Track 3

03_貴女はキス、大好きですものね。

『ふふふっ、やはり貴女は『キス』から求めてしまうのね。知っていたわ』 『『気持ちを盛り上げるには先ずキスから』、なんて、本当に可愛らしいんですから』 『それとも……ただただ私とのキスが心地良すぎて、キスを求めてしまうのかしら?』 『会えない時間も、私の事を沢山考えてくれている貴女には……ちゃんとご褒美をあげなければいけないわね』 『それでは……今日も……大好きよ、貴女』 「ちゅっ」 『ふふっ、貴女の唇……今日もとても温かいわ。とても柔らかくて温かい』 『でも……私が温かいと感じたということは……貴女には私の唇、冷たく感じられていたりするのかしら?』 『ねえ、どうかしら? 私の唇は……温かい?』 「ちゅっ」 『それとも……冷たい?』 「ちゅっ」 『それとも……私と貴女、もう同じくらいの体温になってしまっているのかしら』 「ちゅっ」 『貴女と体温までお揃いになったら私……とても嬉しくなってしまうわ』 『私は嬉しくなるのだけれど……貴女はどうかしら……?』 「ちゅっ」 『ふふふ、言わなくても分かるでしょうと、そんな顔をしてもダメよ? ちゃんと……私に言葉で伝えて?』 『ねえ? 私とのキスは……嬉しくなってしまう?』 「ちゅっ」 『ほら、貴女の気持ちを、貴女の言葉で聞かせて下さい?』 『ねえ、あ・な・た』 『ふふっ、言葉にしなくても伝わっているとはいっても、やはり貴女の口から言葉として聞くと……嬉しくなってしまうわ』 『私も……貴女とのキスは……とても嬉しくなってしまうし、幸福感に包まれてしまうの』 『だから……今夜も沢山……幸福感に包まれてしまいましょう?』 『ねえ、貴女♪』 『キスって……本当に気持ち良いものね。私……キスするの、とても好きよ?』 「……」 『……あら、少し難しい顔をして……何か気にでも障ってしまったのかしら?』 「……」 『ふふっ、大丈夫よ? 『貴女とキスをするのが大好き』、なのですから』 『キスがこんなに大好きになったのも、キスの心地良さを教えてくれたのも……貴女なんですから』 『だから……安心してください、貴女』 「……」 『……でも、ヤキモチを妬いている表情も……ほんのちょっとだけ、可愛らしいと思ってしまいました』 『可愛らしくて愛おしく思えて……仕方ないわ』 「……貴女」 『……ねえ、貴女? 貴女はこんなに軽いキスで……満足かしら?』 『私は……貴女と触れ合えれば満足なのだけれど……ふふっ、貴女はそうでもなさそうね』 「……」 『良いわ。もっともっと……お互いを確かめ合いましょう?』 『……大好きよ、貴女』 『……今日も貴女のお口の中……とても温かいわ。とても温かい』 『ねえ、私の口の中は……温かい? ちゃんと貴女にも私の温かさ、伝わっているかしら?』 『私の口の中の体温、ちゃんと確認して。貴女』 『ふふっ、貴女のお口の中、更に温かくなった気がするの』 『私とキスをして……そんなにドキドキしてしまったのかしら?』 『私もとてもドキドキしているの。だから……きっと私の口の中も……とても温かくなっていると思うわ』 『こんな風に舌を絡ませて唾液を混じり合わせていたら……そのうち貴女と心も身体も交じり合ってしまうような、そんな錯覚を覚えの』 『本当に貴女と交じり合って溶け合えることなんて不可能だと知っているけれど、それでも――』 『少しでも貴女と溶け合えて、交じり合えたら嬉しいわ』 『だから、少しでも交じり合えるように……もっともっとキスを……』 『ふふっ、舌を絡ませるキスなんて……不潔でハシタナイことだと思っていたのに……こんなに心地よいことだったなんて……知らなかったわ』 『でも……きっと……貴女以外とだったらこんなに心地よいと感じないのでしょうね』 『……貴女』 『ねえ、貴女? 私も……貴女に心地良さを教えてあげられているかしら?』 『教えてくれた心地良さの半分でも、貴女も心地良く、なってくれているかしら?』 『ふふっ、溶けてしまいそうなお顔ね。そんなお顔をしてくれるなんて……きっと心地、良いのかしら?』 『ねえ、貴女? 貴女を見ていたらちゃんと気持ち、伝わってくるんだけれど……それでも私は言葉で聴きたいの』 『私とのキスは……心地、良いかしら?』 『心も身体も、溶けてしまいそうになってくれているかしら?』 『教えて下さい? あ・な・た』 『ふふっ、ちゃんと教えてくれて嬉しいわ。あ・な・た』 『ちゃんと私、貴女の心も身体も溶かしてあげられているのね』 『お風呂に入ったばかりなのに……貴女のせいで身体が熱くなってきてしまったわ』 『貴女も……身体をぽかぽかさせて、汗までかいて……可愛いんだから』 『でも……これ以上胸を高鳴らせてしまったらふたりとも汗をかいてしまうわね。そしたらまたお風呂に入らなきゃいけなくなってしまうわ』 『それも面倒だし……あまり興奮したりしないように、今日は大人しく寝てしまおうかしら』 『……なんて、こんなにドキドキしているのに私、我慢なんて出来ないの』 『ふふっ、貴女も……そうでしょう?』 『こんなに溶けてしまうようなキスをしておいて……やめてしまうなんて勿体無いわ』 『ねえ、貴女? それじゃあ……もっともっと貴女を溶かしてあげるわ』 『たっぷりと、私のことしか考えられなくなるくらいに』