Track 7

(通常.ver) 07.手料理を食べさせる。雰囲気に飲まれてキス。

◆7  ――ピンポーン 【京子】 「んぁ、きたっ!」  皿を置いて玄関に向かう。  いそいそと外履きを履き、戸を押し開けた。 【京子】 「よっす。お帰りーだぞ」 【男】 「ん、おぉ。ただいま」 【京子】 「くすっ、お前が来るのを待ってたんだ。そら、さっさ  と上がれ」 【男】 「そう急かさないでよ」  手を引いて中に迎え入れる。  早くっ、早くしないと冷めてしまう。 【男】 「? なに、なんでそんなにグイグイ引っ張るのさ」 【京子】 「いいから、ほらっ、こっち……私の部屋じゃない、ダ  イニングのほうだ。ほら、早くっ」  背中を押して奥へ招き入れる。  部屋の中は、甘辛い醤油の匂いが充満していた。 【男】 「これは?」 【京子】 「んっふふふー。お前が来るタイミングに合わせて作っ  ておいたんだ。さっ、食べてみてくれ」  促されるように椅子に座る様子を眺め、私は言葉を続  ける。 【京子】 「テーマは『シンプル・イズ・ベスト』だ。お味噌汁に、  卵焼き。鯖の煮つけ、きゅうりの酢和え。それに、ほ  うれん草のお浸し」 【京子】 「簡単な料理ばかりで悪いけど、妙に凝ったようなのは  まだ苦手なんだ。こんなもので良かったら、感想を…  …聞かせてほしいぞ」 【男】 「えー……っと。また突然料理なんて、どういうつもり?」 【京子】 「え。あぁ、えっと。……家に籠っていてもすることが  少なくてな。自然と、料理に目覚めたというか……ま  あ、そんな感じだ」 【京子】 「てことで、ほら、な? 遠慮せず食べろ」 【男】 「……」  箸を掴んだ。 【京子】 「……」  沈殿した味噌を攪拌して湧き起こし、一口啜る。  鯖を一口。  続いてきゅうりを。  無造作に動く箸を動きを眺めていても、感想は来ない。 【京子】 「……ど、どうだ? うまい、のか? どうなんだ?」  質問に、箸を止めて口を開く。   【男】 「ん、悪くない」 【京子】 「あ……。そうか、悪くないか。ふふっ、よかったぞー  ……。不味くなかったんだな。はぁぁ……よかったぁ」 【京子】 「っ、それなら、じゃんじゃん食べてくれ! なんなら  お替わりだって」 【男】 「いや! これ以上は晩飯食べれなくなるから!」 【京子】 「あ……そっか。実家の晩御飯かあるもんな。うん、そ  れもそうだ。……なら、もうその程度で食べるのやめ  ておいたほうがいいんじゃないか?」 【男】 「あ、いや。撤回、今のなし。なんでもない」 【京子】 「え。撤回? いや、でも、それだと帰ってからご飯食  べれなくなるぞ」 【男】 「メールしとくよ。また早い時間だし、大丈夫だって」  軽く笑って見せる。  まったく、こいつは……。 【京子】 「……、わかった。それじゃ、きちんとお母さんに連絡  しておくんだぞ? 後で私のところに苦情の電話が掛  かって来られても困るからな」 【男】 「わかってる」 【京子】 「……まあ、私のほうも全部食べてもらうほうが都合が  いいっちゃあいいんだ」 【京子】 「今日は母さんの帰りが遅くてな、正直、多く作った分  をどうにか消費してもらわなくてはと思っていたんだ」 【男】 「そっか。じゃあ都合がいいな」 【京子】 「あぁ、だからゆっくり食べてくれ。お替わりしてもい  いんだぞ?」 【男】 「京子は食べないのか?」  空になった小皿を差し出しながら訊いてくる。 【京子】 「私か? 私はまだお腹が空いてないからさ。……ちょ  っと、間食のし過ぎで……なかなか腹の虫が鳴かない  んだぞ」  お浸しを小皿についで、手渡す。 