第十話 乙女ロードと腐女子サキュバス
それからしばらくたったある日 対面
サキュ美「はむはむ……ん?ベーコンエッグの焼き加減……私の好み覚えた?」
主人公 「まぁこんだけ毎日作ってれば」
サキュ美「……まぁこんだけ毎日朝食作ってれば覚えるか……はむはむ」
主人公 「あ、サキュ美しょうゆを……」
やや近く
サキュ美「はい、目玉焼きには醤油でしょ……ふふっ、まっそれはこっちも同じってこと」
主人公 「さんきゅ……で、今日もこの朝食は『夕食』になるわけ?」
戻り
サキュ美「はむはむ……あー、今日は寝ない……ていうか今朝はちゃんと起きたし」
サキュ美「ねぇ……アンタ、今日は暇?」
主人公 「まぁ……暇と言えば暇だけど」
サキュ美「ふふっ……そう、じゃあデートってやつしてあげよっか♪」
場面転換 池袋へ 左隣近くへ
サキュ美「ふーっ、ついたついた『聖地池袋』……うーん、人間界に来た日以来だからたぎるわー!」
主人公 「はぁ、こんなこったろうと思ったよ」
サキュ美「ふーん、予想どおりかー……じゃあこれは?……はい、腕組み~♪」
主人公 「なっ、ちょっ、なに」
サキュ美「ん?だから『デート』つったじゃん……腕くらい組んだってよくない?」
主人公 「でもなんでこんな」
サキュ美「あはは、焦ってる焦ってる童貞はこれだから面白いわね……ほれ、さっさと歩く!タネ明かしは歩きながらしてあげる」
歩き出す
サキュ美「……はぁー、やっぱ楽だわこれー……ん?あぁ、実はサキュバスってこうして
軽い接触でも魔力を少し回復できるの……人間界の言葉でイチャつくってやつね」
主人公 「そ、そうなのか?」
サキュ美「やー、実は前に池袋来たときは、はしゃぎすぎて魔力がつきかけてぶっ倒れそうになっちゃってさー」
主人公 「はぁ、そういうことですか……」
サキュ美「そう、今日のアンタは私の魔力電池ってわけ……察しがよくて助かるわ。乙女ロードのアニマイトに入るまでしっかり充電させて貰うわよ」
主人公 「……はぁ」
サキュ美「ん?なになに落ち込んでるの?……もしかして私とホントにデートしたかったりした?」
主人公 「そ、そんなこと……ないし」
サキュ美「そう、ならよかった。まぁその代わり好きにイチャついていいからさ……ほら、胸当ててあげる……うり、うり」
主人公 「や、やめ……」
サキュ美「あはは、口では嫌がっても魔力の流れで悦んでるのは丸わかりだっつーの……このムッツリ童貞が……そいじゃ行きましょう」
場面転換 アニマイト前 やや離れる(あ、から)
サキュ美「ということでマイト前に到着♪……あ、腕ありがとうもういいから」
サキュ美「あ、今日はコラボカフェ販売の車出てるわね……どれどれ……あー、まだ手を出してないやつかー……パス、あ、アンタも付き合う?」
主人公 「じゃあせっかくだから」
サキュ美「よしきた!じゃあ行きましょう」
主人公 「うわーっ、話に聞いてたけど見事に女ばっか」
このあたりの位置感は当日に決めます
サキュ美「え、女ばっか?そんなことないわよ……ここ普通の本も売ってるから2割くらいは男もいるし……あ、今1階にけんらぶコーナーあるじゃん……どれどれ」
けんらぶコーナーで
サキュ美「うっはー、プチセレの新しいの出てんじゃん!おー、むくれ顔のマサムネ様いいっ……あ、チビタンも新ラインナップで出てるし……どっちも600円前後か……しかもランダム迷うわ……boxで買うとして……予算的に」
主人公 「……boxっておま」
サキュ美「え?マサムネ様を確実に手に入れるためなら致し方なしだし……ねぇ、アンタはプチセレとチビタンならどっちがいいと思う?」
主人公 「い、いや同じようなもんじじゃ」
目の前で
サキュ美「は?全然違うし!……よく見比べて!同じデフォルメシリーズでも全然違うから……ついでに言えばこっちの壁ドンをテーマにした壁セレもほっぺがぷにぷにできるプニコレも全部違うから」
主人公 「……そ、そうですか(なんだこの迫力……)」
戻り
サキュ美「はぁー、まぁいいわ……後でじっくり決めよ……なっ!これは……
見てみてマサムネ様が劇中でつけてる胸飾り!よくない?」
主人公 「えぇ、そんなものまで売ってるの?……コスプレとかに使うの?」
