Track 5

海月の触手抱擁

えへへ・・・おはよう。 射精しながら眠っちゃったんだよ。 あなたの寝顔、ちっちゃい頃のあなたのままだった。 おめめの泣いた後までそのまんまで・・・可愛かったあ。 恥ずかしかった? でもだいじょうぶだよ。 全部わたしが食べてきれいにしたから。 うん・・・あなたの精子たくさん・・・ごちそうさま。 おいしかったの。 味だけじゃなくて・・・体があなたの体液を求めてたみたい。 触手つやつや、えへへ・・・見て。 増えて、ひろがっちゃった。 これならできるかもしれない。 なんだとおもう?やってみたかったこと。 えへへ、一度全部離す前に・・・これ、刺すね。 刺胞だよ。 腕の、えーっと・・・どこにしよう。 ひじかな?皮膚が薄いし。 いくよ・・・わたしの触手の、内側に棘の生えた袋・・・ まずは一番外側の棘があなたの皮膚に突き刺さるの。 それから、ぷすり、ぷすり。 袋が裏返りながら、いっぽんいっぽん順番に棘がささっていくんだよ。 わたしの刺胞があなたの一部になっていく・・・ ああ、よくかんがえたらこれも挿入のヨロコビなのかなあ。 普段これは必要なときにしかやらないんだけど・・・ あなただとおいたしなくても、痛いって顔しても刺したいって思っちゃうの。 わたしの棘があなたの皮膚を突き破るのも、 あなたがわたしの毒で痺れるのも・・・胸が高鳴る。 えへへ、こんなきもちはじめて。やっぱりわたし、あなたに恋をしてるの。 刺さったところ揉んであげる。 巻き付けた触手で優しく圧力をかけていくの。 ぷにぷに・・・ぎゅっぎゅっ・・・反対の腕も、ぷにぷに・・・ぎゅう・・・って。 どう?じんわり痺れて動かなくなってきた? じゃあ、一度離して・・・めいっぱい触手をひろげて、 わたしとあなたの体まるごと全部、触手で包み込むの・・・。 ほら、怖がらないで、目を閉じないで。 目の前に広がる海が見える? 触手でできた空間・・・青い青い・・・わたしの触手の海。 やらわかな、細い触手が折り重なって、 ほんものの波のように揺れているでしょう? それ自体がぼんやり光を放って いつでも明るい・・・太陽の降り注ぐ、昼の海のよう。 そこにわたしとあなたのふたりだけ。 つがいは二人きりで巣を作るものだから・・・。 えへへ、こういうのろまんちっくっていうんでしょう? ああ、慌てないで、ここは水の中じゃない。 あなたの呼吸を奪ったりしない。 苦しいの? 息ができないものだと錯覚しているからだよ。 痺れているのは手足だけ・・・それに、足はもう痺れが取れてきてるはずなの。 よしよし、怖くない。 わたしの言葉にあわせて呼吸してみて。 吸って・・・吐いて・・・だいじょうぶ、水を飲んだりしない。 肺に酸素が満ちてくるの。 もう一回、吸って・・・吐いて・・・落ち着いて、ね。 息を吸って・・・うん、その調子・・・吐いて・・・吸って・・・ ふぅーって吐き出して。そう、ふーって。 ね、できたでしょう。 怯えないで、力を抜くの。 ここはあなたの為だけの、わたしの海なんだから。 流れに任せて漂えばいいの・・・そうそう、いいこだね。 右手、左手・・・指先から順番に力を抜いて。 手首がだらり・・・ひじがだらり・・・ 息をする度にあなたの体もトロトロにとけていくの。 肩もそのままだらーん・・・腕から意識がなくなってしまう。 次は足。 水をかかなくても浮いていられるから・・・そのままとけちゃおう。 あたたかな海と、あたたかな皮膚、境目がなくなっていく。 ひとめぼれ、だったの。 この足がやっとわたしのものになったんだね。 うん、わたしが初めて見たあなたのパーツ。 