Track 5

マイナスイオンの仙芽滝

:使用想定環境音 :仙芽滝 ;9/前遠 (マイクに背中向き) 【ラン】「ああ――ああ! ああ!!!」 ;9/前遠 (マイク向き) 【ラン】「マイロード! ここはいい!! 仙芽滝! なんて雄大な滝だろう!!」 ;;9/前遠 (マイクに背中) 【ラン】「まるで絵に描いたような見事な滝だ。 半円形の劇場のような岩棚のぴたり中心に、鮮やかで雄大な滝が雪崩れ(なだれ)落ちている」 【ラン】「岩棚のくぼみにはたくさんの――お地蔵様かな、羅漢(らかん)さまかな――石仏(せきぶつ)のようなものが並んでいる」 【ラン】「石仏は……遠目だけれど、よく手入れされているように見えるね。滝のしぶきがひっきりなしに飛んでくるだろうに、コケのひとつもついてはいない」 ;SE ラン、ゆっくり近づく足音 ;1/前 (マイク向き) 【ラン】「ここは……行政が管理してるのかな? それとも近隣の人たちか――(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音) ああそうか、神社とか、信仰の対象っていう可能性もあるのか」 【ラン】「どちらにしても、撮影前には許可をとることが必要になりそうだね。 あの辺の枯れ枝とかは、もし可能なら掃除できると、構図の選択肢もさらに広がりそうだし」 ;3/右 (マイクと同じ視線) 【ラン】「で、だ。マイロード。 貴方のまなざしは、この滝をどう捉えて―― (呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――ああ……(感嘆の息)」 ;1/前 (マイク向き) 【ラン】「貴方の視線を追いかけるだけで、見ていた景色が、もっとあざやかに輝き始める。 とても不思議で――魔法みたいで―― マイロード。貴方と一緒にいるだけで、ランはどこまででも楽しくなれる」 【ラン】「……その補正がかかってしまっているのかもしれないけれど――ここは、うん。 観光地として紹介できれば、高嵜鉄道の定期外客の増加に…………(呼吸音)(呼吸音)―― うん。きっと役立つ」 【ラン】「横河駅からだと、野鳥の森を抜けてここまで……歩いて90分くらいか。ハイキングコースとして案内できるね」 【ラン】「……(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)―― ああ、そうか。森を抜けて、旧円山(まるやま)変電所跡や、関所跡(せきしょあと)を含めた大きな周回コースだって組めるし――うん!」 【ラン】「ポスター撮りの撮影地、そうだね、ここに決めてしまおう。 会社にも、第一候補はここってことで報告しよう」 【ラン】「もしも何かの不都合で撮影不可になってしまうようなら―― ふふっ! 今度はいっそ横河を離れて、沿線の別のところでロケハンをするのも悪くないよね」 【ラン】「大事な仕事をひとつきっちり終わらせられる。 継続となって、またマイロードとおでかけをする。 どっちになってもランは嬉しい。 ああ! 本当に今日は素敵なことばかりだ」 【ラン】「(安堵の長い息)……ホっとして、少し気が抜けてしまった。 戻りも結構歩くことになるし―― ここで小休止をいれたほうがいいよね。うん」 ;3/右 (マイクと同じ視線) 【ラン】「ふぅ……。 (30秒ほど、もたれかかってリラックスする呼吸)」 【ラン】「……しかし……ああ……(呼吸音)(呼吸音)―― ここは実際、穴場だよね」 【ラン】「ランはこれほど見事な滝を、こんなに近くで眺めるなんて――初めてだ」 【ラン】「カタマリみたいな水がどんどん無限に流れて落ちて、飛沫をあげて。 景色があまりに雄大で、いつまでだって眺めていられそうな上に……音も――」 【ラン】「(滝の音をじっと聞く呼吸。1分ほど)」 【ラン】「……麻織の滝、遠くから聞いた滝の音と全然違うね。爆音だ。 他の全ての音を滝が、飲み込んで落としていってるみたいなざわめきで……(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)」 【ラン】「――マイロード。貴方から伝わってくる音。鼓動の音と、血液が流れる音」 【ラン】「貴方の音と滝の音が、どこか似ている…… そう感じるのは、ランがレイルロオドだからなのかな」 【ラン】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)…… この滝の音を聞いているとね……憧れに近い何かを感じる……。 『還るべき場所』……そんな言葉が、どうしてか浮かんでくるようで―――― (呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――いや」 ;3/右 (少し身を離す) 【ラン】「……ちょっとぼーっとしすぎてしまったみたいだ。 この轟音にさらされることは、細かなしぶきを浴びることは……(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)。 ……ああ、シャワーを浴びているときと、似ている効果を生じさせるのかもしれないね」 【ラン】「なんだか――ふふふっ。普段なら口にしないことまで、つぶやいてしまったような気がするよ。 他の誰かに聞かれたのなら、恥ずかしくって逃げ出したくなる、独り言じみた、そんな言葉を」 【ラン】「けど、ね? マイロード。 ランは、貴方にだけならば――」 ;3/右 接近囁き 【ラン】「貴方にだけは、何を聞かれても構わない。 どんなに気恥ずかしいことだって――」 ;SE お腹がなる音 ;3/右密着 →;1/前 (ぱっと離れる) 【ラン】「っ!!!?」 ;1/前 【ラン】「い、いや、違うよ。違う。 ランはレイルロオドだもの、おなかなんて鳴るわけないよ。 本当に」 【ラン】「だから、今の音は……(考え込む呼吸音)――あっ! ふふふっ。そうだね。そうしておこう」 【ラン】「それなら次はご飯にしよう! ね、お腹をすかせたマイロード!」 ;環境音 F.O.