Track3 蒸気火熨斗も書けねばならぬの(スチームアイロンASMRパート)
;環境音 和室内 F.I.
;SE 急須からお茶を湯呑に。こぽこぽ
;9/前遠(ちゃぶ台はさんで向かい合わせ)
【すみ】「(ふーーっ)(ふーーーっ)……(こくっ、こくっ、こくっ)
ぷはぁ。集中を緩めたあとのお茶と――(あむっ)――♪」
【すみ】「(はむっ、もむっ、もきゅっ)――(ごくりっ)。
ああ、塩大福のあまじょっぱさとの取り合わせの、なんたる至極か!
とはいえ、お主のよもぎもちも大変に気になるの」
;SE 立ち上がり
;9/前遠→;2/右前→;3/右
【すみ】「そうじゃ、はんぶんこして食べようぞ。
(呼吸音)(呼吸音)――ふふっ、まずはわらわの塩大福の半分からじゃ――んしょ」
;$=SE まんじゅうを半分に
【すみ】「ほおれ、『あーーーーーーーーん』
(呼吸音)(呼吸音)――ふふふっ。あまじょっぱかろ? おいしかろ?」
【すみ】「なれば、今度はよもぎもちじゃの。
(呼吸音)(呼吸音)――
うむ! あーーーーーーーん~――(はむっ!)
(もきゅっ、もきゅ、もきゅっ――こくっ)
ふあああ! おいしい。よもぎの香りがぷうんと鼻の奥にひろがって、餡の甘さと奏でる響きの、なんとここちよいことか!」
;お茶飲む
【すみ】「(こくっ、こくっ、こくっ)――(満足の吐息)。
ああ、このままお昼寝してしまいたいようなこころもちじゃが――
むっ!」
;SE 立ち上がる
【すみ】「せっかく縫った袋たちを入園前にえみのおもちゃにされては困る。
不在のうちに蒸気火熨斗(じょうきひのし)をかけて、綺麗にしまっておかねばの」
【すみ】「(呼吸音)(呼吸音)――蒸気火熨斗とは、熱した平たい板から蒸気を吹き出させ、洗濯物などのシワを伸ばす――(呼吸音)(呼吸音)――ヨコモジで申すところの……なんといったか――(呼吸音)――ああ! “すちいむあいろん”じゃ」
【すみ】「しかし、“すちいむあいろん”は、言いづらい。
蒸気火熨斗の方がよほどここちよく舌に乗る。
『赤蒸気火熨斗 青蒸気火熨斗 黄蒸気火熨斗』――これならすらすら口にできるが……」
【すみ】「『赤すちいみゅ』――はうっ。もうダメじゃ。
まことヨコモジはわらわの口になじまぬの。
っと! 雑談は、火熨斗をかけながらでもできる。
休憩もしたし――うむ、やってしまうかの」
;SE 畳の上の足音→遠ざかる→戻ってくる→座る
;1/前
【すみ】「さて、と。また話しながら、ゆるゆるすすめてまいろうか」
;3/右
;$=SE 水注ぎ
【すみ】「なればまずは、蒸気火熨斗の注ぎ口をあけ、用意しておいた水を注いで――
$
(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――」
【すみ】「うむ。こちらはこれで通電させて温度をあげて、吹き出し口から蒸気がでてくるのを待てば良い」
;$=SE 霧吹きシュッシュ。まんべんなく
【すみ】「で、その間に、火熨斗をかける袋の方にも、霧吹きで――
$
(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――うむ!
