しろがねとうたたね(安眠導入・ウィスパーパート)
;このパート完全に安眠導入なので、メリハリは声の大小以外でつける方向で、静かに静かにでいただけますと幸いです。
;7/左
【しろがね】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)」
【しろがね】「雨……このまま閉園まで降り続くなら、エアクラタクシー、呼んでもらしうかないかもですね……」
【しろがね】「(呼吸音)(呼吸音)――もったいなくなんてないですよ。
もしも傘を借りられても、バス停で待ってるあいだに濡れちゃって、
マスターが風邪でもひいたら、それこそ一大事ですし……」
【しろがね】「(呼吸音)(呼吸音)――風邪って、すごく怖いって。
この間のレイルロオドサミットで、しろがね、ランさんに聞かせてもらって……
だから、マスターにひいてほしくないなぁって――ぁ」
【しろがね】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――はい、とっても優しいレイルロオドでした、ランさん。
ランさんだけじゃなくて、他のみんなも。
すごく優しくて、親切で、前向きで。
しろがね、見習いたいなぁって思いました」
【しろがね】「もちろん、少し変わったこたちもいましたけど――あ。
変わったっていえばですね、マスター、
しろがねにはあたりまえのこと、すごく珍しがってもらえたりもして、
ちょっと、それにもうれしくなっちゃいました」
【しろがね】「かかあさんって――常州電鉄(じょうしゅうでんてつ)の電車のレイルロオド。
いままで他の路線を一度も走ったことがなくって、
その上常州電鉄の線路には、トンネルが一個もないって話で。
(呼吸音)(呼吸音)――そうなんです。すごくしろがねのトンネルの話に興味もってくれて……」
【しろがね】「鉄道トンネルって、普通はV字形にほられるでしょう? 入り口と出口が高くて、真ん中が一番深くなるように。
かかあさん、そのことも知らなくて、けど、お話したらすぐ、
『発車時には加速して、停車前には減速できる勾配になってる』ってわかってくれて。
やっぱり、お仕事できるって評判のレイルロオドは、理解力が高いんだなぁって、しろがね思いました」
【しろがね】「あと、西瓜さんって、仲国からきたレイルロオドには、西瓜さんの東富Ⅳ(とうふうよん)――電気式ディーゼル機関車のことおしえてもらって……ディーゼルエンジンで発電機回して、その電力でモーターまわして、っていう仕組み」
【しろがね】「かかあさんは、そのお話にもすぐに『ディーゼルよりモーターの方が制御しやすい動力源』って、その仕組みのメリットに気がついて、しろがねはいわれるまで気がつけなくって……。
そこからみんな、さらに盛り上がっていったんですけど――
しろがねは……その先は、ちょっと疲れて離れちゃってて聞いてないんです」
【しろがね】「だってしろがね、マスターとなら……マスターとだけは、こういうふうに――
思ってること、考えてること、普通にことばにできるけど、でも……」
【しろがね】「他の……レイルロオドでも、人間でも誰でも……マスターじゃないひととだと――
あんまり上手におしゃべりできなくて――言葉がなかなかでてこなくなって……
共感も、お仕事でつかう部分のほかは――開放したいっておもわなくって……」
【しろがね】「(考え事をしている呼吸x4)」
【しろがね】「だから、とっても楽しくて――とっても勉強になったんですけど――
しろがねももっとがんばりたいなってもおもったのも本当だけど……(呼吸音)(呼吸音)――あ」
【しろがね】「うん。そうなんです。
……『みんなでわいわいお話するの、苦手だなぁ』って――
思っちゃったのも……やっぱり、三分の一とかそのくらいは、あって」
【しろがね】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――ああ……うん。
そっか――これも――耳かきとおんなじなんですね」
【しろがね】「レイルロオド同士のコミュニケーションって、しろがねが判断して決めなくっちゃいけないから。
マスターに決めてもらうんじゃなくって、しろがねが全部しなくちゃいけないから……」
【しろがね】
「一対一でのお話だったら、まだなんとか処理できるけど、
Aさんと話してるときにBさんから話かけられたりすると……ちょっと、こころがオーバーフローしちゃう感じなのかもです」
【しろがね】「(呼吸音)(呼吸音)……しろがね……うーん……(呼吸音)(呼吸音)――
しろがねは――マスターが望むしろがねになりたいです」
【しろがね】「他のレイルロオドたちと上手におはなしできるようになりたいか、なりたくないかって……
正直、どっちでもかまわなくって、今のままでも全然平気で――」
【しろがね】「でも、しろがねが他のレイルロオドとお話上手にできるようになって――
大勢の中でもうまく立ち回れるようになって――
それでいろんなお話きけるようになるのが、もしもマスターの役にたつなら、マスターがよろこんでくれるなら……(呼吸音)――
ちょっとずつでも、しろがね、がんばってそうできるようになります」
【しろがね】「逆に、マスターもその辺べつにどうでもいいなら……
もっと他でマスターが喜んでくれることとかに、しろがね、時間をつかいたいなぁって、思います」
【しろがね】「だから、しろがね――マスターが――(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――あ……うふふっ、はい。わかりました」
【しろがね】「マスターがそう思ってくれるんなら、しろがね、うれしくて安心しま――ぁ――ふっ……ぁ……(大あくび)」
【しろがね】「やだ、はずかしい、ごめんなさい。
安心したら、しろがねも急にねむたく――――あ」
;7/左(耳打ちの距離/以降ずーっっとウィスパー)
【しろがね】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――ですよね。昨夜はフェリーのなれないベッドで、フェリーそのものにも興奮しちゃって……だから、きっと、眠り、浅くて――」
;だんだんねむくなっていく
【しろがね】「それに――今日も……ん……音探しとか……なれないことで――
あたま、つかって――たくさん、うごいて――マスターと、いっしょで――
回路も、ずっと――わくわく、して、て――ふ、ぁ――」
【しろがね】「だから……しろがね――しろがね、も……ん……(ほとんど寝息x2)
あ――はい、そうします――このまま――ちょっと――雨あがり、まで――」
【しろがね】「マスターと……いっしょに……うたたね……
ゆっくり……やすんで…………(呼吸音)(呼吸音)」
【しろがね】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――雨音、やさしい……こもりうた、みたい……」
【しろがね】「おやすみなさい、マスター……。しろがね、えへへ――昨日も、今日も、マスターの、そばで……
(眠い息)――マスターと――ふ、ぁ――いっしょに、ねれる、の――」
【しろがね】「うれし……ん――ぁ――ん……(眠い息)――すごく……うれ……し…………ん…………」
【しろがね】「(浅い寝息x4)」
【しろがね】「(浅い寝息x4)」
【しろがね】「(寝入りつつある寝息x4)」
【しろがね】「(寝入りつつある寝息x4)」
【しろがね】「(穏やかな寝息x4)」
【しろがね】「(穏やかな寝息x4)」
【しろがね】「(熟睡寝息x4)」
【しろがね】「(熟睡寝息x4)」