Track 4

雨のぽんぽこ森

;使用環境音 ;茂林寺_雨の森.wav ;りいこ足音。濡れた葉っぱ踏む。数歩。 ;3/右 【りいこ】「ついたー――! えへへっ、今回もすぐについちゃった!」 【りいこ】「ぽんぽこ寺とぽんぽこ沼の真ん中だもんね、ぽんぽこ森。 だから、『ちょっとだけ戻っただけ』みたいな感じになったねー」 【りいこ】「でも、ね? 手抜きしてるわけじゃないんだよ? 三勢崎線沿線でいい音がするところっていって、りいこが一番最初に思いつくのがこの辺一帯なだけで――」 ;3/右 (接近囁き) 【りいこ】「それに、ね。マスター。 ちょっとの間、なんにもいわないで聞いてみて」 ;一分間ほど、耳を済ませる呼吸音 ;3/右 【りいこ】「(呼吸音)」 【りいこ】「……ね 近くったって、ぽんぽこ沼とは全然違う音がするでしょう とっても静かな雨の森。 はっぱを叩く雨粒の音が響いて、鳥たちもひっそり囁いて」 【りいこ】「って、おんなじ声の子たちもやっぱりいるけどさ。そこはまぁ、ご愛嬌で。 っていうかご愛嬌っていったら、もうひとつ――(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)」 【りいこ】「ここ、ぽんぽこ寺駅から近いもんね。 踏切の音も列車の音も聞こえるてくる。 けど――けど! そこもほら、りいこは考え方だと思うの」 【りいこ】「だって、大廃線があって、帝鉄が解体されちゃって、 線路も列車もどんどん廃棄されて壊されて」 【りいこ】「いま存続してる路線なんて、帝鉄がぶいぶい言わせてたときの1/10くらいしか、きっとないでしょ? だから、鉄道の音って今はもうレアで、貴重価値で」 【りいこ】「そのうえりいこたちの頭部鉄路(とぶてつ)三勢崎線ってばさ、大廃線前とそんなにかわらない列車本数維持してる、日ノ本でもめずらしい路線でしょう。 そんなの他に、名護鉄(なごてつ)本線くらいしかないっても聞くし」 【りいこ】「だから、りいこたちにとっては日常そのものの、列車や踏切の音だって。 新聞記事で紹介されるひとたちにはきっと、とっても素敵な音風景だってりいこは思うの」 【りいこ】「こんなに豊かな自然の音と列車の音を一緒に聞ける場所もさ。 いまとなっては、他にきっとあんまりないって思うし!」 【りいこ】「だからりいこは、いい音だって自信をもって、積極的にとりいれていきたいんだ。 三勢崎線の魅力をもっとPRしていけば――(呼吸音)(呼吸音)」 【りいこ】「だよね、うん。記事を読んでくれた人に、三勢崎線に乗って沿線めぐって貰えるようにもなるよね、きっと」 【りいこ】「そう考えたら……そっか。ぽんぽこ寺駅のまわり以外にも――っていうかむしろ、沿線の離れた駅のどこかで……素敵な音が聞けるスポット、ひとつは紹介しなくちゃだねぇ」 【りいこ】「ん~(呼吸音)(呼吸音)――どこがいいかなぁ。 せっかくだからりいこ、音探し早くおわらせて、残り時間でマスターとたくさん遊びたいなぁって思ってたんだけど――あ!」 【りいこ】「それならマスター! 『いい音がして』 『記事を読んでくれた人が、ぽんぽこ寺駅から三勢崎線に乗ってめぐれる場所にあって』 『マスターとりいこが一緒に遊べる』 がぜーんぶそろってる場所にいったらいいわけだよね」 【りいこ】「えへへっ! マスター、耳かして」 ;3/右 接近囁き “ちょっとだけ”から ;3/右 通常 【りいこ】「あのね、りいこね、こころあたりの場所がひとつあるの。 ただ……今日いってすぐ大丈夫かわかんないから―― ちょっとだけ確認の電話、かけてみるね」 【りいこ】「えへへっ、とっても気持ちいい汗かけるとこだから、お楽しみ! って、いけるかどうかまだわからないけど―― ちょっとだけ電話するから、マスターはその間、雨の森の音、楽しんでてね」 ;SE りいこ足音 ;3/右→;1/前→;9/前遠 ;環境音 じわりと VOl↑ ;9/前遠(マイクに背中向けて) 【りいこ】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)……あ、めいこ うん、りいこだよ。こないだありがとね。たのしかったー」 【りいこ】「(呼吸音)(呼吸音)……うん。ふつう。ちゃんとやってる。ってか、職場の話は、次あったときでもいーい あのね 今日はちょっとね、聞きたいことがあって電話したの」 【りいこ】「(呼吸音)(呼吸音)。