そうなの、最初は足だったんだ。 前に遊んだときよりももっと前・・・あなたが赤ちゃんだった頃のこと。 だから、知らなくて当然だよ。 赤い浮き輪からわたしに向かって差し出された、 小さくてまあるくてやわらかい2本の足。 わたしと全く違う、細かな毛の生えた皮膚が眩しくって。 なんて可愛いんだろう・・・なんて、美味しそうなんだろう・・・。 恋っておちるものなんだってね。 えへへ、わたし、海の深いところから浮かんできたのに、おちるっておかしいの。 続けて・・・右足のひざも、左足のひざも・・・ ああ、あの頃と違って骨が太くなったね。ごつごつしてる・・・。 太ももまでとろけて、感覚が広がる。 今まで感じていた表皮と骨の繋がりがなくなって、何本も細く分かれていくんだよ。 触手と絡み合う・・・ひとつになるの。 えへへ、太ももの辿る先・・・おちんちんもくったりして可愛いの。 ここにだけは意識を残していてね。 おちんちんだけ。 他はみーんな無くなって・・・おちんちんが気持ちいいのだけになる。 また触手で包んで気持ちよく射精させてあげるから。 触手をくるくる・・・巻き付ける。 あなたのおちんちんに触手で螺旋を描くの。 くるくる・・・くるくる・・・触手がくるくる・・・くーるくる。 なでながら触手を巻き付けると、 そのたびにあなたのおちんちんがぴくんって震えるの。 くるくる・・・うずをまいて・・・ぐるり、のぼっていく。 おちんちんがひとつの渦巻きになっちゃう。 きもちよくって起きあがってきちゃうね。 からだからおちんちんへ血がのぼっていく・・・ 血は袋の中で精液にかわって・・・おちんちんをのぼっていく。 あつさも、濃さも増して・・・どろどろと射精に向かって螺旋をかけあがっていくの。 幸せな瞬間・・・大人の雄のよろこびにむかって・・・ からだはとけて、おちんちんのよろこびしか考えられない。 暗い細い道をぬけて・・・触手がみちびいてあげる。 わたしの海の中に出ておいで、精子さん。 なあに?えーっと・・・むり、なの、しゃせいできない? うそつきさんしてもばれちゃうよう。 そう言いながらおちんちん、かたくなってきてるよお。 射精の準備してるのに、無理だって決めつけたらおちんちんがかわいそうなの。 ちがう・・・なにがちがうの? えへへ、あなたはときどき、言うこととおちんちんがばらばら。ふしぎ。 でもおちんちんが感じるのであたまをいっぱいにしてあげれば素直になれる。 ほらほら・・・つよくこすってあげるから精子出ておいで・・・ びゅーって吹き出しちゃえ・・・っ! やっぱり出たあ・・・・・・あれ? ・・・精子じゃない。 透明で少し黄色・・・さらさらしてて水みたいな・・・ わぁ、これおしっこだね。 ふはぁあ・・・えへへ、おもらししちゃったんだあ。 あなたの排泄物もらってる。おしっこ触手にかけてもらってるよう。 触手の海に黄色いあなたのお水が混ざっちゃった・・・。 青と黄色・・・透けて、重なりあって、きれいなの。えへへ。 泣いてるの・・・? 泣きながらからだまるめて・・・えへへ、人間の赤ん坊みたい。 お母さんが恋しいの? あなたはもう大人なのに、わたし・・・つがいがいるのに またそうやって泣いちゃうんだあ。 小さなあなたもそうだった・・・ ずっとお母さんのところに帰りたがってた。 赤ちゃんの時も・・・足に刺胞を刺したらあなたが声をあげて お母さんに連れて行かれてしまったの。 あの頃のわたしは水の中でしか生きられなくて あなたを追いかけることができなかった・・・。 でもだいじょうぶ。 わたしわかったの。 お母さん・・・人間が母体を求める理由。 子宮が恋しいんでしょ? 