Track 2

耳かきしながら癒やし・甘やかしボイス

 はい、どうぞ。お膝に頭、乗っけて。  ふふ……。ホント、久しぶりだなぁ。この感じ……。昔はよく耳かき、してあげたもんね。  さてさて、数年ぶりのお兄ちゃんのお耳は~……うわ、やっぱり。だいぶ垢、溜まっちゃってる。  一人だと耳かきって大変そうだもんね。  だけど、私が来たからにはもう大丈夫。これ、全部取ってあげるからね。  じゃ、始めるね。ん……。  どう? お兄ちゃん。久しぶりだけど、くすぐったくない?  ……平気? ん、ありがとう。じゃ、このまま続けるね。  そうだ……。ねえ、お兄ちゃん。耳かきしてる間に、ちょっとお話しさせて。いろいろ聞きたいこととかあるんだ。  ん~、そうだなぁ……。まずは……生活全般かな。何か、悩みとかない? 苦労してることとか……大変だってこととか……。  聞いたからって、私に何ができるか、わからないけど……話すだけでも、スッキリすると思うから。  ……うん。……うん、うん……。そう、そうなんだ……。そっか……。  やっぱり、一人で生きていくのって難しいんだね。一人暮らしって、自由みたいなイメージ強いけど……大変なこともいっぱいあるよね。  ふふ……。すごいね、お兄ちゃんって。そんな大変なこと、今まで黙って全部、やってきたんだもんね。  嫌なこととか、苦しいこととか、いろいろとあったんだろうけど……そういうこと全部隠して、全然連絡してこないで……。  さびしいって思ってたけど……お兄ちゃんなりに、考えてくれてたのかな。ごめんね。ありがとう、お兄ちゃん。  だけど……でもね。私、やっぱり……お兄ちゃんの力になりたいな。  どんな些細なことでもいいから。こうやって、私一人で行き来ぐらいできるから。だから……私のこと、もう少し頼って欲しいな。  私の方も忙しくて、何もできなかったりするかもしれないけど……それでも、お話しして励ますことぐらい、出来ると思うから。  だから、次からはお願いね。お兄ちゃん。ふふふ……。  ん……。なんて、お話ししてる間に、全部取れたみたいだよ。あ、待って、まだ動かないで。  最後はふわふわの梵天で、細かいの取っちゃうから。ほら……。  ん……。はい、これでおしまい。じゃ、今度こそ頭、反対側向けてくれる?  はい、ありがとう。じゃ、始めるね。  ん~……こっちもいっぱいあるね~。ふふ、だけど逆にやる気出てきた。ふふふ。  じゃあ、次のお話は……さっきのはちょっと、重たい感じの話だったから、ちょっと明るい話しよっか。  ねえねえ、お兄ちゃん。こっちに来て、彼女とかできた? 誰かに告白されちゃったりとか、あったんじゃないの?  え?……ないの? 彼女、いないんだ……。あー……それは、その……なんか、ごめんね。  いやいや、でも、落ち込む必要なんかないよ? ああいうのって、運とかもあるしね。  じゃあ逆に、気になる人とか、いないの?  へぇ……いないんだ……。うーん……そういえばお兄ちゃん、昔っから、告白したとかされたとか、そういう話、あんまりなかったよね。  なんでかな……。お兄ちゃん、けっこうかっこいいし、モテないってことはないと思うんだけど。 性格に問題あるわけじゃないし……なんでだろうね。ふふふ。  ……ん? 私? 彼氏? あは、いないよ、そんなの。というか、必要ないかなぁ。  なんでって……。それは、だって……私には……。  っと、ちょっと待って、お兄ちゃん。ここ、でっかいのがある。ちょっと集中させて。ん~……。  んっ、く、く、くぅ……はい、取れた。うわぁ、おっきい~。あは、こういうの取れると、達成感あるよね~。ふふふ。  ん、これでちょうど最後だったみたい。じゃ、またまた梵天で、ふわふわ~。  はい、これでこっちもばっちりキレイ。ふふ、どうだった、久しぶりの耳かき。すっきりした?  ふふふ、それならよかった。それじゃあ……ねえ、お兄ちゃん。耳かきのお礼……っていうわけじゃあないんだけど……一個、お願いがあるんだけど、いいかな?  あのね。その……添い寝とか、してくれないかな、って……。  ほ、ほら、昔……よくいっしょに、隣り合って寝たりしてたでしょ? その、それ、この間思い出しちゃって……そしたら、また、してほしくなっちゃって……。  どう、かな……?  ……いい? いいの? あは、ありがとう、お兄ちゃん。  じゃあ……ベッド、行こっか。ふふふ……。