【男】 「外にも出てないんだし、間食までしてたんなら太るん  じゃない?」 【京子】 「しっ、失礼なあ! そ、そんなに太ってないのだ。平  均だぞ、平均」 【男】 「ふっ、はいはい」 【京子】 「……うぅーん……やっぱり、外に出ないと太ってしま  うかも知れぬぞ……。歩いたり階段の上り下りもしな  いで間食ばかり……」 【京子】 「この身長じゃあ、ちょっと肉がついてしまうと余計に  目立つ……。うぅむ……気をつけねば」  首回りを摘まむ。  腰回りのふにふに感。  うーん、流石に数週間で体に変化は起こらないだろう。  ……うん、大丈夫なはず。 【京子】 「んぁ……今日は金曜日か」  金曜日…… 【京子】 「……なあ。昔みたいに……泊まっていかないか?」 【男】 「え」 【京子】 「確か、タンスの中にお前のパジャマがあったはずだ。  それを着れば、問題ないだろう?」 【男】 「いや、流石に入らないでしょうよ」 【京子】 「んぁ、そうか。子供のころのもんだしな、入らないか。  ……じゃあ、私のを……は、もっと小さいか」 【男】 「まだ誰も泊まるなんて言ってないよ?」 【京子】 「む。なんでそんなに消極的なんだ。昔は金曜日によく  泊まってっただろう。翌日学校がないからーってさ。  だから……泊まってけ」  服を引っ張る。  ぐいぐい。 【男】 「でも……」 【京子】 「んぅー……」  ぐいぐい。 【男】 「あー……」 【京子】 「泊まってくのだー……。せめて、母さんが帰ってくる  まで……」 【男】 「……寂しいの?」 【京子】 「ぁ、べ、別に寂しくなどないのだ。……私は、ただ…  …昔してたことをして、もっとお前と近付きたいと思  っているだけ……だぞ?」 【男】 「あー……」  頭を掻く。 【男】 「そういうこと言っちゃう?」  困ったように笑った。 【男】 「……ん、わかったよ」 【男】 「京子のお母さんが帰ってくるまで、ここにいる」 【男】 「着替えもないし、流石に泊まるのは無理だけど」 【京子】 「っ、ぁ……あぁ!」 【京子】 「そ、それじゃあ待ってろ! お風呂の準備してくるか  ら!」 【男】 「着替えがないって言ってるでしょ!!」  ……  …  日が落ちた。  ニュースばかりだったテレビがバラエティ番組を放送  している。 【京子】 「おーい。紅茶入れたけど、お前も飲むかー?」  リビングでのんびりしているアイツに声を掛けた。 【男】 「んー、もらうー」 【京子】 「んー、わかったー」  かちゃかちゃと陶磁器の触れる音をさせる。  ちらりと時計を見た。  あと一時間もしない内に母さんが帰ってくるな。  ここにいるのは母さんが帰ってくるまでという約束だ。  あと少しの時間を楽しもう。 【京子】 「ほら、熱いから気をつけるんだぞ」 【男】 「ん、ありがと」  隣に座る。 【京子】 「ふー、ふー…………ふー。ん……っ、あちっ」 【男】 「なんでだよ」  笑われた。 【男】 「執念深く冷ましたのに『あちっ』はないでしょ」 【京子】 「んむぐっ。ちょ、ちょっと油断しただけなのだ。いつ  もはこうじゃないのだぞ。……ふぅーーー、ふぅぅー  ーー、ふぅぅぅーーー。……ずずっ、――あっつぇ」  気の抜けた声が出た。 【男】 「コントか!」 【京子】 「い、いや、ホントにいつもはこうじゃないのだ。ん、  んんぅ、おかしいなり……。今日のは一段と高熱だぞ  ……」 【男】 「淹れ方に問題があるんじゃない?」 【京子】 「ん、淹れ方?」 【男】 「どうせいつもはポットのお湯で淹れてるんじゃないの?」 