3-5-第5章のシナリオ【ソフトエンド】
第5章・〔あなた〕とユズハとミサキ【ソフトエンド】
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〔あなた〕が目覚める(めざめる)と〔あなた〕はユズハのベッドの上に寝かされていました。
〔あなた〕は慌てて起き上がり、部屋を見回しましたがユズハはどこにもいませんでした。
〔あなた〕はユズハを探しに行った方が良いのかどうかを考えていると、どこからか人の声が聞こえてきました。
〔あなた〕が耳をすませてみると部屋の外で誰かが誰かと話をしているよう声が聞こえてきました。〔あなた〕はその会話が気になり、物音をたてないようにドアの所まで行きました。〔あなた〕が自分の耳をドアに近づけるとユズハとミサキの声が聞こえてきました。
「お前のお陰で上手くいったわ、ミサキ。」
「は、はい、ユズハ様。でも、あのぉ。」
「大丈夫よ。アイツはよく眠っているわ。」
「そ、そうですか。」
「約束のお金はお前のお給料を振り込んでいる口座にもう入金してあるわ。退院後の通院費も込みでね。それとお前のお母様が完治した後に加入する医療保険も私の方で負担するつもりだから安心していいわよ。」
「そ、そんな。よろしかったのですか、ユズハ様?」
「別に構わないわ。お前は毎日一生懸命に働いてくれているから、それへの報奨金と思ってちょうだい。第一お前のお母様には私も小さい頃から随分とお世話になっているし、今でもお前のお母様が私の心の支えなのよ。この程度のことは当然よ。これからも何かあったら、遠慮せずに私に相談しなさい、ミサキ。」
「本当に、本当にどうもありがとうございます、ユズハ様。」
〔あなた〕は彼女たちの話をそこまで聞くと、ベッドに戻って目を閉じて眠っているフリをしました。
〔あなた〕は心の中で呟き(つぶやき)ました。
「そう言うことか。」
古伊万里(こいまり)の大皿10枚をミサキが落として割ってしまったと言うのは、ユズハが〔あなた〕を自分のモノにするために、ミサキと示し合わせた作り話でした。
実は〔あなた〕も不自然に思っていたことがありました。
〔あなた〕が庭から屋敷に戻る時、廊下の隅でユズハとミサキが真面目な顔で立ち話をしている姿を見ていました。
そして、〔あなた〕が屋敷の裏口を開けると、ユズハがミサキを叱りつけていて、〔あなた〕が仲裁に入るとミサキはすぐにどこかに行ってしまいました。
それで〔あなた〕はユズハとミサキが割ったお皿のことで話をすることになるのですが、〔あなた〕はミサキがすぐにいなくなったことに疑問を感じていました。
でも、〔あなた〕は心の中で呟き(つぶやき)ました。
「良かった。」
ミサキの母親は重い病(やまい)で入院していて、ミサキの母親を完治させるには手術代など沢山のお金が必要でした。
でも、そんな大金はミサキにも〔あなた〕にもありませんでした。
ユズハにはミサキの母親の治療費を賄う(まかなう)だけの十二分な財力がありましたが、何の口実もなく、ユズハはミサキにお金を渡すことができませんでした。
ですが、〔あなた〕が口実になれば、ユズハはミサキにお金を渡すことができました。
ユズハもミサキも小さい子供の頃と違ってちょっとずるくなってしまいました。でも、〔あなた〕は小さい子供の頃と同様に素直で純粋な心を持ち続けていました。
だから、女の子たちはみんな、〔あなた〕のことが大好きでした。ユズハもミサキも〔あなた〕のことが大好きでした。
ユズハもミサキも子供の頃から今までずっと〔あなた〕に甘えてきたことを知っていました。
ユズハもミサキも〔あなた〕に甘えてばかりではいけないと言うことも知っていました、でも、彼女達はどうしても〔あなた〕に甘えていかなければ生きていけませんでした。
〔あなた〕も彼女達の気持ちを知っていました。そして、〔あなた〕はいつも彼女達を許し受け入れていました。
そんな〔あなた〕のことを、ユズハもミサキもこれからもずっと大好きなままです。他(ほか)の女の子も〔あなた〕を大好きなままです。
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