Track 3

03_だからお姉様のお耳、綺麗にしなきゃ。

「うーん……ねえ、お姉様? 何度も聞いちゃって悪いなって思うんだけど……まだ理由がわからない? ん~、そっかぁ……分からないのかぁ……」 「それじゃあ……もう1回……キス、させてくれたら、もう1つヒントを教えてあげる」 「どうかな……キス、してもいい? それとも……お姉様が四葉にキス、してくれちゃうのかな? それだったら四葉、嬉しくなっちゃってヒントどころか答え、教えてあげちゃうんだけど……」 「……ふふっ、お姉様……身動きが取れなくて四葉にキス、出来ないよね。残念」 『ほら、そんなに嫌だったら……顔を背けるくらいは出来るよね、お姉様。嫌じゃないから、嬉しいから顔、背けないんだよね?』 「ちゅ……」 「はぁ……」 「ちゅ……ちゅ……ちゅ……」 「んっ……お姉様の唇、とっても柔らかくて、ちょっと興奮しちゃった……お姉様の唇の柔らかさ、もっと感じてたいな……」 「……ん? お姉様、難しい顔をしてどうしたの? 四葉のキス、あまり上手くなかった……?」 「あー……キスのドキドキで忘れちゃってた。ごめんね? ヒントを教えるんだったよね、ヒント、ヒント……じゃあ、大ヒント。お姉様がよく立ち寄るコンビニで、最近、変わったことがあったでしょ?」 「……ない? ないわけ、ないよね? 変わったこと、あったよね? 四葉がここまでしちゃうようなことが、あったよね?」 「あっ、お姉様のその顔、気がついた? さすがお姉様! ふふっ、なんだか嬉しい……」 「そう……そうだよ……あのコンビニにいる、眼鏡の大人しそうな店員の女……」 「地味で大人しそうな顔をしてるから、安全だと思ってたのに……」 「この前、お姉様がお会計をしたあと、あの店員、なんて言ったか覚えてる? 普段なら『有難う御座いました』って気の抜けた決まり文句を言うのに、あの日は『いつも有難う御座います』って言ったんだよ?」 「「いつも」だよ? 「い・つ・も」。四葉、これは大問題だと思うの。お姉様もそう思うよね?」 「……」 「……お姉様、それのどこが問題かわからないって顔してるけど……まさか本当にどこが問題だか分からないの……?」 「『いつも』ってことは、お姉様の顔を覚えて、認識してますってこと。もちろん、それだけならべつにいいの。お姉様はあのコンビニの常連なんだから、顔を覚えられて当然。でもね、わざわざ言う言葉を変えなくてもいいでしょ?」 「なぜ変えたのか。それはね、お姉様に自分のことを意識してほしいっていう、アピールだから」 「……ちょっと可愛いからって調子に乗って……あの女……」 「すぅ……はぁ……すぅ……はぁ……」 「それにね、そのときの店員の笑顔を見て、はっきりと確信したの。あの店員、お姉様に気があるなって」 「……そんなわけないって言いたそうな顔ね、お姉様。でも、お姉様はあの女にいつも笑顔で接してたでしょ?」 「誰にでも優しいお姉様からすれば当然のことだけど、ああいう地味な女はちょっと優しくしただけで、自分に気があるって勘違いしちゃう生き物なの。だから、お姉様は自分に惚れてるって完全に思いこんでるはずよ」 「ああいうタイプは、平然とした顔してても、頭の中は不潔な妄想でいっぱいに違いないわ。『いつもありがとうございます』って言葉は、『いつも妄想の中で好き放題させてくれてありがとうございます』って意味でもあるの。絶対そうなんだから」 「そんな下心丸出しの女にお姉様が優しく接する必要なんて、1ミリもない」 「お姉様が微笑む相手は、四葉だけでいいんだよ……?」 「お姉様……」 「……」 「はぁ……」 「正直、あの女のことは許せない。ものすごく許せないけど……あの女がお姉様に会うことなんて二度とないわけだし、冷静になって考えたら最後に良い思い出くらい良いかなって思えたの」 「だってほら……お姉様は……四葉だけのものだから。四葉のことだけが大好きだから。その笑顔は、四葉のものだから」 「ねえ、お姉様? 笑って? いつもみたいに、四葉に笑ってみせて?」 「……」 「どうしたの? 少し笑顔がぎこちないけど……」 「……あっ、笑えって言われて笑うの、難しいよね? ごめんね?」 「でも……そんなぎこちない笑顔のお姉様も素敵、だよ?」 「……」 「……ん? まだ納得してないって顔してるけど、どうしたの?」 「あぁ、そうそう、そうだね、すっかり忘れてた。お姉様をここに連れてきた理由は今言ったので全部だけど、リボンで動けなくしてる理由は言ってなかったね」 「その理由を面と向かって話すのは、ちょっと恥ずかしいんだけど……」 「お姉様がびっくりしてここから逃げ出そうとするかもしれないでしょ? そういうときに備えてた、っていうのは、もちろんあるよ」 「でもね、ほんとの理由は……その……知りたい? どうしても知りたい?」 『どうしても知りたいなら……もう、わかるよね?』 『従順なお姉様……好き……』 「ちゅ……ちゅっ……ちゅ……」 「はぁ……んっ、ちゅっ……はぁ、はぁ……だめ、止められない……んっ……ちゅっ……ちゅっ……」 「ちゅっ……んっ……はぁ……」 「ほら……お姉様? もっと……」 「ふふっ、ちょっと満足したから、教えてあげるね」 「お姉様を縛ってるほんとの理由は……お姉様のすべてを思うままにしたいから。