○トラック06b「彼女の日記06」
【乃菜花】
「……うわ。これも、あまり読みたくないかも……」
【乃菜花】
「これって、私が彼を襲うみたいに、セックスをしてもらった時のことじゃない」
【乃菜花】
「しかも、あの時……彼には内緒で、孕ませてほしいって思ってたのよね。オナホ扱いもいいけれど、孕ませてもらって、初めて彼の女になれると思っていて……」
【乃菜花】
「だから、私からねだって、セックスをしてもらって……あ、ら……?」
【乃菜花】
「おもいだしたって……え、ええ。ちゃんとあなたと出会ってから何をしてきたのか、日記に書いてある通り――」
【乃菜花】
「違うって、何が……?」
【乃菜花】
「あ……あ……な、なに、これ……私、どうして、こんな……嘘、嘘でしょ?」
【乃菜花】
「い、いやっ、近づかないでっ!」
【乃菜花】
「あなた、誰なのっ!? 私の両親は離婚も再婚もしてないし、義理の弟なんていなかったわ!」
【乃菜花】
「どうやったかわからないけれど、私にこんなことをさせて……許さない。絶対に、許さないからっ!」
【乃菜花】
「最後の上書き? 記憶の強化? 何を言っているのよ。私は――」
【乃菜花】
「あなたのお姉ちゃんで、恋人で……これからは、もっと特別な関係になるの」
【乃菜花】
「そのために、昔のことをこうやって二人で確かめて『思い出して』いるんじゃない」