Track 4

Track4 うらごしごしごしきんとんづくり

;環境音 キッチン、お湯がしゅんしゅん(F.I) ;SE ボウルの芋をすりつぶし(継続) ;3/右 【夏葉】「ごりごり、ぐりぐり──(呼吸音)(呼吸音) ごんごん、ごつごつ──(呼吸音)(呼吸音) ボールのお芋を──(呼吸音)(呼吸音) 叩いて~つぶして~──(呼吸音)(呼吸音)」 【夏葉】「なめらかに、なめらかに──(呼吸音)(呼吸音) なるように、なるように──(呼吸音)(呼吸音) めだってるのを、ごんごん、ごりごり──(呼吸音)(呼吸音) たたいて、つぶし、て──(呼吸音)(呼吸音)」 【夏葉】「あらかた、かたちが──(呼吸音)(呼吸音) なくなってきたら──(呼吸音)(呼吸音) ねりねり、ねって──(呼吸音)(呼吸音) こねこね、こねて──(呼吸音)(呼吸音)」 【夏葉】「ん……(呼吸音)(呼吸音) ……(呼吸音)(呼吸音) もちょっと──(呼吸音)(呼吸音) こねた、ら──(呼吸音)(呼吸音)」 ;SE stop 【夏葉】「こんなもんかなー。茹でたのじゃなくって、焼いたお芋だから結構ざらざら残ってるような気もするけど。 どだろ。ん、っと──あ、もう結構さめてる。それじゃあちょこっと、指でつまんで……ん──(ぱくっ)……あー、まだ全然なめらかじゃない気がする」 【夏葉】「おにいちゃんも味見してみる? もしするなら、はい。『あーーーん』」 【夏葉】「(くすぐったい呼吸*3)──んっ。ね、どーお? やっぱりまだざらざら結構残ってるよね。 夏葉、もっとなめらかじゃないときんとんぽくなくってヤなんだけど……」 【夏葉】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)──うん。やっぱり裏ごししようっと。 おにいちゃんも夏葉も、すみちゃんのきんとんで育ってるもんね。 半端なのだと、おいしいよりも『ん?』っていうのが先にきちゃうよねー」 【夏葉】「(呼吸音)(呼吸音)──って、あ。いまの味見、全然吐き気とかしなかった。 えへへ、やっぱりきんとんになると、懐かしい感じがするからかも。 まだまだ全然及ばないけど、すみちゃんの味って、夏葉の体、安心してくれたのかも──あ」 【夏葉】「(幸せな呼吸 *4)……ね。おにいちゃん」 ;3/右 接近囁き “ふふふっ”で →;3/右 【夏葉】「いまね? 赤ちゃんも、『もっときんとんたべたいよー』って。ふふふっ!」 ;3/右 顔を自分のおなかに 【夏葉】「はいはい。ちょっとだけまっててね。いまの味見よりずーっとなめらかでおいしいきんとん。 夏葉……じゃ、ないや」 【夏葉】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)──おかあさん。つくって、食べさせてあげるから」 ;3/右(通常) 【夏葉】「あははっ! なーんて、ちょっとだけ気が早すぎたかな。(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)──ん。だよね。 早すぎじゃないよね。赤ちゃん、まだ産まれてないだけで、おなかにいて──」 ;3/右 接近囁き 【夏葉】「夏葉、もうおかあさんなんだよね」 ;$=SE=ふるいを鍋に乗せる ;3/右 【夏葉】「──! よーし、おかあさんがんばっちゃうぞー!!! まずは裏ごし!! $ふるいをお鍋の上に乗せて、っと」 ;SE ボウルの芋を木べらで端に 【夏葉】「そしたら今潰したおいもさんを~ 木べらではしっこにかきよせて~」 ;SE ボウルの芋をふるいの上に 【夏葉】「ふるいの上に、どんどん乗せて──(呼吸音)(呼吸音) 乗せてって──(呼吸音)(呼吸音)── 端っこに、くっついてるのも──(呼吸音)(呼吸音)── ぜんぶ、のこさ、ず──ん──(呼吸音)(呼吸音)」 ;SE 木べらについてるのを、ふるいの端でこそげおとす 【夏葉】「木べらにくっついちゃったのも──(呼吸音)(呼吸音)── ふるいの端で──(呼吸音)(呼吸音)── こそげ──(呼吸音)──おとし、て──(呼吸音)──うん!」 ;裏ごし(継続) 【夏葉】「ここまで、きたら──(呼吸音)(呼吸音) 木べらで、ごしごし──(呼吸音)(呼吸音) お芋をこすって──(呼吸音)──こすって、こすって──(呼吸音) おなべに、落として──(呼吸音)──いく、だけで──(呼吸音)」 【夏葉】「いくだけ──(呼吸音)(呼吸音) だけ──ど──(呼吸音)(呼吸音) これが、なかなか──(呼吸音)(呼吸音) 面倒、で──(呼吸音)(呼吸音)」 【夏葉】「ん……(呼吸音)(呼吸音) もちょっと──(呼吸音)(呼吸音) あとは、端っこ──(呼吸音)(呼吸音) きっちり、やって──(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)──うん」 【夏葉】「ふあー、うらごしとっても面倒ー。 すみちゃんがやってるの見るとひょいひょいすいすいーって感じなのに──あっ!」 【夏葉】「そういえばすみちゃん言ってた! 『裏ごしは熱いうちに、材料が粘らぬうちにじゃぞ、夏葉』って……。 そーだった、夏葉すっかりわすれちゃってた~!」 【夏葉】「だったら……(呼吸音)(呼吸音)──だよね。 一回潰したら、そこで冷めるし粘りが出ちゃうもんね。 焼きたてのをそのままフルイに乗せて木べらでごりごり裏ごししちゃえば、 きっとその方が楽だし美味しかったんだ~──や~ん、残念~~」 【夏葉】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)──あ。うん……──! そだね。 残念だけど、失敗じゃないよね。 だって、夏葉式裏ごししたきんとんだって……多分! えっへへ~、お味見お味見」 ;SE 指できんとんすくい取る 【夏葉】「んっと……(呼吸音)(呼吸音)──(ぱくっ!)──!! ん~! 指先でも舌先でもなめらか! あまくておいしい! 吐き気もしない!! さいっこー!!」 【夏葉】「ね! おにいちゃんも味見してして──んしょ──(呼吸音)(呼吸音)──っと。 はぁい──『あ~~~~~ん!』 (呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)──えっへへ~」 【夏葉】「ね? 最高でしょ? あまいでしょ? おいしいでしょお? (呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)──んふふ~! うれし。 夏葉、お料理毎日がんばってるもんねー! えらい!!」 【夏葉】「じゃあじゃあ、きんとんに合うおかず……鶏肉とごぼう買ってあるから、それを甘辛く煮付けて……あとはほうれん草の和え物もつくって、お味噌汁は──お味噌汁はおにいちゃんのリクエストでつくろっかなー。 冷蔵庫のなかにあるものなら、なんでもいーよ」 【夏葉】「あ、けど、まだちょっとだけ気が早いか。 もともと勉強の休憩のおやつにするつもりだったんだもんね、おいもさん」 【夏葉】「そしたらおにいちゃん。予定通りにお茶にしよ? このきんとんすっごくおいしいし──えへへ~!」 ;SE 夏葉立つ ;1/前 【夏葉】「ひと手間プラスで! 夏葉、おやつもつくっちゃうから!!」 ;環境音 F.O.