お姉様の全てを、四葉だけのものにしたいから。笑った顔も、怒った顔も、悲しい顔も、もがき苦しんでる顔も、全部四葉だけのものにしたいから」 「お姉様を誰にも見せたくないし、誰にも触らせたくない。誰にも渡したくない。四葉だけが知るこの部屋にずうっと閉じ込めて、秘密にしておきたいの。四葉だけのお姉様にしたいの」 「だから、お姉様をこうやって……ふふっ」 「あぁ~、恥ずかしいぃ~。お姉様に告白したみたいですっごく、すっごくすっごく恥ずかしい」 「お姉様、心の中でちょっと笑ってるでしょ? む~。四葉は真剣なんだからね?」 「そんなお姉様には……」 『ぺろ』 「急に耳を舐められてびっくりした? ふふっ……」 「四葉、今からお姉様をペロペロして、綺麗にしてあげる」 「もちろん、お姉様は綺麗だよ? すっごく、すっごくすっごく綺麗……あの女の下品な言葉で汚されたでしょう? だから、その汚れを落とさなくちゃ」 「こうやって……れろ……四葉が、舐めて……れろ……汚れを、綺麗に……れろ……してあげる……れろ』 『お姉様、くすぐったい? でもだめ。下品な言葉で汚されたお耳を、綺麗にしなくちゃ』 『まずは、お姉様のお耳……れろ……しっかり、しっかりしっかり……れろ……綺麗にしてあげる……』 『あの女に……投げかけられた、汚らしい声なんか……れろ……忘れちゃうくらいに……全部……綺麗に……れろ……塗りつぶしてあげる……』 『お耳を、舌でなぞってるだけなのに……れろ……お姉様、ビクビク反応してる……そんなに、ゾクゾクする? ふふっ……敏感なお姉様、とってもかわいい……』 『ふふっ……もっと、ゾクゾクさせてあげたくなっちゃう……れろ……』 『四葉に舐められて……れろ……感じてるの? そうだとしたら……れろ……四葉、嬉しい……ちゅ……ちゅっ……んっ……』 『んっ……ちゅっ……はぁ、はぁ……お姉様がゾクゾクしてるの見て、四葉も興奮してきちゃった……全然、止めらんない……はぁ、はぁ……れろ……』 『もっと……れろ……もっとお姉様をゾクゾクさせたい……ちゅ……四葉が、もっと、してあげたい……れろ……はぁ、はぁ……』 『れろ……ぺろ……ちゅ……はぁ、はぁ、好き……れろ……大好き……』 『ちゅっ……れろ……ぺろ……お姉様、はぁ、はぁ、お姉様ぁ……れろ……はぁ、はぁ、好き……大好きっ……』 「はぁ、はぁ……ごめんね……夢中で耳を舐めちゃって。でも……興奮で、止められなくて……」 「でも、これでお姉様お耳、綺麗になったね。仕上げに……」 『ふぅ~』 「お姉様、次は反対のお耳を……あれ? お姉様、顔、そんなに真っ赤だったの? 耳を舐められただけで、そんなになっちゃうの?」 「はぁ……お姉様、かわいい……ちゅっ」 『反対のお耳も、四葉がちゃんと綺麗にしてあげる……んっ……ちゅっ……れろ……』 『れろ……んっ、ちゅ……お姉様、またビクビクしてる……かわいい……れろ……ちゅ……』 『耳を舐めただけでこんなになっちゃうんなら……ぺろ……耳以外のところを舐めたら……れろ……どうなっちゃうのかな……ふふっ……』 『ん? お姉様、耳以外のところも、舐めてほしいの……?』 『ふふっ、真っ赤になってるお姉様、かわいい……でも、先にこっちのお耳を綺麗にしないと。他のところを舐めて綺麗にするのは、そのあと……ね?』 『ぺろ……れろ……お姉様、さっきよりもビクビクしてる……れろ……もしかして、他のところを舐められるのを……ちゅ……想像したのかな?』 『ぺろ……お姉様がそんなにエッチだなんて、四葉、知らなかった……ちゅっ』 『お姉様、否定したいの? 違うって言いたいの? でも、お耳を舐められてるだけで、こんなに身体をビクビクさせて、こんなに顔を真っ赤にして……全然説得力ないよ?』 『はぁ……お姉様のそんな顔を見せられたら、四葉も我慢できなくなっちゃう……』 『はぁ、はぁ、ちゅっ……れろ……れろ……四葉、もっと、もっともっと……お姉様のこと、知りたい……四葉に、もっと教えて……お姉様の、淫らな顔……感じてる顔……ちゅ……れろ……』 『お姉様の頭の中……れろ……お耳を舐めてる音で、いっぱいにして……れろ……溢れさせて……れろ……とろけさせてあげる……』 『お姉様ぁ……んっ……ちゅ……れろ……はぁ、はぁ……お姉様が感じてる顔、すっごくいい……興奮しちゃう……はぁ、はぁ……』 『れろ……ぺろ……ちゅぱ……れろ……はぁ、はぁ、好き、お姉様、お姉様ぁ……れろ……ぺろ……四葉、舐めてるだけなのに、こんなに、身体が熱くなってる……れろ……ぺろ……』 『お姉様のお耳を舐めてるだけで、四葉、おかしくなっちゃいそう……はぁ、はぁ、お姉様……好き……大好き……』 『ふぅ~』 「はぁ、はぁ、はぁ……お耳の近くで大きな声、出しちゃうところだった……お姉様、びっくりしちゃうもんね……」 「四葉、お姉様のお耳だけじゃなく、もっといろんなところを綺麗にしたくなっちゃった……綺麗にしても、いいかな?」 「まさか……嫌、だなんて言わないよね? 四葉、お姉様が嫌だなんて言わないの、ちゃんと知ってるから。ふふっ」 『ね、お姉様? 四葉に綺麗にされるの……嫌って……言わないよね?』