サキュ美「違う、まぁコスプレに使うヤツもいるだろうけど……でもね私はキャラを近くに感じたいの」
主人公 「……はぁ」
サキュ美「ふっ、『愛』とは業の深いものなの……決して届かない彼らを私達は心で追い求め続ける……そのための言わば触媒なのよ」
主人公 「……(頭が追いついてない)」
サキュ美「ふふん、アンタには理解できないでしょうねー、言っとくけどこんなのまだまだ入口よ。ほら見回してみなさい……たとえばそこのスポーツ系の作品だったら基本派生グッズ以外にもユニホームとかメガホン……果てはホイッスルまで公式で出してるし……あ、スコアシートとかもあったっけ学校別に」
主人公 「えぇ」
サキュ美「缶バッジやクリアファイル集めるくらい可愛いもんよ……そこからラバストやアクキに手を出して……段々段々コアになって愛の深みにはまっていくわけ……そしてね……さらにその先を極めると……アレになる」
サキュ美が指を指した先には何故かお酒がおいてある
主人公 「なんでお酒が並んでるの?しかも……普通の」
サキュ美「えぇ、あれはコラボグッズでもなんでもないただのお酒よ……でもね」
しかし何故か売れている
主人公 「う、売れた!?」
サキュ美「そう、売れるわけ……実は最近「あるちゅー」ていうお酒を擬人化した作品が流行り出しててそれのメインキャラの元ネタのお酒なわけよ……あのお酒を飾ったり飲んだりしてキャラを感じるわけよ」
サキュ美「私もわかるわー……日本刀の展覧会とか近場であったら絶対行くし」
主人公 「ま、マジ?」
サキュ美「さーて、そんじゃそろそろ本気でショッピングを始めますか」
主人公 「……あー、やっぱ外にいるわ(無理だ絶対ついてけない)」
サキュ美「ふふっ、あ、そう。まっ、あんたにはここらが限界のようね……じゃあ私は行ってくるからすぐ近くの公園ででも待ってて」
サキュ美「さーて、生活費も振り込まれましたしいっちょかましたりますか」
主人公 「ちょ、ちょっと待って……それは」
目の前で
サキュ美「うっさい!私の『愛』を止められるものはないのよ」
場面転換 近くの公園 周りはマイト帰りの女性客だらけ
主人公 「なんかこの公園もすっごい居辛いんですけど……」
通常位置で
サキュ美「はぁはぁ……お待たせ……あぁ~……クッソ重かった」
大量に買いこんで来たサキュ美
主人公 「そ、その量って」
サキュ美「えぇ……やってやったわ生活費全ぶっこみ……最後の1000円は流石に私も震えたわ……もう残ってるのは最低限の食費と帰りの交通費だけ……燃え尽きたわ……でも満足よ!」
あのあと重い荷物を二人で分担して軽く食事して電車で帰宅中 左隣で
サキュ美「はぁー、満足、グッズいっぱい、お腹もいっぱい……お財布はカラッポ、あはは」
主人公 「……奢らせやがって」
サキュ美「はいはい、ごはん奢って貰って悪かったわね。今後の食費含めて借りはちゃんと返すから……ねぇ、ちょっと肩借りてもいい?」
主人公 「いいけど」
左隣近くで
サキュ美「うん……ふぅ……(少し魔力充電)」
サキュ美「今日はありがとうね……楽しかったわ……ふふっ、男ってのも私が考えていたよりも悪くないかもね……こうして魔力も補給できるし、荷物も持ってくれるし、ご飯も奢ってくれるし」
主人公 「それって召使か何かですか?」
サキュ美「あはは、バレた?……それじゃアンタが私の召使みたいか♪……うーん、じゃあ今度はアンタが私をデートに誘ってみれば?」
主人公 「そ、それってえっと……」
サキュ美「またデートしてあげるって言ってるの……私達は対等だしね♪……せいぜい私をエスコートしてみなさい」
主人公 「それって結局同じなような……」
サキュ美「うーん、同じかなぁ?……でもでも人間界では女の子は『お姫様』だっけ?でしょでしょ」
主人公 「……変な言葉ばっか知ってやがるし」
サキュ美「……あぁ、そんなこと話しているうちにもうあと一駅ね……ふぅ、一息ついたわありがとう……あ……一息ついて一駅ついた……ぷぷぷっ」
主人公 「変なツボ入ってるし」
サキュ美「はぁー、おもしろい♪……そんじゃまぁ期待しないで楽しみにしているから」