しろがねの左耳みみかき
;7/左 (耳打ち・ふきかけ)
【しろがね】「(ふーーーーーーーーーーーーーーーーーっ)」
;環境音 同じ F.I.
【しろがね】「それじゃあこっちも、オイル綿棒から。
ん……と……」
;SE 綿棒をオイルに浸す
【しろがね】「じゃ、左のお耳トンネルにも、慎重にもぐっていきますね。
失礼しまぁす」
;SE オイル綿棒で耳掃除(浅・継続)
【しろがね】「ん……(呼吸音)(呼吸音)っと――
くる、くる――(呼吸音)(呼吸音)――
まわ、して……(呼吸音)(呼吸音)――
こしゅ、こしゅ……(呼吸音)……ん……(呼吸音)――」
【しろがね】「(呼吸音)(呼吸音)……あ、はい――
(呼吸音)(呼吸音)――です、ね。
――ほんとに――(呼吸音)――しろがね――(呼吸音)――
いつのま、に――(呼吸音)(呼吸音)」
【しろがね】「マスターの――(呼吸音)(呼吸音)――
お耳トンネル――(呼吸音)(呼吸音)――
もぐるの、上手に――(呼吸音)(呼吸音)――
なりました、よ――(呼吸音)――ね――(呼吸音)――」
【しろがね】「お耳の、中に――(呼吸音)(呼吸音)――
耳かき、どころか――(呼吸音)(呼吸音)――
最初は――(呼吸音)――綿棒――(呼吸音)――
いれるの、だって――(呼吸音)(呼吸音)――」
【しろがね】「こわくて、仕方――(呼吸音)(呼吸音)――
なかった――です――(呼吸音)――け、ど――(呼吸音)――うん」
;SE 綿棒抜き
【しろがね】「ん……ん~~
(ふっ)(ふーーーーーーっっ)
ん……うん」
【しろがね】「じゃ、深いとこにもいっちゃいましょう。
最初は全然、こわくて、入り口にだっていれられなかったお耳の穴に――(呼吸音)……」
;SE オイル綿棒で耳掃除(深・継続)
【しろがね】「今は……(呼吸音)――今でも……(呼吸音)――
ほんのちょっとは――(呼吸音)(呼吸音)――
怖い、ですけど――(呼吸音)(呼吸音)――
それでも……ん――(呼吸音)――こう、して――(呼吸音)(呼吸音)――」
【しろがね】「深い、ところも――(呼吸音)(呼吸音)――
お掃除、ちゃんと――(呼吸音)(呼吸音)――ん……
たぶん、ちゃあんと……(呼吸音)(呼吸音)――
できて、ます、から――(呼吸音)(呼吸音)――」
【しろがね】「経験、つむの――(呼吸音)(呼吸音)――
とっても、大事で――(呼吸音)(呼吸音)――
すごい、ことって――(呼吸音)(呼吸音)――
しろがね、なんだか――(呼吸音)――思い、ます――(呼吸音)――っと」
;SE stop
;SE 綿棒抜き
;7/左 (吹きかけ)
【しろがね】「(ふーーーーーーーーーーーっ)」
;7/左
【しろがね】「ん……(呼吸音)(呼吸音)――
うん。こまかいのは大体くっつけてとれたみたいです。
あとは、耳かきで大物を、ですね――」
【しろがね】「(呼吸音)……リラックスして、ちから、ぬいててくださいね――
ん……(呼吸音)」
;SE <耳かき音、浅・継続>
【しろがね】「最初は、ほんと――(呼吸音)(呼吸音)――
關門海峡、専用機に――(呼吸音)(呼吸音)――
転用・改造されるって、聞いて――(呼吸音)(呼吸音)――
つれて、こられて――(呼吸音)(呼吸音)――」
【しろがね】「はじめて、關門海峡トンネルに――(呼吸音)(呼吸音)――
もぐった、ときより――(呼吸音)(呼吸音)――
マスターの、耳かき――(呼吸音)(呼吸音)――
緊張したし――(呼吸音)――怖かったんです――(呼吸音)――本当は」
【しろがね】「(呼吸音)(呼吸音)――え、だって、ええっと――
(呼吸音)――關門海峡、トンネルの――(呼吸音)――
なかに、潜るのは――(呼吸音)――
お仕事、だから――(呼吸音)(呼吸音)――」
【しろがね】「運転指令の――(呼吸音)(呼吸音)――
指令どおりに――(呼吸音)(呼吸音)――
列車を牽引――(呼吸音)――すれば、いい――(呼吸音)――
それだけ――(呼吸音)――だけ、ど――(呼吸音)――ん……」
;SE stop
;SE 耳かきふき
【しろがね】「(ふーーーーーーーーーっ)(ふっ)」
