第10話 サキュ姉と家出
その後必死に風呂場から運んで様子を見ているサキュ姉(服は着せた)
サキュ姉 「……ひっく…ひっく……どうしよう……私……私……」
サキュ姉 「はっ、よかった、眼を覚ましました……ごめんなさい……ひっくひっく……お風呂で私がのぼせさせてしまって……眼を覚まさなかったどうしようって……ひっく……よかれと思って、ご恩返しになればと思ってこうしましたが……もう私はダメですね…ぐすっ…お世話になりました」
サキュ姉 「引き止めないください!魔眼発動……ごめんなさい」
サキュ姉静かに立つ
サキュ姉 「あなたと一緒だったこの一月、本当に…本当に楽しかったです。でも私は何もしてあげられませんでした。私はあなたに頼りっぱなしで、ただの居候で……まともなお夜伽もできず……お手伝いどころかご迷惑をかけてしまう……私は、あなたにとってただの邪魔者でしかありません……でもこれだけは言わせてください……ぐすっ、あなたの事は大好きです。ありがとうございました」
サキュ姉ダッシュで出て行く(服着てるよ)
ドア開く
サキュ姉 「はぁはぁ……は!雪降ってます……防寒具だけでも……」
思い出したようにドアを開く
サキュ姉 「んしょ……コート、手袋、マフラー……、あ、魔眼は5分で解けますからご安心ください!……ではさようなら!(ペコリ)」
ドア閉まる
場面転換
サキュ子の家の前付近でカマクラを作っているサキュ姉 雪が深々と積もっている。
サキュ姉 「完成です!……人間界の積雪時緊急避難用シェルターカマクラ、魔力を大分消費しましたがなんとかできました……」
サキュ姉 「はぁ……出てきたはいいですが、防寒具に気をとられお財布も私物も全部置いてきてしまいました……持っているのは携帯電話だけ、戻りたいですけど、もう合わせる顔がありません……私は本当にダメですね」
サキュ姉 「雪大分積もってきました……寒いです……カマクラに避難しましょう……公園ですから迷惑にはなりませんよね」
カマクラに入るサキュ姉
サキュ姉 「噂に聞くカマクラ……これならきっと暖かいはずです……」
サキュ姉 「……あれ……普通に寒いです……」
サキュ姉 「うぅ、仕方ありません、雪が止むまでは魔力で身体を温めましょう……」
場面転換
サキュ姉 「……魔力……大分尽きてきました……このままでは朝までは持ちませんね……でも役立たずなサキュバスにはお似合いの最後かもしれません……あれ…眠くなって……きました……最後にもう一度だけ……見たかった……です……」
その頃サキュ子が明日朝のために融雪剤を玄関先に撒きに来た
サキュ子 「雪、大分積もってる……雪にわくわくしてつい夜中に公園まで出てきてしまった……こっそり雪だるま作ろう……これは!?」
サキュ子カマクラを発見
サキュ子 「人間界の積雪時緊急避難用シェルターカマクラ……本物が見れるなんて幸運……一体誰が作ったのか気になる」
サキュ子 「……姉…様?……本…物?……間違いない……魔力の反応が微かにする」
サキュ姉 「すーすー(普通に寝てる※魔力はまだ持ってます)」
サキュ子 「姉様……カマクラの中で何をしているの?」
サキュ姉 「……ふぇ?」
場面転換
拾われたサキュ姉はサキュ子の家へ 前主人公は実家に帰省中
サキュ姉 「へぇー、それじゃあ今はサキュ子って呼ばれてここに住んでいるんですね」
サキュ子 「うん、最初は不服だったけど今は気に入っている」
サキュ姉 「ふふっ、それじゃあ私もここではサキュ子ちゃんって呼ぼうかしら……色々お話が聞けて色々捗りました」
サキュ子 「捗る……ところで姉様はどうして積雪時緊急避難用シェルターカマクラの中にいたの?」
サキュ姉 「サキュ子ちゃん……それは言えないです(真顔で)でも強いて言うなら……緊急時だったからです」
サキュ子 「姉様がマジメな顔をしている……これは魔界重要機密クラス案件……!?」
サキュ姉 「そうこれはお姉ちゃんのトップシークレットなんです!」
サキュ子 「姉様……人間界でも凄い……これが一流のサキュバス」
サキュ姉 「サキュ子ちゃん……お願いがあるんです……一晩でいいんです……泊めてくれませんか?」
サキュ子 「姉様……もしかして追われている?……一体どんな危険なミッションを……わかった力になる……ちょうどあの人も帰省中で留守」
サキュ姉 「サキュ子ちゃん~大好きです」
サキュ子 「姉様に抱きしめられるの久しぶり……」