全体がしっとりしたの。それに――」
;環境音にスチームを F.Iでプラス
【すみ】「蒸気火熨斗からも良い感じに蒸気が立ち上ってきた。
これで――(呼吸音)(呼吸音)――ふふっ」
【すみ】「蒸気火熨斗から蒸気が立ち上っているのに、霧吹きでわざわざ布を湿らす。二度手間に思えてしまうかもしれぬが、これにはきちんと理由がある」
;環境音のスチーム vol UP
【すみ】「この袋のクジラさんの布地は、綿。蒸気火熨斗から吹き出る蒸気は霧吹きの霧よりさらに細かいために、綿の間をすり抜けてしまう。
ゆえ――霧吹きをしてないほうの袋に――ああ」
【すみ】「火熨斗をするときには、これこのように、あて布をする習慣をつけてしまったほうがよい。
生地によっては、テカってしまうこともあるゆえ、その予防じゃ」
【すみ】「っと、試しがけをするのであったな。
では改めて。
湿らせてない方の袋に、試しにこうしてかけてみても――」
;SE スチームアイロンがけ
【すみ】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――ん……む――
(呼吸音)(呼吸音)――むぅ――」
【すみ】「このように、丁寧に力を入れたところでどうにも、今ひとつしあがりがスッキリしないことになる。じゃが――こう、して――」
;SE 霧吹きシュッシュ、丹念に
【すみ】「(呼吸音)(呼吸音)――丹念に、
(呼吸音)(呼吸音)――布地全部を、余すところなく――
(呼吸音)(呼吸音)――霧吹きの霧で――
(呼吸音)(呼吸音)――しっとり、させ、て――」
【すみ】「そこに火熨斗を、あて布をしてかけてやると――んっ――」
;SE スチームアイロンがけ
【すみ】「(呼吸音)(呼吸音)――の?
(呼吸音)(呼吸音)――このように、みるみる、と――
(呼吸音)(呼吸音)――綿の、布地が――
(呼吸音)(呼吸音)――綺麗に、伸び、て――」
;$=SE 指で布をなぜる
【すみ】「――っと。ふぅ。
ん……――うむ! 心地よい仕上がりじゃ。
の?
$
このように指で撫ぜても、まったくシワを感じられぬ。
火熨斗を使う以上は、こう仕上がらなくては気持ちが悪い」
【すみ】「……ふふっ、この程度のこと、家守のあやかしたるわらわにはできぬ方がおかしい話。
家の外ではほとんど役に立てる場面とてないわらわじゃからの。
その分も、家の中ではしかと働かねばじゃ!」
;$=SE 洗濯バサミで挟む *2
【すみ】「さてさて、綺麗に火熨斗をかけた袋はこうして――(呼吸音)――
端と端とを伸ばすようにして、挟んで――――
$
しわにならぬように伸ばして吊り下げておく。
吊り下げるのは、火熨斗で伝わった熱を冷ますためじゃ」
【すみ】「冷めたらくるくると丁寧に丸めて箱に詰め、
その箱をえみの手の届かぬところにしまう予定ではあるのじゃが、
熱があるうちに丸めてしまえば、妙なしわができてしまいやすくなるからの」
【すみ】「ゆえ、火熨斗をかけたものは、つりさげて冷ましてからたたむ。
これもまた、火熨斗かけを綺麗にしあげるための、要点じゃ」
【すみ】「ふふっ。なれば、残りの袋たちも綺麗に整えていってしまそうぞ。
まずは霧吹き」
;SE 霧吹き
【すみ】「(呼吸音)(呼吸音)――丹念に、丹念に――
(呼吸音)(呼吸音)――四隅もきちんと、湿らせ、て――
(呼吸音)(呼吸音)――全体にしっとり感が出るくらい――
(呼吸音)(呼吸音)――濡らして、濡らして――(呼吸音)――
うむ!」
【すみ】「濡らし終えたら乾かぬうちに、火熨斗がけじゃ。
あて布は常に忘れずに、で――」
【すみ】「(呼吸音)(呼吸音)――袋の、紐のところから――
(呼吸音)(呼吸音)――一直線に、まっすぐに――
(呼吸音)(呼吸音)――左手で、布を、引きつつ――
(呼吸音)(呼吸音)――火熨斗の先を、少し浮かせて――
(呼吸音)――うむっ!」
;$=SE 洗濯バサミで挟む *2
【すみ】「これでよし。この袋も
$
こうして――つるして――。
さてさて、どんどんまいろうぞ」
【すみ】「お主がよければ、霧吹きはお主にまかせたい。
分業できれば、その分余計に早く終わるからの。、
準備を全て終わらせたなら……そのあとは――」
;3/右 (耳打ち/囁き)
【すみ】「夫婦ふたりの時間になるゆえ……(色っぽい微笑)」
;1/前
【すみ】「そうと決まれば、もうひとがんばり!
ちゃきちゃき、なれど丁寧に、しっかりすませてしまおうぞ!!
――っ!!」
;SE スチームアイロン濡れた布にあてる、じゅわっ!
;環境音 F.O.