うん、じゃあ聞くけど、えと――こないだいったときさ、ちょっと話したことあるでしょ 『マスターにもしてあげたいなぁ』って――あれ。あ!」 ;マスターに聞こえてる可能性に気づいて、ヒソヒソ声に 【りいこ】「そそ、うん…………で………………なの、今日…………急で悪いけど…………うん………………あ……………なの そっか、それなら……………………うん!」 ;ひそひそ話終了して 【りいこ】「わかった! ありがと、じゃ、今日いくね あと1時間か2時間くらいでつけると思うから、支度しといて」 【りいこ】「(呼吸音)(呼吸音)。うん。今度お礼する! 瀝青炭(れきせいたん)でいーい? (呼吸音)――わかった! じゃ、一番上等なとこたっぷりもってくから期待しといて」 【りいこ】「(呼吸音)(呼吸音)――あはは、ありがとー! それじゃあ、いまはもう切るね うん、またあとで!」 ;SE 電話切る ;SE りいこ小走り ;9/前遠→;1/前→;3/右 ;環境音 Vol ジワリ戻す ;3/右 【りいこ】「マスター、おまたせ! あのね、いいって! だから……もう少しだけ雨の森楽しんだら、いこ?」 ;3/右(独り言/つぶやき) 【りいこ】「雨の森の音。りいこの大好きな音だから。 もう少しだけ、楽しんでから……」 ;SE 息をひそめて、一分ほど雨の音を聞く 【りいこ】「(呼吸音)」 【りいこ】「……静かだよね。音がこんなにたくさん跳ねてるのに、静かで綺麗。とっても不思議」 【りいこ】「マスターの音。心臓の音。りいこ、好きなの。 それとおんなじみたいな感じが、雨の森からはするの。 ざわざわしてて、なのに静かで。生きているって感じがして。あったかくて、落ち着く」 【りいこ】「それに……それにね 雨の森には、素敵なヒミツがあるんだよ マスターにだけ、こっそり、りいこ教えてあげるね」 ;3/右 接近囁き ”って”で →;3/右通常 【りいこ】「雨の日にもね、虫取りできるよ ハチとか蛾とかが少くなるから、雨でも出てくるヒラタクワガタとかを取るには、むしろ狙いめなの――って」 ;3/右 【りいこ】「マスター、どうしてくすくすしてるの りいこ、なんかおかしなこと――(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)……」 【りいこ】「りいこらしいって、今の話が? それでマスター、楽しくなったの」 【りいこ】「えへへ、それならりいこも嬉しいな。 そしたらそしたら、もっといいことも教えてあげる!」 ;3/右 接近囁き →“ふふっ”で →;3/右(通常) 【りいこ】「一番の狙い目はね 雨あがりなの。 雨が苦手なこたちがお腹をすかせてでてくるから―― (呼吸音)(呼吸音)――うふふふふっ!」 ;3/右 【りいこ】「虫取り情報、マスターにも喜んでもらえてうれしいな。 そしたら今度は――今日は移動しちゃうからもうあれだけど、あめあがり、一緒に虫取りに行こうね!」 ;3/右 ”ね”から →;1/前 【りいこ】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――♪ わーい! 嬉しい、それじゃあ約束。 ね、マスター、小指かして」 ;1/前 【りいこ】「ゆーびきーりげーんまん うーそついても なんにもしーない ゆびきった!」 【りいこ】「(呼吸音)――え うん。うそついてもなんにもしないよ だってマスターが痛かったり怖かったりつらかったりするの、りいこ、やだもん」 【りいこ】「それに、約束マスターが守れなくなっちゃうのって、急なお仕事だとか、誰かになにかあったとか、そういうときだけって、りいこ、知ってるし」 【りいこ】「だからりいこ、もしも今の約束が―― (呼吸音)(呼吸音)…… って、わ! そうだ! りいこ、めいこと約束してたんだ!!」 【りいこ】「マスターマスター、それじゃ、そろそろ移動しよう? めいこのところに――(呼吸音)(呼吸音)」 【りいこ】「って、めいこのこと忘れてないよね。りいこの妹の、めいこ。 いまはもう解体されちゃった、とぶてつ6号機関車の、レイルロオド」 【りいこ】「でもね、めいこは解体されなくて、鉄道の外でお仕事してるの。りいこ、こないだ会いにいって、そしたらそこで、気持ちいい音に会えたから――えへへへへっ!」 【りいこ】「マスターにも聞かせてあげるね! さ、行こうっ!!」 ;環境音 F.O