【京子】 「んぁ……あぁ、そうだぞ。いつもはポットのお湯で紅  茶を淹れてるんだ。でも今日は……」 【男】 「やかんでお湯を沸かしてたね」  午前のニュース番組のコーナーの一つにあった調理特  集。  そこに取り上げられていた紅茶の淹れ方を、今回引用  してみた。 【京子】 「ん、そうそう。ポットじゃなくて、やかんで沸かした  お湯を使ったんだ」 【京子】 「あと、前もってカップを熱したほうがいいってテレビ  で見てな? 先にお湯だけをカップに入れて……あ」 【男】 「気付いた?」 【京子】 「そうか。カップが事前にあったまっていたことで、断  熱状態に近づいてたこと……。ポットのお湯じゃ、せ  いぜい九十度程度なこと……」 【京子】 「いつもに比べて熱量が多かったということか」 【男】 「そういうことだね」 【京子】 「んん……流石だな。やっぱり、お前の考察力は頭一つ  分抜きん出てるぞ」 【男】 「買い被りも甚だしいな」  謙遜するところもまた良いところだ。  やっぱり、コイツと私は性が合っている。  私にないところを、コイツは持っている。  ……お前も、私と同じように、私と性が合っていると  思ってくれているだろうか。 【男】 「ん?」  視線に気付いてこちらを向く。  ……思わず逸らしてしまった。 【京子】 「ん、ふぅー……ふぅー……」  今度こそ。  温度を確かめる意味も込めて、少量を口に含む。 【京子】 「……ずっ、……ん、はぁ……。ホッ、せーふ……」 【男】 「もう大丈夫?」 【京子】 「んむ、話してる内に、ギリギリ飲める温度になったよ  うだ」 【男】 「よかったね」  頬が緩む。  穏やかな雰囲気だ。  浸っているだけで心地いい空気。  自然と口が動いていく。 【京子】 「……お湯と言えば……くすっ。小さい頃の私は、湯気  を水蒸気だと思い込んでいたんだぞ」 【男】 「ふぅん……?」  紅茶を飲みながら聴いてくれている。 【京子】 「冷静に考えてみればおかしいんだ。湯気が水蒸気なら、  お風呂は百度になってしまうし、冬の朝、私の口から  百度の息が漏れてしまってることになるぞ」 【京子】 「小さな水の粒子が塵を掴まえて視認できるようになっ  ていると先生に教えられるまで、水蒸気だと疑いもし  なかったんだ」 【京子】 「身近な化学には、当たり前のように見えて馬鹿みたい  な認識の仕方がたくさんあるんだよなぁ」 【京子】 「空中を飛んでいるボールに働いている力だって、てっ  きり『前に進もうとする力』と『重力』の二つが働い  ているものかとばかり思ってたぞ」 【京子】 「ずず……。……まさか『重力』だけだとはなぁ。説明  されてみれば、すぐに理解できるような当たり前の話  なんだけど、いやー……びっくりだぞー」 【男】 「まあ、知っていようがいまいが、私生活に関わる問題  じゃないしね」 【京子】 「……小さい頃は、よくお前に……こういう蘊蓄を教え  られてたっけなぁ。ふふっ、懐かしい思い出だー」  紅茶を机に置く。  小さく息づきながら、体を傾ける。  頭が腕に当たった。 【京子】 「……このソファの上で、肩並べて、お前とテレビを見  てるのも……懐かしい感覚だ。忘れてたはずの記憶な  のに、不思議と心地よくて……落ち着く」 【京子】 「……ずーっと……こうしていたくなる」 【男】 「……臆面なく言う」 【京子】 「んぅー? ……ぬふふっ、当然だ。本音だからな」 【男】 「そ、そう」 【京子】 「……」  ……ん、いいな。  この、まったりとした雰囲気。  このまま眠ってしまいたくなるくらいだ。 