母体に守られていた頃に戻りたいって思うから・・・。 それならここでいいじゃない。 触手の海であなたを守ってあげる・・・ わたし、つがいだけじゃなくてお母さんにもなってあげる。 お母さんじゃあ・・・こうやって気持ちよくはしてくれないでしょ? おちんちん、触手でふわふわーて細い指でくすぐられてるみたい。 お母さんには・・・ううん、人間の雌にはこんなことはできない。 きもちいいのも、やさしいのも。 ぜんぶあげる・・・だからずっといっしょ。 ・・・くすくす、死なないよぉ。 毎日ゆっくり刺胞を刺して・・・うみのまものの体をあなたに分けてあげる。 作り替えたいって言ったでしょ。 あなたもばけものになるの。 わたしとおなじ、うみのまものになるの。 いや?えへへー、うそつきさん。 おちんちん・・・またぴくんぴくんってかたくなってるもの・・・うれしいんだよね。 どうしようかなあ、おくちをふたつに増やそうかなあ。 それとも・・・あなたがたまごをうめるようにしようかなあ。 ふわぁ、ああっ・・・あなたのたまごから生まれる赤ちゃん、きっとかわいい。 おっぱいの奥がきゅんってして、わたしもきもちよくなっちゃう。 ・・・おちんちんもお顔も泣いてる。 かなしいの?ううん、違うよね・・・人間はよろこびでも涙を流すいきものなの。 わたしも嬉しいの。 ほぉら・・・いって? おちんちん、ふわふわこすってあげるから。 根っこからくびれのところまで・・・こしょこしょって。 いく瞬間にまた刺胞を刺してあげるね。 そうしたら痛くない。 幸せな中でわたしの刺胞を受け入れてもらえるの。 もういけない?もう出ない? でもさっきもそう言っておしっこ出してくれたじゃない。 だからだいじょうぶ。 ちゅっ・・・はふ、ちゅぅ・・・ えへへ、泣いてるあなた見るとキスしたくなっちゃうの。 これは恋かなあ、それとも母性なのかなあ。 えへへ・・・おちんちんにもキス・・・ちゅむ、ちゅぅ・・・ れろっ、ちゅぱ・・・ちゅぅ、ちゅぶぶっ。 はへ?いっひゃうならいいよ・・・このまま・・・ちゅぶ、ちゅぷぷ、ちゅぅう・・・ れろっ、れろっ・・・ちゅぶ、ちゅぱぱ・・・はむっ・・・。 ふはぁ、おちんちん震えてる。 すごいのきちゃいそうなんだぁ・・・ えへへ、じゃあ、いっぱい刺しても問題ないかな。 首に、背中に・・・腰も足も・・・おしりも・・・ あと、わたしの舌でおちんちんにも刺してあげるの。 怯えないでいいの。 はぶぅう・・・んじゅ、じゅる、ちゅぶぶ・・・じゅりゅぅう・・・んぶぶっ、れろっ、れろぉ・・・じゅぶぶ、んむっ。 いいこいいこ・・・いっへ(いって)・・・さしたい・・・さしたいの・・・じゅぶぶ、りゅぷりゅぷ・・・ねろぉ、じゅりゅぅう・・・んぐっ、じゅぶぶぶっ! んぐっ・・・んふぅう・・・とげ、さすの・・・ んく、んれろぉ・・・れるれるぅ・・・。 えへへ、なにもでないでいっちゃうこともあるんだあ。 悲鳴みたいな声・・・かわいそうなのにかわいい。 体中に刺胞のあと、赤いあと。 このアザの分だけあなたの中にわたしがいるの。 あなたは・・・人間じゃなくなっていくの。 え、今更取り出せないよお? 今刺したばっかりのは人間のお医者さんなら取れるのかもしれないけど・・・あのね。 ひざの裏のきず・・・何年も何十年も前のきずあと。 あなたの中にはあの時からずーっとわたしがいた。 もうあなたの一部になってしまっているんだよ。 それがちょっと増えるだけなの。 えへへ・・・ほら、おはなししよう。 あなたがどんなばけものにかわるのか、ふたりでいっしょに決めよう。 つがいだもの。きょうどうさぎょう、だよ。