Track 5

Track5 すみの耳もみと耳かきと(右耳耳かきパート)

;1/前 【すみ】「ふあーーーーーーー! よー働いたの!!」 ;環境音 和室室内 F.I. 【すみ】「夕餉は……ううむ、今日は簡単なものですませよう。 いささか張り切りすぎてしもうた」 【すみ】「お主の話にときおり出てくる『出前』なるもの、わらわも一度は頼んでみたいの。 料理人さんがつくってくださったお料理を、電話ひとつで家まで運んできてもらえるとは──なんたる至極の楽しみであろうか!」 【すみ】「ものべのの山奥の家守妖怪たるわらわには……ふふっ、永遠に叶わぬことであるゆえ、余計に憧れてしまうのかもしれぬが」 【すみ】「……それはもちろん承知しておる。わらわの料理が、どんな料理人さんのお料理よりも、お主の口にあうことなれば。 が、それはわらわがお主の専門家であるというだけのこと」 【すみ】「世間いっぱん、百人、千人にもし食べ比べをしてもらうのなら、 やはり専門家──料理人さんのお料理の方が、わららのものよりずうっと多くの人に好まれるものであるに決まっておろう」 【すみ】「専門家とは、左様なものじゃ。 例えばさっきのズック洗い。 わらわでは落としきれぬような汚れも、洗濯狐のお紺殿ならば、綺麗に落とすことが叶う」 【すみ】「わらわがどれほどにこころをこめて牛乳と卵と氷と塩でアイスクリン手作りしたとて、えみが歓声をあげて選ぶのは、雪御嬢のゆき殿のゆずアイスクリンの方じゃ」 【すみ】「無論、医療のことにかけては有島診療所の尚武殿に任せる他は……あ──(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)」 【すみ】「と、申すかの? ほれ、今日はわらわが話し続けてしもうたがゆえ、お主も耳がつかれたであろ? ゆえ──さささ、わらわの膝にごろんとするがよい」 【すみ】「いや、急な話でもなんでもない。わらわはお主をいつでも全力でねぎらいたいと思うておるゆえ、不自然なことも、特別な理由なぞも、 まったくもってありはせぬ」 【すみ】「『有島ありすに診療所で施された耳もみがいかに心地よかったかをお主から聞かされ、対抗心と嫉妬心からわらわも耳もみの勉強をしたゆえその成果を披露したい!』などとは、わらわはほんの少しも思うておらぬからの! ──おっ」 ;3/右 (膝枕) 【すみ】「うふふ、頭を膝にあずけてくれて、うれしいぞ」 ;3/右 (耳打ち・囁き) 【すみ】「ありがとう、の──(頬にキス)」 ;3/右 【すみ】「なれば耳かきとまいろうか。 ちょうどたまたま偶然にも、わらわは耳もみの勉強を重ねたところであったゆえ── まずはその成果を試させてもらいたい」 【すみ】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)──うむ。 ではまいろうぞ。まずゆるゆる、耳たぶから──」 ;SE 耳マッサージ(継続) 【すみ】「親指と──(呼吸音)──人差し指とで──(呼吸音)── かるぅく挟んで──(呼吸音)(呼吸音)── もみもみ、もみもみ──(呼吸音)(呼吸音)── やわやわ、もみもみ──(呼吸音)(呼吸音)──」 【すみ】「ここちよかろう? (呼吸音)(呼吸音)──ふふ、 有島ありすに練習台になってもろうて──(呼吸音)(呼吸音) たくさん、練習──(呼吸音)(呼吸音)── したから、の──(呼吸音)(呼吸音)──」 【すみ】「ゆえ、このように──(呼吸音)(呼吸音)── 耳の、ふちも──(呼吸音)(呼吸音)── 上側、も──(呼吸音)(呼吸音)── ん……耳の、中の──(呼吸音)──ひらたい、部分も──(呼吸音)──」 【すみ】「ツボを、抑えて──(呼吸音)(呼吸音)── もみこみ、ことが──(呼吸音)(呼吸音)── できて、おろうかと──(呼吸音)(呼吸音)── 思うの、じゃが──(呼吸音)(呼吸音)──ん」 ;SE stop ;3/右 (耳打ち/囁き) 【すみ】「わらわはお主を、ここちよくほぐせておるのかの」 ;3/右 【すみ】「(しあわせしうな吐息)――ここちよいなら何よりじゃ 左様であらば、有島ありす直伝の―― しかしながら、わらわよりずっと手も指も大きく育ったありすや夏葉にはできぬ耳ほぐしをしてしんぜよう」 【すみ】「わらわのこの小さき手の、ひときわ細い小指ならではの。