見ないでください。
タオルでは隠していますけど、じっくり見られると、やっぱり恥ずかしいです……。
あ……た、確かにそうですね。
今は私たち二人しかお客さんが居ないと、受付の人も言ってましたし。
貸し切りって考えたら、楽しまないと、ちょっともったいないですね。
では……のんびりお湯に浸かっちゃいましょう【ニィナ】あぁぁ…気持ちいい……ですねぇ。
すごく温かい……ふぅ……。
ですねぇ……来れて、よかったです。
マスター……連れてきてくれて、ありがとうございます。
はぁ……これは……沁み渡りますね……ふぅ…。
ぶくぶくぶくぶく……。
えへへへへ……癖になっちゃいそうです。
マスターは、こういうところはよく来てるんですか?
え?
そうなんですか?
じゃあ、なんで、今日は来ようと思ったんです?
…あ、そうだったんですね。
確かに、私はすごく行きたいなぁーって思ってましたけど……。
えー……。
態度にはそんなに、出てなかったと、思うんですが……。
…もう、マスターには隠し事できないかもしれませんね……ふふふ。
あ、体を洗いに行くんですね。
……そう、ですか……。
いえ、その……ま、マスター?
お願いがあるのですが、聞いてくれますか?
あの……私、マスターのお背中を流したいです。
…実はずーっと考えていたことでもあって、ですね。
初めて会ったときのこと、覚えてますか?
あの日、マスターが私の体を、綺麗にしてくれたことがあったじゃないですか?
あのときの、お返しがしたくて……ですね。
ダメ、でしょうか?
えへへ……ありがとうございます。
では、湯船の縁に座って貰っていいですか?
【ニィナ】はい、ありがとうございますでは、始めますね。
まず、お体の方にお湯をかけていきます。
実は石鹸を持ってきてまして、それを使っていきますね。
洗うのは……手でしますはい、手で……やります。
こ、こっちの方が、満遍なくできるんですよぉ。
くすぐったかったら、すぐに言ってくださいね。
じゃ、じゃあ…洗っていきます。
あっ……やっぱり……マスターのお背中、大きいですね。
勇者様ですから、鍛えてるのは当たり前なんだろうなぁとは思いますけど……。
やっぱり筋肉質で、ガッチリしているお体は、なんというかその……すごいですね。
ふぅ……。
ふふふ、気持ちいいですか?
肩とか、背中が特に凝っているのが分かります。
手で洗うと、ついでにマッサージもできちゃうんですマスターの疲れが、少しでもなくなりますように…ん…しょ。
では、お湯で流していきますねー。
次は頭を洗っていきます。
目をつぶっていてくださいねこっちも、よーく泡立てて、と……。
かゆいところとかあったら、遠慮なくいってくださいねー。
ふふふっ。
ふぅ…… 一度お湯で流しますね。
あぁ、でも、それで終わりではないので、少しだけ目を開けるのは待ってもらえますか?
お湯をはってから……この黄色い果実を……絞って……くぅっ。
……よし、あとは、このお湯をマスターの髪に……っと。
あ、マスター、気になるかもしれませんが、今目を開けるとすっごく染みると思うので、ぎゅって目をつぶっていてください。
頭をマッサージしながら、髪になじませていきますね。
今、マスターの頭に掛けたのは柑橘系の黄色い果実です。
石鹸だけで洗うと、髪がどうしてもギシギシするので、それを直す効果があります。
爽やかな香りなので、リフレッシュ効果もあるんですよー。
えへへへ、マスターが喜んでくれると思って、ちょっと準備してきてたんです。
これで、髪がさらさらになりますよ…ん、しょ…ごし、ごし…はいっ、おしまいですっ。
最後はまたお湯で流していきますね。
どうでしょう?
さっぱりしましたか?
ふふふっ、気に入ってもらえたみたいで、私も嬉しいです。
え!わ、私は洗わなくていいですっ!これは、マスターへのお返しなんですから……。
それにほら、もう一回、もう一回温泉に入りたいです。
ね?
そうしましょう?
マスター?
あー、そうですね。
ずっと入っていたら、のぼせてしまうかも……。
そうしたら……近くの草原なんかを歩いて涼んで行きましょうか?
ふふふっ、そうですね。
のぼせなくても、行ってましょうか。
マスターと一緒なら、私はなんだっていいみたいです。
ふふふっ。
じゃあ……もう一度、二人で温泉に入りましょう。