4.新しい日の朝。
すぴー......すぴー......。......ふぁ。おー、おー......?おーはよう。もう空がぁ、青いねぇ。んんー......!ふひぃ。昨日は、......あー......疲れて寝ちゃったのかぁ。......んー?おおーう、ちょっと、まじまじ見ないでくれるかな。ハズい。んふふ~。昨日までさぁ、命のやり取りしてたのにねぇ。あれれ~・どうしようどうしよう。急にあんたの事がぁ、愛おしくなってきちゃったよ~。ほんっとうにさぁ、あんたってぇ、不思議なひとだねぇ。......やさしくしてくれて、ありがとうねぇ。......嬉しかったよ。うわーうわー今の無し。無し無しっつう事で。ハッズ。あーもー。あんまりさぁ、気ぃ許すと、また痛い目見るよ。あんたと私は、利害が一致してるから一緒にいるだけだって事、よぉく理解してね。いい?......よろしー。じゃあ今日も......歩こうか。ああ、その前に......、私も、木の実を食べようかな。食べたらなんか、分かるかもしれないじゃん。あれってどんな感じなの?......ほーん?なんとも、言葉だけじゃ分からないねぇ。やっぱり試さないとダメだなぁ。そんじゃ、木の実探しからの神様探し~、すた~と~。いや~、今日はたくさん歩くだろうなぁ。たくさん喋るだろうなぁ。ココロ減るよね。いくら私でも、終わっちゃうかもねぇ。誰かから~、「好き」をもらわないと終わっちゃうねぇ。誰かくれないかなぁ。......んねぇ。昨日あんなにくれたじゃんか......何で今日は......ねぇ~。ねぇ~ってば。......くれないの?う。......あんた、結構......悪い奴だなぁ。......そんなに私に......言わせたいの。だって、あんたはもらっても意味ないじゃん......。そうやって私に、無駄に言霊使わせて......寝首でも掻くつもりですかぁ?......あーもー、あーもーッ......。......す、......クッ......なにこれ、もう......。......すき、です。ハィ。ッ......~~~......ッ。うぅがぁあっ。終わるッ。終わりそうッ、ある意味終わりそうッ......しんどッ。お、ぁ、あんたッ、なに笑ってんのさッ。あんたが言えって言ったんだろ!......はッ?ちょっと、さ、ほんと、あんまり図に乗らんでくれるかな?なに、主導権......握ろうとしてんの?あんただって、私に......言わないと、終わるんだよ?いいのかなぁ。......、いいんかいッ。いや、ダメだよ、私は終わりたくない。お、お願いだから、す、す、す、好きッ......だから、好きッ。ぅ、だ......大好きッ、ですッ!はいっ!......ぅううぁぁぁ......なに言ってんだ私、くそ、くそ、うぅぁ。ぁあ......そんな顔で......言うんじゃないよ、もぉ......顔、見れないよ......。え、なに......?もしかしてこの先、ずっとこうなの......?言霊もらうたびに私、こんな思いしなくちゃいけないの......?......ああ......これ、あんたの、昨日の仕返しってわけかなぁ。あはは......。ぉあッ。ちょッ......何してんの。なに?頭になんかついてる?......何それ。わけ分かんない事ばっかり言わないでくれるかな......。まあ、でも、うん......悪くはない、かもね。うん。かもだから。かもかも。あー......頭、変になりそう、だなぁ。やっぱりあんた、神様でしょ......。どう考えても、頭をそうやって......手でさ、撫で回して、こんなにふわふわ、いや、何か、熱くてジンジンしてくるの、おかしいじゃん......?何の力なのさ、それは。......あー、調子狂うなー。うぎゃーーー。ダメダメ、終わり。ほら、さっさと出発するよー。新しい神様探しの、記念すべき一日目でしょー。行きましょ行きましょ~。......そうだ。
ヤマキタは、やっぱりスタート地点なんだねぇ。私が最初に目覚めたのも、ここだったからねぇ。どうしてだか、ゆかりのある場所なんだよなぁ。それも不思議だなぁ。いつかまた、ここに戻ってくること......あんのかねぇ。その時はさぁ、神様......見つかってるといいな。......それが、あんたじゃないことをさ......祈ってるよ。うん。とりあえず、木の実......探そうか。