【しろがね】「けど、耳かきは――
マスターは、マスターご自身の耳の中は目視もなにもできっこないから。
指示、誰にも出してもらえませんから……」
;SE <耳かき音、深・継続>
【しろがね】「ん……(呼吸音)(呼吸音)――
こういうふうな、深いとこでも――(呼吸音)(呼吸音)――
さっきみたいな、浅いとこ、でも――(呼吸音)(呼吸音)――
しろがね――(呼吸音)――全部――(呼吸音)――」
【しろがね】「しろがね、ひとりで――(呼吸音)(呼吸音)――
全部を、判断――(呼吸音)――しなくちゃ、ダメで――(呼吸音)――
そんなの、はじめての――(呼吸音)――経験、だから――(呼吸音)――
怖くて、怖、くて――(呼吸音)(呼吸音)――」
【しろがね】「だけ、ど――(呼吸音)(呼吸音)――
ん……(呼吸音)(呼吸音)――
これ、多分――(呼吸音)(呼吸音)――
下から、すくう――(呼吸音)――感じ、より――(呼吸音)――」
【しろがね】「いったん、横から――(呼吸音)――ぺり、ぺり――(呼吸音)――
うん……よし……(呼吸音)(呼吸音)――
ここまで、きたら――(呼吸音)(呼吸音)――
あとは――(呼吸音)――すく、って――(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――うんっ!」
;SE stop
;SE 耳かき拭き
【しろがね】「あ、だから――ええと、いまのみたいに……」
;SE <耳かき音、深・継続>
【しろがね】「耳かき、するのは――(呼吸音)(呼吸音)――
しろがね、ひとりで――(呼吸音)(呼吸音)――
判断して、決定して――(呼吸音)(呼吸音)――
しなくちゃ、ダメで――(呼吸音)――おっかなくって――(呼吸音)――」
【しろがね】「だけど……それでも――(呼吸音)(呼吸音)――
マスター、が――(呼吸音)(呼吸音)――
“できると、思うから”――(呼吸音)――“任せてる”って――(呼吸音)――
しろがねのこと――(呼吸音)――信じて、くれて――(呼吸音)――」
【しろがね】「だから、しろがね――(呼吸音)(呼吸音)――
ゆっくり、ゆっくり――(呼吸音)(呼吸音)――
ちょっとずつ、でも――(呼吸音)(呼吸音)――
勇気を、出して――(呼吸音)――経験、重ねて――(呼吸音)――」
【しろがね】「その、おかげで――(呼吸音)(呼吸音)――
いつの間にか――(呼吸音)――いま、では――(呼吸音)――
んっ――(集中した呼吸音x4)――っと……
(呼吸音)(呼吸音)――もちょっと――(呼吸音)――ぁ――――っ」
;SE stop
【しろがね】「(安堵と達成感の吐息)」
【しろがね】「うふーっ。こんなにおっきいのまで取れるようになって」
;7/左 (耳打ち・吹きかけ→囁き)
【しろがね】「(ふーーーーーーーーーーっ)
ん……(呼吸音)――ふふっ。マスターのお耳も、ピカピカにできるようになって」
;7/左
【しろがね】「マスターがしろがねががんばれるようになるの、じっくりじっくり待ってくれたから。
そのおかげでしろがね――ぇ――あっ――(驚き・あきれ・けれど嬉しく、マスターのあくびを見守る呼吸)」
【しろがね】「もう、しろがねがまじめなお話をしてるのにおおあくびなんて――
(呼吸音)(呼吸音)――ううん、全然、おこってません。むしろ、えへへ、うれしいかなって」
【しろがね】「だって、耳かきされてるとき、怖くなくって安心できなきゃ――
しろがねのこと、すっかり信じてくれてなかったら、ねむたくなんてなれないですよね」
【しろがね】「だから……(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)」
;7/左 視線、マイクから外して
【しろがね】「……雨、少しも弱まりませんし――」
;7/左 (マイク向き)
【しろがね】「……閉園まで、まだ何時間かありますし……
たくさんたくさん今日は歩いてつかれましたし……」
;7/左 (耳打ち)
【しろがね】「このままも少し――雨が止むまで。
お昼寝だとか、しちゃいましょうか」
;環境音 F.O.