2.エチノジカン
へへへ。先輩の部屋なのに、お前より上位に立ってるの楽しいなぁ。あ、そうだそうだ。ねえねえねえ。先輩、ベッドインしますか。私のこと、お前はいつも独り占めしてるけどさ、やさしいじゃん。今日は、先輩の乱暴なところも見せてほしいな。なんて。ふふふ。あら、先輩のお母さま。わあ、そんな、ありがとうございます。いただきます。紅茶大好きです。しかも、ちょうど喉が渇いていたのです。さすが先輩のお母さま。ははは。はい、お気遣いありがとうございます。......、......ククッあはッあははははッ......。あっぶねー、って感じですか?あーあー先輩、冷汗かいてますよ。いえいえ?狙ってませんが?たまたま~、お母さまが来ちゃっただけ。いやぁ、ははは、先輩、今日はいつも以上に面白いなぁ。お母さまも、お優しいですね。先輩にそっくりです。魂の形というのかな、やっぱり親子って、そういうの似るんですね。あれ?先輩......あれれ、怒ってるの?せーんーぱーいー、機嫌をぉ~、直してくださいよぅ。別に私、先輩を怒らせたいわけじゃないんですよ。お前は表情豊かで、いろいろな感情を見せてくれるから、ついついからかいたくなっちまうわけ。嫌ってるわけじゃないんですよ?だって、こんなに。好き......♪だもん。えへへへ。せんぱぁい。さっきも言ったけど、家守、今日はイチャイチャしたいのです。ラブラブさせてください。らぶらぶ、らぶらぶ。あいらぶゆう。ほら、頭撫でていいですよ。あ、別に撫でろって言ってるわけじゃないですよ。許可です、許可。だからほら、早く撫でて。......ん......♪ぃひひ、ぇへへ......♪うむ、なかなか上出来。今後に期待。んぁ?なんですか先輩。私のほっぺたが気になりますか。んん。んむ。ちょ、ツンツンしないで。......んむぅ~~。それなら私だって。えい。えいえい。ぷにぷに。ぷにぷに。フフッ......何してんだろ。たわむれ。さわりあい。楽しいね。ぎゅ。先輩の手、つかまえました。フフ。頬ずりしちゃうもんね。ん~~......♪なんで先輩の手って、こんなに温かいんだろう。ただの手なのに、なにか、やさしいものが伝ってくるんだ。ひょっとすると先輩も、私みたいに......不思議な力を持ってるのかもね。だとしたら私、先輩の術中にまんまとハマってます。ぎゃ~。えへへ。いいんですよ。も~っと、先輩の魔法でハメてくださいな。あ、先輩、まだ明るいからさ、ヤらしいことはダメですけど。お腹とか、触ってみますか。......へ。うん、私のだよ?いや、自分のお腹さすってどうすんねん。ハライタじゃん。何をビビっていらっしゃる。触る理由が欲しいですか?......なんかね、紅茶飲んだらお腹すいちゃって。でも最近、お腹周りが気になるから、先輩に確かめてみてほしいの。これでいいですか。ほら、どうぞ。さわさわしてください。あ、服の上からね。......あっ......♪オオォ、やば、変な声出ちゃった。やば。ハズカシ。やっぱり無しで。いや、うん、そういうの感じやすいので。アア、やらなきゃよかった。......何ですか。今日はやけに積極的だな、とか思ってますか。もう。そういう日もあるでしょ。今日はそういう日なの。一周年記念を盾にしてるわけじゃないですよ?たまたま重なったんです。だからほら、今日はオシャレしてきました。そうそう、先輩が珍しくファッションを褒めてくださって、嬉しかったです。デートの時いつも先輩、ちらちら見る癖に何も言ってこないし。あ、でもね、あのね、この服なんだけどね。自分なりに考えてみたんだけど。ちょっと可愛すぎかなって思ってた。
私ほら、そういうなんか、可愛いみたいなのは似合わないですから。家ではジャージしか着ませんし。こんなヒラヒラスカートは、制服以外ではちょっと違和感が......、え?......も~、いっつも可愛いって言ってくる先輩は、麻痺してるんですよ。世間一般で見たら、私なんか可愛くないもん。全然可愛くないもん。......可愛くないってば。先輩、生意気ばっかり言ってると、先輩のこと褒めちぎって頭爆発させますよ。う......まだ言うか、この......。ハイハイ分かりました、私は可愛いです。家守依知、超可愛いです。これでいいですか。......いいんだ。そりゃそうか。ほんとさ、お前は私のことになると、急に頑固になるよね。私のこと、どんだけ好きなんですか。言葉では言い表せないくらいですか。......そうか♪フフ♪......なんでもないですよ?ニヤニヤしてるのはきっと、先輩が必死なのがおかしいからですよ?別に、可愛いとか好きとか言われて、嬉しくて幸せな感情を抑えられなくて、ニヤニヤが止まらないわけじゃないんです。ちゃいますから。ぬ......ニヤニヤしおって。私の真似ですか。ものまね大会ですか。じゃあ私も先輩のものまね。ごほんごほん。......依知、好きだ......。ぶふっ......あっははは。せーんぱーい。好きだ、ってやってください。好きだ、って――きゃっ!?ぁ......。ぅ、お、押し倒すなんて、はは、そんな怒りました......?......怒ってないの?じゃあ、なに......襲っちゃうの?白昼堂々と?お母さまに聞かれちゃうよ。いいの?いいのかな?......、どうしたんですか。何もしないの?先輩らしいと言えばらしいね。じゃあこの、ドラマの一時停止みたいな時間を、二人でずっと味わいますか。見つめ合って。視線そらさないで。私のことジッと見て。そうそう。いくよ。先輩......♪私、先輩のこと......ずっとずっと好きでした......♪......ん、嬉しい♪私もね、先輩のこと、愛してます、大好きです......♪っていうか、その体制キツくない?......ぁ、すみません。ムードが台無しに。力抜いていいよ。覆いかぶさっていいよ。先輩の身体、全身で受け止める。来て。ん......。おもっ。あ、いやいや、大丈夫です全然。反射で言っちゃいました。あー、なんか、なんかね、こうされてると私、とっても......ぼーっとしちゃう。先輩に支配されちゃってるみたいで。まったく嫌な気はしません。むしろ最高です。このまま先輩の身体と、お前の愛に押しつぶされたい。......なあ。私って、変態なのかな。......なんとなくそう思いまして。でも、まあ、変態でもいいや。先輩が好きでいてくれるなら。待って。どかないで。キツくなったらギブギブ言うから。ギブが来るまでは、私のこと、圧迫してください。えへへ。