【京子】 「……手を」 【男】 「え……」 【京子】 「握っても、いいか?」 【男】 「……本当、自分に素直すぎない?」  呆れられた。 【京子】 「む。べ、別にいいだろう。自分に素直になって、なに  が悪いのだ」 【男】 「そりゃ……悪くはないよ」 【京子】 「んん……。いいもーん、勝手に握りますぞー。んー…  …にぎにぎ」 【京子】 「んふー……あったかいなり」  手のひらに感じる、温もり。  自然と指が動く。 【京子】 「ん……んふふ。くすっ……」 【男】 「……」  五指の間に指を絡ませていく。  なぜこんなことをしているのか。  なんとなく、体がそれを求めていたから。  ただ手を繋ぐよりも、なんとなくだけど、ほっとする  気がしたから……。 【男】 「(……やばいっしょー)」 【男】 「(京子のことを女の子だって意識してから、うら恥ず  かしくてギクシャクして、距離を開けてたっていうの  に……)」 【男】 「(どうしてこんなに意識させるような言動をするんで  しょうか)」 【京子】 「……? どうした?」  なんだか様子がおかしい。  黙りこくって、チラチラとこっちを見てくる。 【男】 「(女性と全く縁のない男に対して無遠慮じゃないか…  …?)」 【男】 「……」  そわそわしてる。 【男】 「(ええい! ままよ!)」 【男】 「京子!」  肩を掴まれる。 【京子】 「っ、へ。は」 【男】 「――キスしよう!」 【京子】 「は――!? き、きすぅ!? な、ど、う、えっ?  な、なんでぃなんでぃ! そんな話になっとるずぇ?!」 【男】 「言葉がおかしい」 【男】 「いや、それはともかく!」 【京子】 「っ、だ、だって、キスなんて……。す、スケベなこと  だぞ!」 【男】 「スケベ!? 立派な語彙力持っておいて引き出した言  葉がそれ!?」 【京子】 「き、キスは、その、こい、こいび、と、とか、さ。あ  れ、そうだ! 結婚する者同士がするもの……だぞ!  私たちとは何の関係もない!」 【男】 「え、あ、いや、まあ……そうなんすけど」 【男】 「――あ。で、でもさ! 幼馴染ってキスくらいするも  んらしいよ!」 【京子】 「え、そうなのか?」 【男】 「(急に真顔になった)」 【京子】 「幼馴染って、キスくらい普通にするものなのか……。  知らなかった。……なるほど、欧米人が親しいねんご  ろな相手と気軽にキスをするようなものか。ふむ……」 【男】 「欧米人に対しての偏見が酷いな」 【京子】 「や、やっぱり、お前は色々と詳しいんだな。これでも  一応、勉強はそこそこできるように努力してきたけど、  そんな情報、全然知らなかったぞ」 【男】 「そりゃ、まあ……ね。ははは……」  笑って頭を掻いている。  どうやら、照れ臭いらしい。 【男】 「(適当に笑って誤魔化しとこ)」 【京子】 「……そう、か。キス……きす……。幼馴染の間柄なら、  普通のこと……うむ。普通のことなら……しても、問  題はない……ぞよ」 【男】 「……ホントか?」 【京子】 「う、む。私も、興味がある。いま見ている昼ドラでは、  キスをテーマに物語が進んでいるんだけど……キス一  つで、男女の関係が大きく変わったりするんだ」 【京子】 「それほどまでに意味を持つ行為なら、どんな奥深さが  あるのかーとか、どんな力を秘めているのかーとか、  知りたい」 【男】 「じゃあ……」 【京子】 「う、……う、む。じゃあ、……する……か?」 【男】 「あぁ」 【京子】 「んぁ。……なら、私は……目を瞑っておくぞ。……っ」  ゆっくりと目を閉じる。  暗闇の中で自分の鼓動を数える。  