じゃ──」 ;SE 耳穴直接マッサージ(継続) ;耳栓状態になるので、ボイスにエフェクトお願いします 【すみ】「ほうれ、このように──(呼吸音)(呼吸音)── の、お耳の穴にやわらかぁな指をいれて──(呼吸音)(呼吸音)── 内から直接──(呼吸音)(呼吸音)── お主を、ほぐしてやれるのじゃ──」 【すみ】「(呼吸音)(呼吸音)──とは、もうせ── (呼吸音)(呼吸音)──お耳の、穴の── (呼吸音)(呼吸音)──内側、は── (呼吸音)(呼吸音)──ひどく、繊細なところゆえ──」 【すみ】「ん……長い、時間は──(呼吸音)(呼吸音)── 危ない、ゆえに──(呼吸音)(呼吸音)── ぐるりと、うちを──(呼吸音)(呼吸音)── 一周、ほぐして──(呼吸音)(呼吸音)──うむ」 ;SE stop 【すみ】「これでしまいじゃ。 ほぐれたか──(呼吸音)──と、聞くまでもないの。 お顔がとろんと、ゆるく、眠たそうになっておるぞ」 ;3/右 (耳打ち、囁き) →;3/右 【すみ】「眠たくなったら、いつでも寝てしもうてよいからの── ふふっ」 【すみ】「細かなチリは (ふっ!) いまの耳もみでくっついてきたゆえ、 あとは大きなものを耳かきで、じゃの」 【すみ】「なれば、参るぞ。浅いところにも、少しだけ……」 ;SE 耳かき(浅・継続) 【すみ】「ん……と──(呼吸音)(呼吸音)── これは──(呼吸音)(呼吸音)── ちょこちょこ、やれば──(呼吸音)(呼吸音)―― それだけで――(呼吸音)(呼吸音)」 【すみ】「いけそう、なのじゃが――(呼吸音)(呼吸音)―― ああ、もろいの――(呼吸音)(呼吸音)―― 慎重に、せねば――(呼吸音)(呼吸音)―― くずし、そう――(呼吸音)――じゃ――が――(呼吸音)――」 【すみ】「わらわ、とて――(呼吸音)(呼吸音)―― お主の、耳の――(呼吸音)(呼吸音)―― お主の、体の――(呼吸音)(呼吸音)―― 専門家、ゆえ――(呼吸音)(呼吸音)――うむ!」 ;SE stop ;SE ティッシュで耳かき拭き ;3/右 (ふきかけ) 【すみ】「(ふーーーーーっ、ふっ! ふっ!!)」 ;3/右 【すみ】「よしよし。うまく運べたの。なれば今度は、深いところじゃ」 ;SE 耳かき(深・継続) 【すみ】「深い、ところは――(呼吸音)(呼吸音)―― 大物、が――(呼吸音)(呼吸音)―― 少し、たまって――(呼吸音)(呼吸音)―― お掃除、しがい――(呼吸音)――結構、あるの――(呼吸音)――」 【すみ】「じゃが、これとても――(呼吸音)(呼吸音)―― わらわに、かかれば――(呼吸音)(呼吸音)―― ああ、うむ……(呼吸音)……耳もみは(呼吸音)―― 耳そうじの、しやすさにも(呼吸音)……つながる、の――(呼吸音)」 【すみ】「有島、ありすは――(呼吸音)(呼吸音)―― こころ、よく――(呼吸音)(呼吸音)―― 耳もみの、仕方を――(呼吸音)(呼吸音)―― わらわと、夏葉に――(呼吸音)――教えてくれて(呼吸音)――」 ;SE stop ;SE ティッシュで耳かき拭き ;SE 耳かき(深・継続) 【すみ】「教わり、ながら――(呼吸音)(呼吸音)―― 交代、しながら――(呼吸音)(呼吸音)―― 実地で、の――(呼吸音)(呼吸音)―― たのしかった、ぞ――(呼吸音)(呼吸音)」 【すみ】「夏葉、なぞ――ふふっ――(呼吸音)―― 『くせになっちゃいそう~』――なぞと――(呼吸音)―― もむ方、よりも――(呼吸音)――もまれる、方が――(呼吸音)―― いたく、気に入った――(呼吸音)――様子で、あった――(呼吸音)」 ;SE stop ;SE ティッシュで耳かき拭き ;SE 耳かき(深・継続) 【すみ】「無論――(呼吸音)(呼吸音) 教わる、ばかりでは――(呼吸音)――ん―― 有島、ありすに――(呼吸音)(呼吸音)―― 借りを、つくって、しまう――(呼吸音)――ゆえ――」 【すみ】「わらわは――(呼吸音)――和裁を――(呼吸音)―― 有島、ありすに――っと――(呼吸音)(呼吸音)―― む……(呼吸音)(呼吸音)―― これは、ねばって――(呼吸音)(呼吸音)」 【すみ】「一度、離して――(呼吸音)(呼吸音)―― あて方を、こう――(呼吸音)(呼吸音)―― 根本に、いくよう――(呼吸音)(呼吸音)―― ん……(呼吸音)(呼吸音)――っと、ふぅ」 ;SE stop ;SE ティッシュで耳かき拭き ;3/右 ふきかけ 【すみ】「(ふーーーーーーーーーーーっ)(ふーーーーーー)」 【すみ】「ん……む――……(呼吸音)(呼吸音)――うむ。よし!」 【すみ】「右耳はこれで整うたの。 左耳もほぐしてのちにお掃除するゆえ、体を入れ替えてもらえるか」 【すみ】「(呼吸音)(呼吸音)――うむ。左様じゃ。 わらわの『ぐるーん』の声にあわせて、今度は左耳を上にむけてくれれば、それでよい」 ;3/右 →;1/前→;7/左 【すみ】「なれば、まいるぞ? せーので、 『ぐるううううううん』」 ;環境音 F.O.