なんだろう、いつもよりも早い気がする。  ……もしかして、期待しているんだろうか。  い、いや、単に恥ずかしさに気が立っているだけだろ  う。 【京子】 「ん……、いつでも……いいぞ?」 【男】 「……わかった」  頬に手が添えられる。  自然と肩がピクリと動く。  そのまま軽く顎を上げられて、数秒。 【男】 「……」 【京子】 「っ、ぁ――んむぅ」  温かい吐息を口もとに感じると――唇を重ねられた。 【京子】 「ん、んん……っ、っ……んフ……ん、ちゅ……はぁ」  唇が離れたのを感じて、目を開ける。 【京子】 「……これが、キス……か。……け、結構、ドキドキは  したけど、ははは、意外とっ、大したことないなっ!」 【男】 「そうか……?」 【京子】 「ぅ、そ、そりゃあ、ドキドキは半端なかったけど……  感触は予想通りだった。収穫は、心の乱れ具合かな。  こっちは予想外だったぞ。ふふふ」  取り繕って笑って見せた。 【京子】 「キスというのも、大してことないなあ。こりゃあ欧米  人が軽々しくするのも頷けるってもんだぞー」 【男】 「……」 【男】 「じゃあ」 【京子】 「っ、え。な、なんでぃす」  顔が近づいてくる。 【男】 「――大人のキス、してみるか」 【京子】 「はぇ。お、おとなっの、きす……?」 【京子】 「ぇ……何それ……。そんなの知らな――ん、んむっ!  ん、ちゅ……ぷ、……チュルル……っ」  っ、え、なにこれ。ナニこれ。  口の中に何か入ってきて、絡められてっ……。 【京子】 「ちゅ、む……ん、んンっ……! んっ、む……ちゅ、  ぴ……ちゅっぅぅ……チュっ、ん……んんっ!」  びっくりして胸を押す。  しかし、背中と腰に回された手がそれをさせない。 【京子】 「っ、ちゅっ……っぷ、ぅんぷぁ……はぁ……はぁ……  なに……これ……。これ……なに――ん、むぅ……ち  ゅ、ちゅっ……ちゅ、チュゥッ……っ、ンフ……」  やばい、やばい。  頭ぼぅっとして……、何も考えられな…… 【京子】 「ん、んんぅ……ちゅ、ちゅるっ……ちゅ、ちゅッ……  っ、んちゅ……ちゅる、ちゅ……ぷ、ぅ……ふはぁ…  …、はぁ……はぁ……はぁ……っ、はぁぁ……っ」 【京子】 「……これが……おとなの、きす……? はぁ……はふ  ……っ、これは……相当……やばいぞ……。やばいや  つ……だぞ」  口の中を這い回るものが消えても、頬っぺたが猛烈に  熱い。  体の芯からぽかぽかする。  な、なるほど。これが大人のキス。  キスの魔性。  測り知れん……。 【男】 「どう……? 気持ちよかった?」 【京子】 「はぁ……は……ぇ? きもち……? よかっ……た…  …の、かな。……んんぅ、解んないぞ」 【男】 「じゃあ……」 【京子】 「っ、わ、わ、わっ! き、今日はもうなしっ! 終わ  りっ! 大人のキスの時間は終了なのだっ! 充分解  った! とんでもない魔力を秘めてるって解ったから!」 【男】 「あ、そうか……」 【京子】 「んぁ。む、ぅぅぅ」  目に見えて落胆した顔をする。  そんな顔をするな……。  心が揺らぐだろう。 【京子】 「……えぇと、あの……」 【京子】 「またの機会があれば……その時に。な? それでいい  だろう?」 【男】 「うん、いいよ」 【京子】 「うん。あっさり答えるのな、お前」  現金なやつ。 【京子】 「……とりあえず、今日は解散にしようか。母さんもそ  ろそろ帰ってくるだろうし、お前も母さんに絡まれる  のあまり得意じゃないだろう?」 【男】 「そうだな」 【京子】 「ん。じゃあ、また……次の機会……な」